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2008年7月

2008年7月29日 (火)

サードオピニオン

四次元ピンポイントの「スーパー・フォーカル・ユニット」による放射線治療の適用が可能かどうか、サードオピニオンを受けた。

天王洲アイル駅の近くの報知新聞社前で待ち合わせて面接場所へ。「明るいがん治療」の著者である植松稔先生の直接の面接。どことなく若いころの堀内孝雄に雰囲気が似ていました。

部屋に入るなり、「元気そうなのでびっくりしました。すい臓を摘出された患者さんは、へろへろになって入ってくるので、予想と違って驚いています。」と言われた。メールでの打ち合わせで「付添いの方はいないのか?」と質問をされたのは、普通では一人で来るすい臓癌患者が少ないのを指していたようだ。

このように言われたのはこれで3回目。癌を見つけてくれた糖尿病治療をお願いしていた先生、地域の終末医療に積極的に活動しているアヘンチンキを処方していただいている先生。このお二人からも同じことを言われました。どうやら私は『元気すぎるすい臓癌患者』らしい。

植松先生は「癌研での手術が上手だったのか、あなたの体が手術にうまく適用できる体質なのかでしょう」とも。母が同じように何度も手術をして(確か3回)、同じように元気でしたから、その体質を受け継いでいるのかもしれません。

肝心の診察結果ですが、PET-CTの画像を見て「う~ん、何とも言えない感じですね。まだ手術の影響で画像の全体が赤くなっています。癌の転移かどうかは何とも言えない状態ですね。画像診断医の先生のコメントのように、造影CTをもう一度撮ってから、どうするかを判断した方が良いと思います。」とのことでした。小さい(5ミリ程度)うちに発見したので分からないということでしょう。もっと大きく育ててからなら間違いない診断になったのかと思うと、複雑な気持ちです。

その他は以下のような点が確認できました。

  • 大動脈に近い腫瘍でも放射線照射は可能である。
  • 私の装置で治療したすい臓癌患者はいるが、すい臓癌自体の予後が良くないために放射線治療の成績について何かをいえるようなエビデンスはない。
  • 治療は土日もやっている。その方が結果が良い。
  • 約3週間、21日連続して治療を行う。
  • 治療開始はお盆明けから可能である。
  • 費用は約150万円。

ということでした。

すい臓癌を確定していただいた山王の病院でCTを撮る予定でいます。


今日は自宅で2時間ほどチェロのレッスン。こんなブログの記事を見つけました。

チェロといえば,最近なかよくなったある先生が
癌であと2ヶ月の命といわれてから家に帰り
ずっと毎日チェロを弾き,朝日を見て
過ごすうちに,癌がどんどん消えたお話を聞きました。感動した私は,そのお話を絵本にしました。
宮沢賢治のお話にも出てくるように,チェロには
人を癒す力があるようです。
(セロ弾きのゴーシュ)あれは,ただのおとぎ話ではなかったのですね!!

末期がんからの生還をした寺山心一翁さんの記録「ガンが消えた~ある自然治癒の記録」もチェロにはガンを癒す力がありそうだと書かれています。

宮沢賢治の有名な童話に、『セロ弾きのゴーシュ』があります。物語に書かれているように、チェロの音には癒す力があります。なぜチェロの音色には癒しの力があるのでしょうか。
末期のガンから回復する道のりで、毎日チェロを弾いていた『ガンが消えた~ある自然治癒の記録~』の著者・寺山心一翁が、チェロを演奏しながら『セロ弾きのゴーシュ』に隠された秘密を解き明かし、癒しのスイッチが入った瞬間について語ります。

セロ弾きのゴーシュ」の野ネズミの親子のように、私の下手なチェロにもガンを癒す力が秘められているかもしれません。楽しみながら弾くことです。それが何よりの治療です。

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2008年7月26日 (土)

ガンと心=癌は自分で作った

20代の頃自律訓練法をしばらくやったことがある。そのころストレスからくる執拗な不整脈に悩まされ、大学病院でも検査をし、当時としては画期的だという薬で治療をしたが全く好転しなかった。あるとき、日本における心療内科の草分け的存在である九州大学・池見酉次郎先生の著作を読んで自律訓練法の存在を知り、自分なりのやり方でしばらく治療をしてみた。

  • 気持ちがとても落ち着いている。
  • 手足が重い。
  • 手足が暖かい。
  • 心臓が静かに打っている。
  • 呼吸が楽になっている。
  • お腹が暖かい。

のように自己催眠をかけていくのだが、しばらくやっていると不思議と手足が重く感じられて、暖かくなる。暑さを感じるほどになる。そうして続けていると頑固な肩こりも軽減されて、何よりも不整脈がなくなってきた。しかし、不整脈がなくなって相変わらず以前と同じ生活・仕事態度を続けていると、また不整脈がぶり返してくる。

いくら新しい薬を飲んでも治らなかった執拗な不整脈が「心」をコントロールすることで治るという経験は、唯物論者である私には信じられなかった。しかし、『病は気から』ともいい、『心のありようが病気を作る』ということが、自分の経験から納得できたのはこの時だったような気がする。

生活習慣病といわれるが、不自然な食生活、昼夜の逆転した生活、経済万能で生きていくために必要だとも思えないいろいろな物欲に囚われて、そのために「ともかく金を稼ぐ」という生き方、それからくるストレス。これらが「生活習慣病」の原因だということは、最近の「精神神経免疫学」において科学的に立証されつつあるが、古来から人はそれを経験から知っていたと思われる。良寛や鴨長明、本阿弥光悦、蕪村に池大雅、吉田兼好。セネカにもちろん老子や釈迦、キリスト。皆同じようなことを言っている。

癌を作ったのは私である

癌細胞が外からやってきたわけではない。執拗な不整脈が起きるような人生を歩んできたのも私だし、体が「不整脈」という手紙で「このままの生活を続けたら、いずれ大病を患うようになりますよ」とありがたくも注意をしてくれたのに、若さにかまけてそれを無視してきた。いや逆に、「自分の生き方は全うで間違いないはずだ」といっそう頑張って、不整脈を治す方法=自律訓練法を探してやってみた。良くなった。また同じ生活を続けた。

8年前に直腸癌になった。幸い初期だったので転移もせずに今まで元気で来た。再び天からの「ありがたい手紙」をもらったのに、これも無視してきた。以前よりももっと頑張ってきた。「自分には厳しく、他人には優しく」。日本人はこうした考えを美徳としてきた。しかし、これは間違いだ。「自分に優しく、他人にも優しく」でなければ、いずれ「癌」という破綻がくる。

昨日アヘンチンキがなくなったので地元の医院で処方してもらった。癌の経緯を説明し、どうも再発・転位したらしいこと、これからの治療方法としてピンポイント照射を考えていることなどを説明して相談をした。「ピンポイント照射は良い選択だと思いますよ」と言われて少しほっとしたが、最後にこうおっしゃられた。

「あなたは患者としては優等生ですね。優等生過ぎます。私の前で少しは弱音を吐いたり、迷いをみせても良いのですよ。」

これには心底グサッときた。自分でも最近同じようなことを考えていたからだ。この先生は、私の人生の全体を一瞬で見通してしまった。

癌になった、でも弱音は吐かない、情報を集める、いま何がでサイモントン療法――治癒に導くがんのイメージ療法(DO
 BOOKS)きるか最善の方法を探す。死ぬことなんぞは恐れない。これで間違っていないはずだと思ってきた。でも違う。こうした生き方が癌を作ったんだと気付いた。『膵臓癌は3度目のありがたい手紙』なんだと。

「手紙」の意味には気づいてはいた。だから玄米菜食に代えた。仕事もできる限り減らして残業はしないようにしてきた。任せられることは任せるようにしてきたはずだった。でもまだ足りないものがある。それは「感謝」の気持。癌になって気付かせてくれたことへの感謝、生きていることへの感謝が足りない。

「がん治癒への道―サイモントン療法の新たな展開」

癌細胞は手術や放射線で取ることができる。しかし癌は氷山に一角だ。その下に隠れている「癌になった原因」を取り除かない限り、また別の場所に転移したり、別の種類の癌になるに違いない。病院は表面の癌しか直してくれない。水面下の癌の原因を取り除くことができるのは自分だけ。その自分にないができるのかといえば、食事・生活・考え方を改めて、幸福を感じて充実感に浸れる生活に変えることだ。そのための手段としてサイモントン療法を選んでみることにした。

自律訓練法も心理療法だが、癌のための心理療法としてイモントン療法がある。アメリカの精神社会腫瘍学の権威であり精神神経免疫学の創始者、カール・サイモントンが始めた治療法だ。いま自律訓練法に代えてサイモントン療法を始めてみようかと考えている。すでにいくつかのCDは入手したので聞いてみたが、結構よい。どんな点が良いかはまた別の日に書こう。

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2008年7月25日 (金)

膵臓癌にサイバーナイフ使用可能に

これまで頭部と頸部の腫瘍だけに限られていたサイバーナイフによる治療が、脊髄、肺、肝臓、膵臓、前立腺、腎臓などを含めたすべての体幹部腫瘍の治療に使用されることになったそうです。厚生労働省が6月に適用拡大を承認したため、今後はこれらの癌にも使用が可能になります。ただし、保険適用になるのは脊髄、肺、肝臓など、膵臓などその他の部位に適用する場合は自由診療となり、70万円くらいの費用となります。

いま私が治療方法と考えているUASオンコロジーセンターの四次元ピンポイントの定位放射線照射装置もライナック(線形加速器)とCTあるいはPETを使用したサイバーナイフの一種。保険適用になってくれるとありがたいのですが。

がん治療で「サイバーナイフ」適用範囲拡大

 

 

  厚生労働省が6月にがんの放射線治療装置「サイバーナイフⅡ」の適用拡大を承認したため、これまで頭部と頸部の腫瘍だけに限られていたこの装置による治療 が、脊髄、肺、肝臓、膵臓、前立腺、腎臓などを含めたすべての体幹部腫瘍の治療に使用されることになった。東大医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授ら が7月24日、記者会見で明らかにした。

【関連記事】

早期導入の検討対象13機器を決定
サイバーナイフⅡが8月から始動
国民はもっとがんを知るべきだ
がん対策の取り組み案を提示-厚労省
7府県が未策定-がん対策推進計画

  サイバーナイフは、呼吸などによって運動するがん細胞を、1ミリ単位で正確に追尾して照射することができる「追尾型定位照射」という特性を持っており、 「痛みのないがん治療」「外科的施術を必要としない画期的な治療」として、1996年に日本で初めて導入され、現在国内ではその後継装置のサイバーナイフ Ⅱが20台使用されている。

 従来の放射線治療では、周囲の正常な細胞にも放射線が当たることで、肺がん治療後に肺気胸が発症したり、前 立腺がん治療後に出血性腸炎が発症したりする副作用も見られたが、2004-07年までの世界のサイバーナイフⅡの臨床データ約800件中、副作用の報告 例はゼロだという。また従来は、肺がんの場合は50-70回、前立腺がんは約50回の治療(照射)を必要としていたが、サイバーナイフⅡでは5回程度の通 院治療で済むようになり、患者への負担が大幅に小さくなった。このほか、患者にとっては▽痛みがなく、麻酔を必要としない▽外科治療に比べてダメージが少 ない▽治療後、すぐに社会復帰できる―などのメリットがある。胃、食道、十二指腸、大腸、小腸などの消化器官系のがん治療には使えないが、今回の適用拡大 により、肺がんと前立腺がんの治療への効果が最も期待されているという。

 治療費は、脊髄、肺、肝臓など保険が適用される部位の場合は約 63万円だが、さらに高額医療費軽減措置が適用されるため、実質的な負担は約8万円。一方、膵臓、前立腺、腎臓などは保険適用外のため自由診療となる。国 内でサイバーナイフⅡを販売する日本アキュレイの木梨峰夫社長は会見で、「さらに保険適用範囲が広がるよう申請していきたい」と語った。

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2008年7月23日 (水)

腫瘍マーカの推移

Photo

昨年の手術以後の腫瘍マーカの値をグラフ化してみました。

UクリニックでPET-CTをやっておこうと言われたのは、この腫瘍マーカが「正常値」の範囲内ではあるが、右肩上がりだと先生が言われたためです。正常範囲は、

  • CA19-9  0~35.0
  • CEA    0~5.0

グラフ化してみると、なるほど、CA19-9もCEAともに右肩上がりになっていました。「若い先生だと気がつかないこともあるよ」とのことでしたが、癌研の先生は若くはないが、外科医ですから無理もないのかもしれません。それ以上に癌研の先生方は忙しすぎるような気がします。患者一人ひとりの身に合った診察などできないほど忙しいのでしょう。

こうしてグラフを眺めてみると、PET-CTの画像診断医は「疑いがある」との診断報告書ですが、転移だと考えてほぼ間違いないと思います。

腫瘍マーカの値は、数字よりも値の上下、時間的な経緯観察が重要だという教訓です。

 

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2008年7月19日 (土)

信頼できる医者とは?

昨日のブログでは、Uクリニックのことを少し辛口で書いたかもしれません。しかし私はこの先生を信頼しています。

癌の治療に関しては私は素人です。一所懸命に知識を得ようとはしていますが、数十年も癌治療に関わってきた専門家には当然のことながら及ぶはずもありません。巷には肩書を利用して悪徳代替医療の「広告塔」になっている医学博士も少なくありません。正直なところ、我々にはそれら怪しげな、直接会ったこともない人間を信頼できるかどうか判断することはまことに難しい問題です。

ですから私が見も知らないU先生を「信頼できるかも」と考えたのは、先生のブログを読んでその内容から信頼できそうだと思ったこと。さらにご自身の過去の過ち=免疫療法に関わった病院での、ご自身も騙されていたとはいえ、インチキ治療を反省し、病院を解雇されることも意に介さないで内部告発したこと。更には被害者である患者さんの側に立って裁判を支援し、証人になったこと。この一連の経過は、癌研などの売店にも多数置いてある「がんサポート」という雑誌にも紹介されています。

私が信頼したのは、まだ会ったこともない先生の癌に関する知識でも、経験でもなく、先生の患者の立場に立とうとする『行動』であり『生き方』でした。もちろん「休眠療法」に対しては、考え方として正しいだろうという確信のようなものはあります。しかし、専門家でもない私には、それが正しい判断かどうかの100%の自信はありません。

そして最初にセカンドオピニオンを受けたのですが、第一印象はあまり良くありませんでした。(また辛口になってしまいますが)しかし、私の経験では第一印象の良い人間というのは、往々にしてその後はつまらない、あるいは付き合いづらい人間が多いものです。ぶっきらぼうで第一印象の悪い点では、私も他人には負けませんから。

セカンドオピニオンでは自費診療ですから21,000円を支払いましたが、その後2回の診察を受けているのに、2回とも医療費の請求をされませんでした。昨日もピンポイント放射線治療のための紹介状を書いていただいたのですが、通常なら紹介状一通で5000円ほど請求されるはずが、まったく請求がありません。
CT検査では町田○○病院で支払いが発生したのですが、それだけでした。

いったいU先生は自費診療のためのクリニックを開設していて、どうやって経営しているのか不思議です。マンション一室の賃料だけでも相当な金額になるはずです。この病院の別部門という扱いなのかもしれません。

金儲け第一でやっている人ではない。こんな点も、この先生を信頼して大丈夫だと考えている理由です。


今日は妻の60歳の誕生日。これで夫婦そろって還暦になりました。ケーキと寿司で祝いましたが、家族で賑やかでした。おやじの癌が再発したかもしれないというのに、この家族は能天気というか意に介さないのか、はたまたあまり深刻に感じ取っていないのか。少し拍子抜けですが、まぁ、これで良いのかと思い直しました。何も悪い方向に考えてくよくよすることもないでしょう。賑やかに楽しく暮らせばそれに勝る治療はないです。

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2008年7月18日 (金)

PET-CTの結果、リンパ節への転移発見

PET-CTの結果を聞くためにUクリニックへ。

先生が開口一番「いますね。
大動脈近くのリンパ節に転移した腫瘍があるらしい。大きさは5mmほど。「この程度の大きさではCTでは見つかりませんね。」とのこと。

先生「どうしますか?」
いきなりどうしますか?と言われても、ある程度の予想はしていたとはいえ、患者に「どうしますか?」はないだろうと思いつつ、「肝臓への転移は?」と逆に質問。
「肝臓へはないようです。」

どうしますか?と問われたのだから、どうするか、ない知恵を絞って必死で考える。当初予定していたジェムザールの動注は、肝臓への転移を予防する目的だったのだから、肝臓への転移がなく、リンパ節への転移だから、これは今はやる必要はない。それじゃTS-1の投与かとなると、TS-1は日本でしか使われていない抗がん剤で、膵臓癌にはほとんど効果がないと、欧米では評価されていない抗がん剤だ。

ゼローダの経口薬か、アバスチンが投与可能だが、両方の併用はできない。

「放射線の可能性は?」と聞いたら、「それはいいかもしれない。ピンポイント照射でやっつけられるかも。植松稔先生が開発した4次元ピンポイント装置がある。でも鹿児島まで行かなければならないが、週に一回天王洲アイルで診察をしている。紹介状を書くからまずそこで相談してみなさい。」ということになった。ただし、ピンポイント照射が保険適用できるのは肺癌だけ。自費診療になるので、150万円ほどかかるだろうとのこと。150万円で1年寿命が延びることを是とするか非とするか、これはもう価値観と経済力の問題だ。何とかならないほどの金額ではないし、ちょっと家族で海外旅行にでも行ったと思えば(鹿児島は国内旅行だが)よい。

待合室に戻ると、紹介された植松稔先生の「明るいがん治療 切らずにピンポイント照射」という本が置いてあった。--どうしますか、なんて言わないで最初から提案してくれればよいのに--と思いつつ外に出たらものすごい豪雨だ。

明るいがん治療―切らずにピンポイント照射 明るいがん治療―切らずにピンポイント照射
植松 稔

明るいがん治療〈2〉身体に優しいピンポイント照射 明るいがん治療〈3〉「明るいがん講座」30話 切らずに治す がん重粒子線治療がよくわかる本 間違いだらけの抗ガン剤治療―極少量の抗ガン剤と免疫力で長生きできる。 (ベスト新書) 切らずに治すがん治療―最新の「放射線治療」がわかる本

by G-Tools

1年前に癌研で膵臓癌が確定し、手術の日取りも決めた日もこんな豪雨だった。偶然とはいえ、重大な転機があるのはいつも「豪雨の日」になっている。

帰宅して早速ネットで検索。「UASオンコロジーセンター」でヒットした。
書留郵便とメールでしか申し込みの受け付けはしていないようだ。「東京での相談を希望」としてメールを送信。ついでにアマゾンで「明るいがん治療」を申込。まずは知識を集めなければならない。

その他の情報も検索したが、ピンポイント照射を受けた人のブログとしては一つしか見当たらなかった。「明るいがん治療生活」と、書籍のままのタイトルのブログがあった。

さぁ、これから闘いの第二ステージだ。

Photo 癌の転移が見つかった。どうするか? 大きく育てなければ良い。癌が大きくならなければ、死ぬことはない。いずれは大きく育つだろうが、それをできる限り遅らせることは可能だ。
PET-CTの検査結果報告書とCD-ROMを借りてきたのでCD-ROMをコピーをし、PCで画像ビューアーを起動してみた。3次元で画像が回転するし、拡大縮小も自由自在だが、正直素人にはどこが癌腫瘍なのかよくわからない。

報告書にはこんな感じで記載されている。

画像所見
*FDG投与前の血糖値は111mg/dlでした。 *参照画像はありませんでした。
脳、咽頭、唾液腺、心筋、肝臓、腸管、腎~膀胱に生理的なFDGの集積をみとめます。これらの部位では病変検出能が低下している場合があります。
膵臓はPD後であることが知られています。局所再発を示唆する軟部陰影やFDGの集積坑進部はありません。また、腸間膜内や臓器表面に播種を示唆する軟部陰影やFDGの集積亢進部もありません。面外胆管や肝内胆管に拡張はありません。
肺に転移を示唆する結節やFDGの集積亢進はありません。右上葉S2胸膜下の小結節影はPET装置の検出限界能以下のサイズですので、CTでfollowされることをお勧めします。胸水貯留はありません。
肝臓に転移を示唆する占拠性病変やFDGの集積亢進はありません。右葉に嚢胞があります。
骨に転移を示唆する骨破壊像や硬化像、FDGの集積亢進はありません。
左腎静脈の腹側に点状にSUVmax:2.7の軽度FDG集積部があります(下図)。小さな結節影があり小リンパ節を見ている可能性もありますが、PET-CTのCTは低線量撮影のために解像力不足で何とも判断し得ません。造影CTで御比較下さい。ほか、撮影範囲内の各領域のリンパ節に転移を示唆する有意な腫大やFDGの集積亢進はありません。
撮影範囲内の脳に転移を示唆するFDGの異常集積はありません。脳についてはMRI検査も併せてご判断下さい。
甲状腺左葉には有意なFDG集積を伴わない径9mmの低濃度腫瘤があります。 FDG-PETでは腺腫が疑われますがUSでご確認ください。
腎臓、副腎、前立腺に異常所見はありません。腹水貯留はありません。
ほか、撮影範囲内に明らかなFDGの異常集積や単純CTでの異常所見をみとめません。

画像診断
膵癌術後:腹部の小リンパ節(?)にFDG集積が疑われますが造影CTでご確認ください。
②他には明かな局所再発や転移の所見はありません。 ③肝嚢胞 ④甲状腺左葉の腫瘤

画像診断した医師は、明確な腫瘍とは断定していないようだ。U先生が経験を通じて大動脈近傍への転移だと判断されたのだろうか。まだ転移だと決まったわけではないと考えるべきなのか、いや転移に間違いはないと考えて対策を取るべきなのか、迷う。

しかし癌研にだけに任せていたらこの結果は得られなかっただろう。癌研での次回のCTは半年先の12月の予定だ。足の速い膵臓癌で半年の差はその後の結果に致命的な違いを生じるはずだ。12月のCTで見つかっても、とりうる治療法は、欧米では全く評価されずに日本でしか使われていないというTS-1の経口投与だけだ。そしてこの「標準的抗がん剤治療」の結果は「余命8~10か月」ということになり、「あとはホスピスですね」と冷たく突き放されて、ガン難民となるしかない。

小さいうちに見つかったのだから幸運だと考えて、成し得ることをやるだけ。

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2008年7月15日 (火)

すい臓癌の新しいエビデンスと治療薬

今年のASCO(米国臨床腫瘍学会)で、「すい臓癌の手術後の再発を抑える本格的な薬」として、こんな記事が配信されている。

【米国臨床腫瘍学会“ASCO”2008】 すい臓がんの手術後の再発抑える本格的な薬

すい臓がんの手術ができる人は幸運だ。すい臓がんは体の奥深くにできて見つかりにくく、自覚症状が乏しい。だから発見されたときには手遅れで手術もできない人が多く、日本では発症2年以内に9割近く(約2万人)が亡くなる。
 しかし、もし仮に手術ができたとしてもホッとできないのが、すい臓がんの恐ろしいところだ。例えばすい臓がんの中で70%を占めるすい頭部がんは、再発率が約90%と非常に多い。がんが消えても、まったく安心できないのだ。そんな極悪がんに苦しむ患者にとって、今年のASCO(米国臨床腫瘍学 会)は一条の光ではないか。
 国立がんセンター中央病院肝胆膵内科の奥坂拓志医長が言う。
「実はすい臓がんには、手術後の再発予防のための標準的治療法が存在しません。科学的根拠(エビデンス)のある効果的な治療法が見つかっていない からです。それで、再発予防のために、“手術後の抗がん剤治療はやってもムダ”という医師が少なくありませんでした。今回のASCOで延命効果が期待できる本格的な手術後の補助化学療法が報告されたのです」
 ドイツの研究者がすい臓がんの切除手術をした354人に対し、手術後にゲムシタビンという薬を投与したグループとしないグループとを比較。症状が進行しなかった期間は前者が13.4カ月、後者が6.9カ月。5年生存率も前者が21%、後者は9%だったという。
「ゲムシタビンは進行すい臓がんに効くことは知られていましたが、手術後の再発を抑える働きがあることが報告されました。欧米人の患者が対象とは いえ、2倍以上の差があったのは大変なことです。発表後のディスカッションでも、最高のエビデンスが得られたと評価されました。今後、ゲムシタビンは進行すい臓がんだけでなく、術後の補助化学療法の標準治療になると考えられています」(奥坂医長) 【日刊ゲンザイ 2008/7/7掲載】

ゲムシタビンというのは一般名で、薬品名としては日本ではジェムザールのことです。

無病生存期間が2倍に伸びたという記述は、私が6月6日のこのブログで紹介したJAMA誌の内容とは異なります。JAMA誌では5年生存率に「統計的に有意な差はない」とされていました。どちらもドイツでの治験のデータだというから同じものか違うものなのか、調査してみる必要があります。

癌の治験データではこうしたことはよくあることで、患者グループが違えば結果にこうした「ゆらぎ」があっても不思議ではないと思われます。

私も半年間、術後補助化学療法としてゲムシタビン(ジェムザール)の投与を受けたのですが、これが5年生存率で2倍以上の効果があるとすれば、うれしいことです。

もう一つは金沢大学がん研究所の向田直史教授らが発見したという、膵臓がんの新しい薬です。

膵癌に効く抗がん物質 金沢大:向田教授ら開発 新薬に期待

肝臓や膵臓(すいぞう)などのがん細胞を増殖、不死化させる遺伝子「Pim―3」を 抑制し、がんの治療効果がある新たな化合物の開発に、金大がん研究所の向田直史教授と 医薬保健研究域薬学系の石橋弘行教授らが成功した。従来の抗がん剤より効果が強く、治療が困難な膵臓がんにも有効であることを実験で確認した。八日までに特許を出願してお り、新たな抗がん剤の開発が期待される。

 向田教授らは二〇〇三年、マウスの肝臓がん細胞で活性化している「Pim―3」を発見した。人間の肝臓がんや膵臓がん、大腸がんでも発現し、がん細胞の生存と増殖に作用 していることが分かり、「Pim―3の抑制ががん治療に応用できる可能性がある」(同教授)とみて研究を進めてきた。

 新しい化合物は、石橋教授と医薬保健研究域薬学系の谷口剛史助教が合成した。試験管内で増殖させた人間の膵臓がんや肝臓がんなどの細胞にこの化合物を加える実験では、P im―3の働きが抑えられ、がん細胞が死滅することを確認した。

 現在使われている抗がん剤にPim―3を標的にしたものはないため、この化合物が治療薬になれば、膵臓がんなどこれまでの化学療法が効きにくい種類のがんにも効果が期待 できるという。

 向田教授らは「マウス実験で化合物の安全性や有効濃度を確かめた後、臨床試験を経て なるべく早く新薬として製品化したい」と話している。この成果は十月、名古屋市で開かれる日本癌(がん)学会の学術総会で発表される。

金沢大グループ、抑制の化合物開発 特許申請、すい臓用新薬として期待

 がんの中でも治療が難しいすい臓がんなどに見られるがん細胞の増殖を抑え、死滅させる新たな化合物の開発に、金沢大の研究グループが成功。6月 19日に特許申請した。すい臓がんの新たな抗がん剤創薬につながると期待される。試験管レベルだが、今後、動物実験で安全性などを確かめる。研究成果は 10月に名古屋市である日本癌学会で発表する。

 向田直史・がん研究所教授(腫瘍(しゅよう)学)と石橋弘行・医薬保健研究域薬学系教授(有機化学)らの研究。「学部」の垣根を超えた、学内での“医薬連携”が成果に結びついた。

 向田教授らは03年に発見した、マウスの肝臓がんで特異的に働くたんぱく質「Pim-3」が、ヒトのすい臓、肝臓などのがんでも働いていることを確認。これが、がん細胞の増殖を促すと同時に、不要な細胞を死に至らせるアポトーシスという機能を妨げる働きがあることを突き止めた。

 一方、石橋教授らは「Pim-3」が働くメカニズムや分子構造を踏まえ、その働きを阻む物質を人工的に合成することに成功。実際に試験管内でヒトのすい臓がんの細胞などに加えたところ、死滅することを確認したという。

 向田教授は「特にすい臓は体の深部にあり、臓器自体も小さく、外科手術が難しい。新しい抗がん剤が求められている」と指摘。「新開発の化合物は特定のたんぱく質に働き、副作用も少ないと考えられる。安全性などの課題をクリアしていきたい」と話している。

 

まだ試験管レベルでの効果ですから、マウス実験を経て新薬になるまでは5年以上はかかるのではないでしょうか。生きてさえいれば、新しい薬がどんどん開発されます。そのためにも標準的な抗がん剤治療で命を縮めることをしないで、休眠療法で延命していれば、新しい薬の恩恵を受けることができるかもしれません。

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2008年7月12日 (土)

傷だらけの黒揚羽

_mg_0397 先月、高知の「モネの庭」で撮った一枚の写真が気になって仕方がない。一匹の黒揚羽が林の中でじっとしていた。ファインダー越しに見ると、羽もあちらこち らがちぎれて痛々しい。時折レストランの屋根の高さまで舞い上がるのだが、また同じ灌木の枝に降りてくる。近づいても飛び立とうとしない。

どうして気になるのかと思案してたが、ああそうだ、山頭火の後姿を連想していたのだと気付く。種田山頭火の後姿を写した一枚の写真がある。漂泊の歌人-山頭火は四国遍路の旅をしたことがある。室戸岬の空海が修行をし悟りを開いたといわれている御厨人(みくろど)窟を詠Santouka21んでいる。

いちにち物いはず波音
こんやはひとり波音につつまれて
食べて寝て月がさしいる岩穴

山頭火の後姿と黒揚羽の後姿がダブって私の記憶を呼び起したの だ。中野孝次だったか加島祥造だったか忘れたが、蝶の最後を目撃したという記述がある。突然空高く舞い上がって、やがて命が尽きてひらひらと落ちてくるの だという記述があった。この黒揚羽を見ているとそんな最期を演じようとしているような気がしてくる。それに山頭火の後姿が何となく似ている。

山頭火が蝶を詠んだこんな句もある。

てふてふ ひらひら いらかをこえた

ぬれて てふてふ どこへいく

ひらひら蝶はうたへない

癌とは闘え、死とは戦うな

命には最期がある。これだけは100%確実だし、この運命を逃れた生き物はいない。この運命から何とか逃れようとじたばたするところから迷いが生じ る。老子にしろ道元にしろ、あるいはセネカなど洋の東西の思想家・宗教家はつまるところ「死とは何か、生きるとは何か」について語っているのはそのためだ。

パスカルはすべての人は死刑囚であるという喩えを持ち出しているが、すべての人間は生まれた瞬間に「百年の間に死刑は執行される、しかしその方法は 伝えない」という残酷な”有罪判決”を受けているのだ。身に全く覚えがないのに逮捕され、有罪判決を言い渡され、人生という牢獄で死刑を待っている=カフ カの小説『審判』にはこのように書かれている一生をすべての人、生き物は送っている。

だから、老子はこう言う。死と闘ってはいけな い。だって必ず負けるに決まっているからだと。必ず負けると分かっているのになんとか勝つ方法はないかと悩むのは馬鹿げている。死は「やって来る」、やっ て来たら受け入れればよい。良寛はさらにすごいことを言っている。「三条大地震の見舞い」の手紙として、文政11年12月8日の山田杜皐さん宛の地震見舞 いの手紙だ。

災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。
死ぬ時節には、死ぬがよく候。
是ハこれ災難をのがるる妙法にて候

癌とは闘うべきだ。いろいろな戦い方がある。医者の戦い方と患者の戦い方はおのずと違うはずだ。

戦うべきだが、勝とうとしてはいけない。癌に勝とうとすれば無理が生じる。癌細胞を根こそぎやっつけようとする。癌は自分の細胞が癌化したものだ。 自分自身と闘ってやっつけてどうする? 勝とうとしてはいけない。負けなければよいのだ。負けないというのは、心のありようでもあるし、希望を失わないこ とでもある。また癌組織をこれ以上大きくしない治療方法を選ぶということでもある。癌組織は体の中にあっても大きくならなければ死ぬことはない。癌と共存 して生きて、天寿を迎えることができたなら、私の”勝ち”だ。これが勝たないで勝つということだ。天寿まで共存するために、使える薬・治療方法はある限り 使う。一つの抗がん剤を自分の体が降参するほどつぎ込んではだめだ。次の薬が使えない。抗がん剤は癌をやっつけ消滅させるのではなく、大きくならない程度 に使えばよい。効き目が無くなれば次の抗がん剤に切り替える。これをバトンタッチしながら天寿を全うできるまで走り続けられるようにすればよい。

これが休眠療法(メトロノミック療法)の考え方だ。大腸癌では休眠療法の治験が走っているらしい。

山頭火は、命の生かされるままに生きている。黒揚羽は、死と闘うなんてしていない。

癌とは闘え、しかし死とは闘うな

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2008年7月10日 (木)

PET-CT

今日は四ッ谷の四谷メディカルキューブでPET-CTの検査。Uクリニックの紹介状を持って9時に四ッ谷駅に着きました。きれいなビルで病院とは思えないようなホテルのような雰囲気です。「各種保険取扱」の看板があるので、金持ち相手の病院ではなさそうで、SECOMが資金を出して運営しているそうでひと安心。

PET-CTとは代謝を画像化するPET検査と、CT検査を 同時に行うことができる、がん診断のための装置です。 がん細胞は正常細胞よりも多くのブドウ糖を消費するという特性があります。FDGというブドウ糖に似た構造の薬剤を使用し、体内のブドウ糖の代謝を画像化 してがんを診断するFDG-PET検査と、臓器の形、位置などがわかるCT検査を同時に行うことにより、短時間で、身体の広い範囲を対象として、精度の高 い診断画像を得ることができるのです。

この検査のためにFDGという放射性医薬品を静脈に注射して、1時間後体内に放射性同位元素がいきわたったあと、PET(陽電子放出画像断層撮影装置)で撮影します。撮影は20分程度で終わり、いい気持でうとうとと寝てしまいました。FDGにはF-18というフッ素の放射性同位体が含まれています。

検査技師の方にいくつか質問。
1.FDGの半減期は?
 110分だそうです。ということは24時間で約8200分の1まで減衰することになります。
 24*60/110=13    2^13=8192

2.投与する放射能のベクレル数は?
 約200メガベクレル(MBq)です。
 結構多い量ですね。この量なら私は素手で持つことはためらいますよ。鉛の容器が必要です。

3.全体の被ばく線量は?
 約4~5ミリシーベルト(mSv)ですから、バリウムでの胃の検査と同程度です。

無事に検査を終了して会社に帰ってきました。
早速アロカのGMサーベイメータを取り出し、自分の胸に当ててスイッR0011003 チオン。
「ピィーーー、ガー、ガー」と結構大きな連続音がします。メータを見ると針が振り切れていました。
すごい線量でガンマ線が放出されているのが分かります。
電離箱式サーベーメータに替えてもう一度測定。
測定値は80~90μSv/h でした。【写真は自分の胸に押し当てて測定中】

時間とともに減衰するのでしょうから、24時間ではだいたい5mSv程度になるのが納得できます。ちなみに我々放射線業務従事者の年間の許容被ばく線量は50mSv、ただし、5年間で100mSvという制限があります。病気の治療目的ですから、この程度の被ばくは許容すべき線量でしょう。授乳中の場合は24時間は禁止、赤ん坊も抱かない方が良いと書かれていましたが、そうした方が良いと思われる線量値です。

PET-CT検査の結果は1週間後にUクリニック宛に送付されることになります。その結果を見てから今後の治療方針を”私が”決めます。医者は情報と意見を述べるだけ。エビデンスのない治療ですから、「自分で決めて自分で責任を取る」という考えです。

夜はチェロのレッスン。発表会以後セカンドオピニオンや治療の情報・考え方の整理に時間をとられて全く練習をしていない。今日のレッスンはメタメタ。ペルゴレージの「ニーナの死」に入ったのだが、4ポジションと音階の関連があやふやで指がついていかない。明日から少しはレッスンにも身を入れよう。

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2008年7月 7日 (月)

良寛の旅

妻の里での法要のため土日にかけて新潟に行ってきました。
昨日までは肌寒いほどの気温だったそうですが、当日は30度を超える真夏のような暑さでした。しかし都会の暑さとは違いますね。法要の為に襖・障子をすべて開け放った部屋は風が通り抜けて気持ちのよい暑さです。

Photo 夜は近くの岩室温泉の「高島屋」に宿をとりました。江戸時代の庄屋屋敷を本館にした落ち着いた宿ですが、内部は改装されて近代的な装いです。桧の露天ぶろ付きの部屋は書斎も付いていて、私は露天風呂と書斎で読みかけていた読書の続きです。先月はこの宿で79期棋聖戦が羽生二冠と佐藤棋聖との対戦があったそうですが、ゆっくりと流れる時間を過ごすことができて命が伸びそうです。

夕食後、宿から10分ほどの祓川という沢に源氏ボタルがたくさん出るというのでカメラを担いで出かけました。「冬妻(ひよつま)のほたる祭り」としてイベントになっています。「ふゆつま」でなく「ひよつま」と読むそうです。Photo_2

こんなにたくさんの蛍を見たのは50年ぶりでしょうか。東京生まれの妻は初めてホタルの実物を見たと感動しています。ISO感度 を1600、シャッターを開放にして30~60秒の露光でうまく撮れました。きれいな川で一年かけて成虫になりますが、一瞬の命。ホタルは成虫になると一切の食べ物はとらず、水だけだといいます。命を次につなぐ、ただそれだけのための「光」。人間とて何の違いもありません。

岩室温泉近くの「夏井のハザ木」をみて弥彦神社へ。ハザ木は稲をかけて乾燥させるための木ですが、最近はあまり使われることもないようです。田圃はまだ稲穂は青々としていました。

Photo_3良寛が20年住んだという国上山の五合庵へ。ここには10年ほど前の冬に来たことがありますが、雪の山道に難儀しました。良寛の住んだ当時の越後の冬はもっと厳しかったはずです。今回は夏のような暑さの中で山道を息を切らせながらの上り下りでした。昨年の入院 中のこのブログに良寛の詩を書いていました。7月15日のちょうど台風4号が上陸した時です。当時は、ベッドで足を延ばすことができる、外は雨、私はこうして手術も終わって生きている。ただそれだけで満たされた幸せな気分になったものでした。

五合庵でボランティア僧・良寛に思いをはせました。多くを望まないほうがよい、欲が出るから迷いが生じるのです。生きることも欲

騰々(とうとう) 天真に任す
囊中(のうちゅう) 三升のPhoto_4
炉辺 一束の薪
誰か問わん 迷悟の跡
何ぞ知らん 名利の塵
夜雨 草庵の裡
雙脚(そうきゃく) 等閑(とうかん)に伸ばす

出雲崎の良寛生誕の地と良寛記念館を見学。良寛記念館に中野孝次の最後の著作「良寛に生きて死す」があったので、「天上大風」の書とともに購入しました。
Photo_5
往復700キロの運転は、さすがに若くない身には堪えました。

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