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2008年5月

2008年5月30日 (金)

後は緩和ケアですね

タイトルは私のことではありません。癌研有明病院で同室だったKさんからのメールでした。
手術不能の膵癌だったKさんは、ジェムザールの投与をして、それが効果がなくなったのでTS-1というお定まりの「標準的抗がん剤治療」を受けてきたのですが、最近腹水がたまってきたようでした。担当の先生曰く「あとは緩和ケアです。」

Kさんは「私はまだ、気持ち的には全然元気なのに・・・・ ネガティブな返事にがっかりしました」と。

この先生は私も抗がん剤の投与を受けましたが、白血球数のチェックを忘れて看護師から指摘され、血液の再検査をするということがたびたびのアブナイ先生です。私も一度その経験があり、ATCに入ってから看護師さんにいわれ一時間以上再検査の結果を待ったことがあります。看護師さん曰く、「あの先生はいつもだから・・・」

癌研のHPをでは、「患者さんの権利」として

  1. 基本的人権に基づき、高質の医療を等しく受けることができます。
  2. 十分な説明と情報提供を受けることができます。
  3. 自己の意思に基づいて診療を受けることができます。
  4. 自己の受けた診療内容を知ることができます。
  5. 個人情報及び医療情報は十分に保護され秘密が守られます。

と掲げてありますが、本当でしょうか。

だとすればKさんに対して「あとは緩和ケアだけですね」なんて冷たい説明はないだろうと思います。確かに癌研の最上階には立派な緩和ケア病棟がありますよ。でも入院費、期間限定(確か3ヶ月以内)ですから、癌研の患者で緩和ケアの必要な患者すべてを入れることなんかできそうにありません。

癌研もがんセンターも、「人類の癌撲滅に貢献」することはあっても、あなたの癌の治療を優先してくれるわけではない、ということを肝に銘じておきましょう。

癌研で膵癌の手術をし、術後補助化学療法でジェムザールを投与したこれまでの選択は正しかったし最善であったと思っています。(できれば術後の成績の良い大阪府立成人病センターで手術したかった・・・) しかし、再発したあとの抗がん剤治療はごめんこうむりたいです。癌研やがんセンターでの標準的抗がん剤治療は絶対に受ける気がしません。


安保免疫学には4冊も本を買い数千円の損をした思いですが、良いこともありました。それは安保免疫学を調査する過程で「休眠療法」と梅澤医師のブログ・著作、高橋豊医師の著作などを知ったことです。

休眠療法のことより何より、ブログから伝わってくるその先生の人格です。正直ですし、自分の治療法方の欠点もいたらない点も十分に書かれています。これってとても大事なことです。

私の癌と戦う有力な武器になりそうな予感がして、いま集中して勉強しています。標準的抗がん剤治療では長生きできそうにありません。

Kさんには勧めはしませんが(私自身まだ理解しているとはいえませんので)、今後の治療の選択肢として検討してはどうでしょうかと返信しました。

巷には、インターネットには素人が読みきれない、調査しけれないほどたくさんの癌に関する情報があふれています。どれが正しいのか、いかさま師は誰なのか、見抜くのは至難の技です。

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2008年5月29日 (木)

トンデモ本 安保免疫学 (2)

安保徹氏の「免疫学」の要点は、

  • 生活習慣病といわれる病気のほとんどは働き過ぎによるストレスが原因
  • ストレスが自律神経の偏りをもたらす。
  • ストレスが多いと交感神経が優位に、少ない(リラックスする)と副交感神経が優位になる。
  • 自律神経と白血球の関係を、安保・福田が発見した
    (晴れた日ほど虫垂炎の患者が多いという現象から)
  • 交感神経が優位になると、白血球の中の顆粒球(好中級が大部分を占める)が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増える
  • こうして体の免疫力が低下する。
  • 顆粒球は活性酸素を必要以上に増やし、活性酸素が細胞特に上皮細胞のDNAを破壊して様々な病気・癌を誘発する。

An1imagegifmenneki ということになろうかと思います。

だから、仕事を減らしなさい、40歳になったら仕事のやり方を変えなさい、50代になったら生き方を変えなさい、夜更かしはやめて早寝早起き、インターネットのやりすぎは自律神経に良くない、と主張します。

慢性病(生活習慣病)は文字通り「生活習慣」からきた病ですから、薬では治せません。薬は単に対症療法で、症状を一時的に抑えるだけであり、元の生活習慣を正さなければ真の治療にはなりません、と。

こうした主張には全く異論はありませんし、私自身もストレスの多い生き方、真面目すぎる生き方をしてきたように思うので、それらが癌の大きな原因になったのではないかと感じています。

安保氏は免疫学の世界的権威(と本人や取り巻きが言っているだけですが)であり、対して私は一介の素人ですから、彼の免疫理論がすべて正しいのかどうか、よく分かりません。だた、自分の体験からは彼のいうことの多くは的を得ているような気がするだけです。

しかし、免疫力を高めればガンは治る、抗がん剤治療は不要だ、となると噴飯ものです。臨床医でもない基礎研究の学者がどうしてそう言い切れるのか。彼の「免疫革命」に出てくる症例(と言えないような、体験談)などはやめて、きちんとした学会で症例報告をすればよいのでしょう。

ここまで書いてきて、ばかばかしいのでやめにします。こんな癌患者を食い物にするようなエセ教授のいかがわしい著作に付き合っている時間がもったいなくなってきました。

彼の学説を批判的に取り上げたURLを記して終わりにしましょう。私なんかが一知半解で書くよりよほど正確に分析されています。

一つの仮説だけを信奉することは危険
自律神経免疫療法

患者の皆さん、くれぐれもインターネット上のいかがわしい情報に騙されないようにしましょう。

  • そのウェブサイトは、誰が運営していますか。
  • そのウェブサイトは、なにか資格認定を受けていますか。
  • そのウェブサイトは、誰のために何を目的としていますか。
  • そのウェブサイトは、製品を販売したり勧めたりしていませんか。
  • そのウェブサイトの情報の出典は、どこですか。
  • そのウェブサイトの情報は、事実に基づいているものですか。
  • そのウェブサイトの情報は、どのように選ばれたものですか。
  • そのウェブサイトの情報は、最新のものですか。

などに気をつけて、冷静に判断しましょう。
( 『がんの補完代替医療ガイドブック』厚生労働省がん研究助成金 「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班)

安保教授が64冊もの著作を出していると知った時点で「おかしいぞ!」と思い、健康食品の本の監修や説明会と称する「販売促進会」に賛助の言葉を提供していることを知った時点で感じた第6感は間違っていなかったということです。

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2008年5月27日 (火)

トンデモ本 安保免疫学 (1)

今後の癌との戦い方を考えています。

すい臓癌の5年生存率は5%ほど、手術が可能な場合はいくらかは生存率も良くはなるが、他の癌に比較するとやはり予後はあまり良くない。

であるならば、今後癌との戦いを進める上でどのような戦略を立てるべきかということを考えなければなりません。

  1. まずは「敵」を知ること
  2. 使える武器を知ること
  3. 自分の望む理想の戦い方を決定すること(完全勝利か和解か、それとも不戦か)

この一年間で「敵を知る」ことに関しては幾分の知識を持てるようになりました。まだまだ十分ではありませんが、医者と同じような知識を持つ必要はなく、これからの治療方法を話し合うときに意思の疎通がうまくいく程度で良いと思います。先生にしても基本的なことから説明するのでは時間もないだろうし、それでは治療方針を決める前に時間オーバーになってしまいます。

次の「武器を知る」こと。今はこれを集中的に情報収集しています。その過程で「安保免疫学」なるものに出会いました。免疫学の世界的権威と言われている新潟大学医歯学部教授の安保徹氏の提唱している免疫学だということです。

アマゾンで早速検索してみますと、「安保徹」氏が書いたあるいは監修した書籍が64件ヒットしました。私の感性からすると、もうこの時点で「胡散臭いなぁ」と感じました。こうした第一印象は割合あたっているのがこれまでの経験則です。

ともかく相手を知ることが必要だと、いくつかの本を購入して、先週はずっとそれに没頭してすごしました。

  1. 免疫革命
  2. まじめをやめれば病気にならない
  3. 安保免疫理論と上野式代替医療でガンは治る
  4. がんにならない「生活術」—実践!安保免疫学 (別冊宝島)
  5. 病気をよせつけない生き方(安保徹 ひろ さちや対談)

の5点です。
書かれていることはどの本の内容も似たり寄ったりで、どうしてこんなにたくさんの本を書く必要があるのかと、また一つ疑問がわいてきます。

安保教授の理論を強引に要約すれば次のようになります。

血液中の白血球は顆粒球とリンパ球に大別される。このバランスは自律神経に支配されており、自律神経はその人の精神状態により変化する。ストレスが加わる と、交感神経優位となり顆粒球が増加し活性酸素が組織を破壊する一方、リンパ球が減少し免疫力が低下する。その結果がんが発生しやすくなるという。だから、ストレス をためない生活習慣ががんを防ぐのだと。

これは安保教授の行ってきた基礎研究から導き出された仮説です。免疫学に素人の私でもストレスが様々な病気の一つの原因であるということには納得できます。彼のいうように、顆粒球と白血球の割合によってストレスの程度が把握できるという点は、手術前と入院中および退院後の私の血液検査のデータを見れば納得できます。手術後の入院中の血液像は白血球数も割合も安保教授のいう理想的な状態でしたから。

また、ストレスをためないために仕事を減らしなさい、夜更かしはやめなさい、食事は玄米菜食が良い等もその通りだと思いました。

問題は、ストレスをためない生活に変えれば、治療や手術、抗がん剤、その他の薬も必要なく、癌は必ず治ると断言している点です。

長くなるので続きは明日以降ということにします。


 

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2008年5月26日 (月)

転移かな?

先日会社の健康診断がありました。バリウムを飲んで胃と食道の検査もしたのですが、その結果が返ってきて、「食道下部 食道隆起性病変疑い」との所見が付いてきました。

最悪の場合のすい臓癌の転移を疑っているようで、心配です。何はともあれ精密検査を受診しなければならないです。そういえば最近食後に胃がもたれる気がしていました。手術の後遺症であろうと考えていたのですが、そうでないかもしれません。すい臓癌の場合は肝臓への転移が一番確率が高く、約50%の転移率です。リンパ節転移、血行性転移、腹膜(ふくまく)転移が続きますが、食道転移というのは調べた限りではあまり例がないようなので、あまり心配はしていないのですが・・・。

癌の転移については我々庶民は誤解をしているのだという記事があります。(患者さんの誤解)

乳がんの肺転移⇒肺がんではない、胃がんの肝臓転移⇒肝臓がんではない、ということです。

つまり癌組織が転移した場合、元の癌細胞の特徴を持っているので、肝臓転移したものは肝臓がんではなく、元の癌だし、治療も元の癌としての治療を行うのだということです。すい癌が肝臓に転移した場合は、癌組織が仮に小さくても、初期の肝臓がんではないということです。『先生、私の転移したがんはまだ小さいから大丈夫ですよね』ということはあり得なくて、小さい転移が見つかったということは、検査では見つからないがん細胞が全身に分布しているというわけです。

私のすい臓癌の場合、まずは肝臓への転移に気を掛けていますし、27日はそのためのCT検査も予定しています。

2000年には直腸癌を切除しているのですが、仮に今回のすい臓癌が直腸癌からの転移だったとしたら、これはラッキーだと考えることができますね。なぜなら直腸癌はもっとも治りやすい癌であり、すい臓癌は「足が速い」と言われるようにもっとも厄介な癌です。ただ、膵臓摘出後の組織検査の結果ももらっていますが、それには「すい癌の病変」と明確に書かれていたので、直腸がんの転移の可能性はゼロだろうと思います。残念ですが。

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2008年5月18日 (日)

タイムドメイン(続き)

駅ビルで北海道物産展をやっていました。釜めしが美味しそうだったので買って帰って電子レンジで温めました。物産展のおじさんから「蓋を少しずらして3分間チンしてください」と言われてその通りにしました。

ウズラの卵が入っていたので、最初に箸を付けて口に入れ、噛んだとたんにドンという音とともに口の中で爆発。本当に爆発のようでした。黄身が全て口から飛び出して食卓の上に飛び散りました。家族はみんな大笑いしていますが、口の中はひりひりして鏡で見ると口内炎のように赤く、一部は白く爛れています。口を閉じていたら鼓膜が破れたかも知れません。

卵はチンしちゃいけないと知っていましたが、殻がなければ大丈夫かと思っていました。「3分間チンする」と言われたのですが、我が家の電子レンジは800W、通常は500Wが多いのでしょうから「500Wで3分間」という意味だったのかもしれませんね。


タイムドメインスピーカーの続きです。

CDの音がこんなに良かったのかと驚きの連続です。わずか5W+5Wのスピーカーから豊かな高低音が出てきますが、けっしてドンシャリの、無理に高低音を強調したような音ではありません。タイムドメイン理論そのものが、音をアンプの電気回路でどうにかするという理論ではなくて、スピーカーの構造で物理的に必要な音を発生するようになっているからです。

Tds_fig2 タイムドメイン理論を簡単に説明すると次のようになります。あらゆる音は全て単純な正弦波のの重ね合わせで表現することができます(正弦波に分解できるということ)。これはフーリエ変換といって高等学校の物理や数学で学ぶ内容ですね。高速フーリエ変換(FFT)によってリアルタイムの音の波形を正弦波で表わすことができます。

図のように左半分が「無音部」、右半分が正弦波の音の場合も、中段部の多くの音を合成することで作り出すことができます。従来のスピーカーはこの「周波数領域」理論に基づいてウーハーで低音部を、ツィータで高音部を出すようになっています。

タイムドメイン(時間領域)理論では、左の無音部では音は出さない、右の正弦波ではそのまま正弦波を出せばよい、という考えです。ごく単純に表現しましたが、由井氏の説明だとこのようになっています。

そのためにいろいろと工夫を重ねていますが、タイムドメイン理論の正しさは、音を聞いてみれば一目瞭然(一聴?)です。とにかく聴いていて疲れないスピーカーですね。気分が良いのですぐに眠くなります。ドンシャリのスピーカーではこうはなりません。マイクロソフトのビル・ゲイツをして「わが家の7000万円のオーディオより良い音がする」と驚嘆せしめたというエピソードがあるそうです。(ただしビル・ゲイツが試聴したのは、タイムドメインスピーカーの試作品だったという説)

従来のスピーカーでは女性のボーカルや英語のCDではさ行の音が強調されて破裂音のように聞こえますが、このスピーカーでは素直な発音に聞こえてきます。由井氏が挙げた特徴があります。

  • 自然な音。 いくら聴いても疲れない。
  • 音像がリアル。 実在している様に聞こえる。 遠近、広がり、上下まで。
  • 音場感が豊か。 雰囲気まで伝わる。
  • 音離れが良い。 スピーカーが鳴っているように思えない。 空間から音が出る。
  • 距離が離れても音は崩れない。 離れても音量は余り変わらず遠くまで届く。
  • 音量を下げても音は崩れずはっきり聞こえる。 騒音の中でも聞き取れる。
  • 音の分離が良い。 オーケストラのいろいろな楽器が聞き取れる。
  • 物音や環境音がはっとするほどリアル。 自然楽器の音がリアルで表情豊か。
  • 会話がはっきり聞き取れる。 英語の発音がはっきり聞き取れる。
  • 口の形や開き方、舌や歯の動きや位置が分かる。
  • 女性ボーカルのサ行強調が無く、胴間声にならない。
  • 低音楽器の半音の動きが聞き取れる。 低音楽器の奏法、音色の変化が良く分かる。
  • 演奏会場の物音、観客の話声、微少な音が聞える。
  • 古い録音や、LP、コンパクトカセット、TVの音もリアルに忠実度高く驚く。
  • 声や楽音の頭に低音がしっかり付いて上質の音が自然に響く。

小音量でもはっきりと聞こえるので結果的にダイナミックレンジが広い音空間になります。

iTunesにAACフォーマットで記録した音を、BOSEとJupity301で聴き比べてみましたが、Jupity301では高音部・低音部が大きく損なわれていることがはっきりと分かります。BOSEではそこそこ良い音に聞こえるのですが、タイムドメインスピーカーでは明らかに音が劣化しているのが分かります。

そこでCDからiTunesに記録するフォーマットをAACから「Appleロスレス」に変えて記録のやり直しました。本当なら無圧縮のAIFFフォーマットが良いのですが、4GのiPodに6枚のCDアルバムしか入りません。Appleロスレスは可逆圧縮フォーマットで完全に無圧縮のデータに変換出来てしかも60%にデータ量を圧縮できます。BOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンQuietComfort 3で聴くと、Jupity301と同じように豊かな音を楽しむことができました。

「されば人、死を憎まず生を愛すべし。存命の喜び日々にこれ楽しまざらんや」(徒然草93段)

こうして、徒然草の気持で存分に命を楽しんでいます。

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2008年5月17日 (土)

タイムドメインスピーカー Jupity301

BauXar ボザール Jupity301

由井啓之氏の提唱する「タイムドメイン理論」に基づいて設計された「BauXar ボザール Jupity301 」を入手。
タイムドメインスピーカーは、前々からその評判は聞いていたが、先日ヨドバシで視聴して、すっかりその音の虜になってしまった。富士通テン ECLIPSE TDシリーズや最近ではiPod用として発売された日立マクセル製のMXSP-4000.TDがあるが、タイムドメイン社の製品で最高峰と言われているのがYoshii9、しかしこれは30万円と高価で手が出ない。Jupity301はライセンス品だがタイムドメイン社でもその性能を保証しているようだったのでこれにした。

デスクの両端にディスプレイをはさむように設置して、ケーブルの接続も簡単だ。CDプレーヤーも由井氏の推奨するのは「複雑な回路で音を補正したような製品ではなく、単純なポータブルCDプレーヤーが良い」との説明を頼りに、7200円のSONYのD-NE730にした。こんなに安いCDでよいのかなと半信半疑。

6センチほどのフルレンジスピーカーだけのユニットから豊かな音が出てくる。スピーカーから音が出てくるのではなく、顔の前の空間から音が出てくるという感じなのだ。モーツアルトをかけてみた。部屋全体がコンサートホールになったような気がする。弦楽器の音の立ち上がりが良い。弓が弦を噛みこんでから立ち上がるときの高音成分が明瞭に再現されてくる。

デュオ・ディ・バッソ

ロッシーニのチェロとコントラバスのための二重奏曲には驚いた。コントラバスのダッ・ダッ・ダッというテンポの速いスピッカートが明確に区切られて聞こえる(通常のスピーカーではくぐもって連続的に聞こえる)。低音に含まれている倍音成分がより正確に出てくるタイムドメイン理論の結果であるが、それが音にはっきりと現れている。もちろん高音部も良い。シンバルや鈴の、これまでは聴こえなかった音が聴こえてくる。

輪廻(りんね)交響楽

芸能山城組の「輪廻交響楽」では、最初の爆発的に轟く巨大な太鼓の音がこれまでのスピーカでは太いばちでたたいているように聞こえるのたが、このスピーカーでは細身の硬いバチで叩いているように聞こえる(実際にCDの解説書によれば平太鼓をチベット密教のバチで叩いていると書かれて いる)。BOSEのスピーカでも確かに巨大な太鼓の音として再現されるのだが、Jupity301で聴くと声明(しょうみょう)のようなコーラスともあいまって、般若心経の陀羅尼(だらに:秘蔵真言)、東洋思想の生命観・宇宙観である輪廻転生が見事に再現される。これまでのスピーカーの音空間とは違う、自分の体が輪廻転生の真っ只中の宇宙空間に漂っているような、そんな錯覚すら覚えてくる。

音像の定位感も良いから楽器の配置の奥行きまで分かるし、ヨー・ヨー・マのチェロでは左手が移動するときの弦をこする音や奏者の息遣いまではっきりと聴こえる。

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2008年5月 9日 (金)

すい臓癌の5年生存率

_mg_2627 今日5月9日は32回目の結婚記念日です。娘も付きあって妻と3人で近所の寿司屋へといったのですが、時期をずらした連休休みで閉まっていました。タクシーを拾って大森駅前までいき、「びっくり寿司 大森店」に。ここはよく行く寿司屋ですが、最近リニューアルしたようで内装もきれいになっていました。


「毎日jp」の「がん 50話」にすい臓癌に関する興味深い記事があります。
5月8日の第7話には「5年生存率」と題して、次のような記述があります。

地域がん登録が実施されていて、さらに正確な予後情報を把握している地域の例として、大阪府における生存率を調査し、

大阪府のがん患者さんの5年生存率の最新の値は、1999年にがんと診断された方のものです。数値はがんが発生した部位別の5年相対生存率(相対生存率はがん以外の理由で死亡した影響を除去した生存率)です。
がん全体では42%。乳房や前立腺では70~80%程度と比較的良好です。しかし、膵臓(すいぞう)では5%と良くありません。予後は当然、見つ かった時のがんの広がり(進行度)や年齢、治療内容、合併症によっても異なります。なお、ここでの生存率はあくまでも過去の平均的な値であり、診断や治療 の進歩により、変化するものと考えてください。(大阪府立成人病センター調査部、伊藤ゆり)

やはりすい臓癌の生存率は他の癌に比べて圧倒的に低いのですよね。しかし、これは全てのすい臓癌の平均値です。手術ができない癌と手術可能だった癌をひっくるめた平均値です。

私たちの施設では、手術に局所再発防止のための放射線療法や肝転移防止を狙った化学療法を併用することで、血管まで浸潤した進行膵がんでも50%近い5年生存率が得られるようになっています。(大阪府立成人病センター消化器外科部長、大東弘明)

と紹介されているように、手術が可能であったすい臓癌の場合は50%の5年生存率もありうるということです。

生活を見直してストレスを極力なくす。玄米菜食を継続する。明るく希望を持って生きる。病気を受け入れ、落ち込まない。自分の力の及ばないことにはくよくよしない。これは諦めるということではなくて、人はいずれ100%、何かの原因で死ぬのだから、その何かが「癌」であっても良いのではないかという「悟り」に近い考え方です。

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2008年5月 5日 (月)

チェロレッスンの新兵器

今日は端午の節句。風呂に入ったら浴槽に菖蒲が浮いていました。長い葉と根もついています。菖蒲の葉には強い香気があるので、この香りの強さが不浄を払い、邪気を遠ざけてくれるといわれているようです。根には鎮痛成分も多く含まれているそうです。
菖蒲湯にゆったりと浸かって、気分も爽快、肌も少しすべすべとした感じになっています。

朝からチェロのレッスン。6月の発表会まであと1ヶ月です。スメタナのモルダウですが、5小節目のB(独表記ではH)の音を、A線(Ⅰ)ではなくD線(Ⅱ)でとるので、4ポジションになるのですが、これがなかなか音が安定しません。指の位置もそうですが、押さえる微妙な強さで音程がずれてしまいます。ネックに添える親指の角度をきちんと決めるのがコツなのでしょう。練習あるのみです。

もうひとつは弓の角度。弓と弦とは直角になっていなくてはなりません。チェロのロストロポーヴィチと競演したあるバイオリニストの話で、 コンサート終了後、そのバイオリニストがロストロポーヴィチを食事に誘ったところ、「今から、やらなければならない事があるから、ゴメンナサイ。」と言ってホテルに帰っていったそうです。翌日、「昨日は、ホテルで何をしていたんですか?」と訪ねたら、「ボーイングの直角の勉強をしていました。」と答えたとのこと。あのロストロポーヴィチが、コンサートを終わった後にホテルでボーイングの直角を勉強しなおしてる!!とそのバイオリニストは驚いたそうです。それほどに弓と弦とを直角にして引くことは難しくて大事なことなのですね。
R0010978
仮に弓と弦とが直角ではなく、ある角度θを持っているとすると、直角方向にかかる弓の引く力はcos θとなります。θがゼロ(直角のとき)ではなくて10度の角度を持っているとすると、cos 10 は0.98です。私など、ややもすると30度位の角度で弾いているときもあるので、そのときは0.87、力の87%しか弦には伝わらないことになります。力の問題だけではなく、毛の引っかかり具合とか、音の強さや音色にも影響してきますから、コサインで計算した数字だけの問題ではないのですが、直角で弾くことの重要性は良く分かります。しかし奏者の目線から見たときに、直角を保つのは本当に難しいのです。あのロストロポーヴィチさえ悩ませるのですから。

そこで新兵器を開発。といっても100円ショップでバルサ材を買ってきて写真のようにテープで補強して輪ゴムでチェロに装着しただけです。サイレントチェロだからできる芸当ですね。アコースティックのチェロだと胴が大きいのでこのようには装着できません。これに弓が当たらないように弾けばよいだけです。ということで、効果のほどはいずれまた。

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2008年5月 4日 (日)

チェロ弓

これまで使っていたチェロの弓(カーボン)はサイレントチェロを買ったときの付属品だF864483102_2 が、最近はその弓の音に満足できなくなってきました。つまり少しはチェロの音が分かるようになったということなのでしょうか。

いろいろと検索した末、クライスラーMusicさんからフェルナンブーコのAAAクラスの弓を買 いました。

メールでのやり取りでしたが、このブログも見ていただいたとのことで、こんなメールをいただきました。

闘病中とのこと、玄米菜食をお始めになられたのですね。
私自身もここ6年ほど、玄米菜食を続けております。
友人のお母さんは、医者から完全に見離された末期の直腸ガンでしたが、徹底した玄米菜食で、見事に復帰され現在もお元気です。
食べ物の力の凄さをみせつけらました。

玄米菜食の方がここにも居られて、末期の直腸がんを克服された友人のお母さんがいる。世界的な穀物の高騰が報じられています。途上国では飢餓で暴動も頻発しています。このような時代に、飽食の挙句に癌を増やし続けている日本の食文化を考え直して、私なんかが子供のころの、昭和の時代の粗食にかえったほうが良いのではないでしょうか。


弓の話題の戻ります。

買った弓は「ぺカット」モデル。弓はフランス製の古いものが良いとされ、中でもトゥルテ、ペカット、サルトリーなどの著名制作者のものが最高とされています。もちろんそんな高価な弓は私には「豚に真珠」。ぺカットの弓を忠実に再現したモデルです。
中国製ですが、この弓を製作した工房はフランスにも輸出しているとのこと。フランス製だということで買っても実際は中国製ということも多いのでしょうね。非常に評判の良い弓です。スクリュー部は純銀製でアワビ貝のスライドと貝細工が施されています。

わくわくしながら弾いてみました。評判どおりに腰の強い弓で、弦を良く噛んでくれて音の立ち上がりも粒立っています。一つ一つの音の粒が明快に発音します。松ヤニを変えたせいもあるのかもしれません。松ヤニはソロのチェロ用のAndreaにしました。松ヤニひとつでずいぶんと音が変わるのですね。

まるで違うチェロを弾いているようです。音だしが楽です。出てくる音がぜんぜん違うのにはびっくりします。弓でこんなに違うのですね。

少し上手くなったような気にさせられます。

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2008年5月 3日 (土)

二人のがん患者 徒歩の旅1000キロ

10年前にすい臓がんの手術をした長崎の黒段と4年前に前立腺がんの手術を受けた大学時代の同級生二人が1000キロの徒歩のたびをやり遂げて長崎にゴールしたとの記事が毎日新聞長崎版にありました。

黒田さんは私と同じように膵臓を半分摘出している方ですね。やはり手術直後は再発の不安におびえ、闘ってきた方です。「生かされて良かった」との黒田さんの言葉には重みがあります。「生きていてよかった」ではないのですね。「生かされて・・・」ここには人間の力の無力さと、人間を超えるものへの深い共感・信頼があります。

<以下、毎日JPより引用>
徒歩の旅:がんの手術乗り越え1000キロ、出島にゴール 「人生これから」 /長崎
 ◇黒田さん(長崎)、武内さん(東京)

 東京-長崎間を、長崎市江平2の元会社員、黒田雄彦さん(62)と、東京都大田区田園調布南の同、武内孝昭さん(64)が歩き通し、29日にゴール地点・長崎市出島町に到着した。歩いた距離は約1000キロ。二人は青山学院大の同級生で、共にがんの手術を乗り越えた経験がある。家族ら大勢の関係者の出迎えを受けながら、「人生これから」と日焼けした笑顔を交わした。

 黒田さんは10年前、すい臓がんのため、すい臓を半分摘出する手術を受けた。武内さんは4年前に前立腺がんの手術をした。がん再発の不安と二人は闘っていた。

 昨年1月に東京都内の飲食店で新年会を開いた際、黒田さんが武内さんに「長崎に遊びに来ないか」と誘うと、武内さんは「歩こう」。すぐに、徒歩旅行が決まったという。二人は大学時代にも東京から大阪まで一緒に徒歩旅行をした経験があったからだ。

 今年3月20日に東京・日本橋をスタート。13都府県を巡り、各地の遺跡や建造物などを訪ねながら、41日間かけて到達した。

 武内さんは「(旅には)がん克服の思いが心の奥にあったのかも。雪の日もあったが、温かいサポートもあった。人との出会いに感謝している」。黒田さんは「10年前は絶望と恐怖で、死にたくないという気持ちが強かった。生かされて良かった」と語った。

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