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2012年7月 7日 (土)

がん患者の経済的困難

一件公平な報道のようでいて、結局はがん患者の負担はがまんしろと言うのがNHK!

昨夜のNHK特報首都圏は「命の薬が使えない ~がん患者の苦悩~」と題して、鳥越俊太郎、岸本葉子氏が出演していた。

今回NHKが独自に行った2500人の患者と家族に向けたアンケート調査で、治療の経済的な負担が大きいと答えた人が70%以上にものぼった。
医療の進歩でがんは、「長くつきあえる病気」になってきた一方、それを支える最新の抗がん剤などの投与で医療費は高騰。高額医療費を支える制度を利用しても毎月10万円もの薬代を、背負わなければならない患者もいる。また途中で治療を断念してしまう患者も少なくない。

2011年の癌治療学会のアンケートでは、癌臨床医1人あたり1カ月に約1.5人の癌患者が経済的理由で薬物治療を変更・中止を経験していると報じられていました。また、山形大学の調査ではがん患者の4人に1人ががんに罹患したことを理由に失職しているとされています。

医学の進歩によってがんであっても長く生きられるようになった。分子標的薬などの開発には莫大な費用がかかるために、高価な抗がん剤を長く使用することになり、患者の負担が耐えきれないほどに膨らんでいる、こんな趣旨の番組であった。

1錠が9000円の抗がん剤を毎日飲まなければならない。自分の治療費を捻出するために子供の将来に備えた貯金を取り崩している。それも限界なので治療を断面する患者たち。あるいはがんになったために職場を追われ、派遣社員として月8万円の収入、治療費は4万円。結局二つの仕事を掛け持ちして治療費を捻出している。高額療養費制度を利用しても、多くの患者が月に10万円負担している。こんな状態を長く続けられる患者がどれほどいるのか?

月額2万円のつばさ支援基金が紹介されていたが、わずかに50人の患者を支援しているだけだ。なぜ生活保護の「医療単給」を番組で紹介しないのか。

鳥越俊太郎のコメントにはビックリだ。医療費はもう国からは出せないから、お互いに助け合う文化を創ろうだと。3%の消費税が導入されたとき、将来の福祉のためだと説明されたんだよ。それが5%になったときも、公明党は「これで100年安心」だと宣伝した。いま消費税を10%に、つまり200%もの大増税をするという法律が成立しようとしている。消費税を上げる口実に使われてきた社会保障は、いつまで経っても良くはならずに悪くなる一方。それをがん患者が長生きしたからだと言って欲しくない。

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↑ 政府の責任は放置か? 鳥越俊太郎も岸本葉子も、もういなくてよい人物だ。

分子標的薬などの抗がん剤には開発費用がかかるし、特許があるから高額だというのも表面的な分析だ。製薬企業の財務諸表を見れば、開発費用よりも宣伝費用、教育関連費という名の医者や大学、関連学会や患者団体への寄付がより大きい金額を占めていることが簡単に分かるはずだ。それに分子標的薬を自前で開発した大手製薬企業は少ない。新薬の多くはアメリカ政府関連機関が開発したか費用を援助してきたもの、あるいはベンチャー企業がリスクを負って開発し、成功したものを企業ごと買収したものが圧倒的に多いはずだ。

こうした新薬の薬価も、製薬企業からの寄付を受けている医者である審査委員らが、企業の良いなりの薬価を定めている。ここにも原発と御用学者の間にあったのと同じ関係が存在する。

わずか10日ほどの延命効果しかないと証明されている、膵癌に適用されたタルセバが1錠で7000円ほどだ。この程度の効果しかない薬に、これほどの高い薬価をつけることが果たして妥当なのか? なんでもかんでも未承認薬は承認すべきなのか?患者団体もよく考えた方が良い。

標準的ながん治療を受けることすら年々困難になっている状況だ。その一方で、重粒子線治療施設「佐賀ハイマット」を九州電力の寄付を頼りに作るんだとか、しかも中国の富裕層をターゲットにするとかのニュースがあります。何を考えているのだろうか。まだ実験段階の治療法に莫大な税金を含めた金を投入するよりも、金がなくて標準治療も受けられない患者のことを考えろと言いたい。確か国立がん研究センターの、どうしようもない無能な前理事長、嘉山氏も山形大学の重粒子線施設「準備室」の室長として赴任している。

重粒子線・陽子線共に現時点では通常のエックス線による放射線治療を上回る治療成績があるとは言いがたい。陽子線と放射線の治療成績を比較した論文が植松先生のUASオンコロジーセンターに紹介されている。(原文はこちら

  • 陽子線治療は、肺がん、頭頚部がん、消化器がん、小児腫瘍、などで、X線治療に劣る。
  • 陽子線治療は、肝がん、前立腺がんで、X線治療と同等の効果である。
  • 陽子線治療は、小児の脳腫瘍で、X線に勝るようである。
  • 陽子線治療は、大きな眼のメラノーマ(黒色腫)、コルドーマ(脊索腫)で、X線治療に勝る。

大多数のがんではエックス線治療と同等かそれよりも劣るとされている。マスコミが持ち上げる情報とはずいぶんと違う。先日重粒子線治療が先進医療として認められたと報じられたが、エックス線と同程度の効果しかないものを保険適用すれば、また保険財政を悪化させるだけの無駄になる。もっとしっかりと科学的裏付けを取りながら進めるべきだろう。

先日のNHKスペシャル「日本の癌医療を問う」にNPO法人 がんと共に生きる会の濱本滿紀氏が出ていたが、その会の「混合診療解禁についての当会の考え」には次のように書かれている。この会は国民皆保険制度を指示するが、緊急避難的に「混合診療」を、薬剤費のみを自己負担とする「部分的解禁」を要望しているのだという。そうすれば、この会の佐藤均会長の場合ならば、解禁前なら1ヶ月の自己負担金100万円となるものが、半額の50万円となるから「より多くのがん患者が試すことができる」のだという。

これには驚いた。何らかの公的助成を設けることをあわせて要望しているが、実現したとしても全額であるはずがない。となると、いったい1ヶ月に50万円の自己負担を続けられるがん患者がどれほどいるというのだろうか。ずいぶんと金に余裕のある患者が集まったNPOなのかと思ってしまう。


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