« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »

2013年9月

2013年9月30日 (月)

『ジエンド・オブ・イルネス』過剰なビタミンCはがんを育てる

なぜ、我々はがんに勝てないのか?」のタイトルの記事が、日経メディカルに載っています。第1回目は「私たちがん研究者は、間違っていました」。

2009年、デンバーで開催された米国がん学会の会議で、私は数千人の医師や研究者を前にして、「私たちは、間違っていました」とはっきり言った。「細部に気を取られ、限られたテーマばかり追ううちに、私も含め、がんの研究者は皆、道を間違えてしまったのです。一歩下がって、否、2万5000フィートの高度から、この病気を眺めてみましょう」と私は続け、さらにその部屋の空気を乱す言葉を発した。「がんをコントロールするのに、がんを理解する必要はありません」と。

ジエンド・オブ・イルネス病気にならない生き方 これだけでも刺激的ですが、デイビッド・B・エイガスの著作『ジエンド・オブ・イルネス 病気にならない生き方 』は更に刺激的でした。初版が出て1年もしない昨年10月に改訂版が出て50万部のベストセラーとなり、ニューヨークタイムズなどが絶賛しています。邦訳版もときを措かずに8月に出版されました。主な内容は、

  • 今のがん治療は間違った方向に進んでいる
  • サプリメントはあなたの体を弱くする
  • がん細胞はビタミンCが大好き
  • タンパク質検査は医学に革命を起こす
  • 遺伝子検査で病気のリスクを知ろう
  • 生鮮野菜は思ったほど新鮮ではない
  • 運動はエピジェネティックに遺伝子を変える
  • 腸が喜べば体全体が健康になる
  • 高齢者でも運動により抗加齢遺伝子が発現する

著者は、マルチビタミンやビタミンDは摂る必要もないし、摂るできではないとする一方で、アスピリンとスタチンは積極的に摂るように薦めている。そのために、多くの批判や、製薬会社の回し者ではないかという、あからさまな中傷も受けたという。しかし、全体を見るとごく常識的で真っ当なことを書いているように思える。新鮮な野菜や果物、魚類を食べなさい。定期的な運動を欠かさないようにしなさい。規則正しい生活をして必要な睡眠を取りなさい。必要な栄養素はサプリメントからではなく食事から充分に取れているから、金を払ってまで小さいとはいえリスクのあるものを服用する必要はない。米国対がん協会のガイドライン『がんになってからの食事と運動』に書かれている内容とほとんど変わらないことを主張している。

人間の身体は複雑なシステム(複雑系)であるであるから、ある現象には有効であると思われる介入であっても、それが他の部分に悪い影響を与えるということは、頻繁に観察される。人間の身体は恒常性(ホメオスタシス)を保とうとする高機能なシステムである。ビタミンDを例にホメオスタシスを細胞レベルで見れば、細胞の表面にあるビタミンDの受容体は、周囲にあるビタミンDの濃度の応じて受容体の数を変化させる。必要な量を過不足なく摂るようにできているのであるから、大量のビタミンDを服用したからといって、それが細胞に取り込まれるわけではない。むしろ有害になる。

心に留めておきたいのは、サプリメントでビタミンDを補給した場合に、体のネットワークにどのような影響があるのかは分かっていないということだ。過剰なビタミンDが、受容体と、恒常性を保とうとする体のフィードバック機構をどう変化させのか、答えは出ていない。

科学的な裏付けでこうした主張を展開する内容には説得力がある。「がんをコントロールするのに、がんを理解する必要なありません」とは、がんは身体のシステムが壊れた状態、細胞内あるいは細胞間の対話がうまくいかない結果であるのだから、複雑な身体をコントロールする方法を見つけることができたなら、がんへの恐怖を追い払うことができるだろう、ということだ。

それにはプロテオミクス技術が期待されている。DNAをシーケンス解析したようにタンパク質を解析する方法が進歩すれば、「がんの特効薬」が見つかるはずだという。そうあって欲しいものだと思うが、数十年先の話だろう。

ビタミンCに関しても多くを記述しているが、がん患者にとって気になる点だけを転載しておく。

ビタミンCはがん予防には役立つが、がんを発症した人にとっては天敵となる。腫瘍はビタミンCが大好物なので、がんを抱えている時にビタミンCを過剰摂取すると、がんと戦うどころか、がんに餌を与えることになりかねないのだ。1990年後半、デビット・ゴールドのチームは、がん細胞がビタミンCをむさぼり食うことを発見した。ビタミンCは、がんの薬になるにせよ、餌になるにせよ、ブドウ糖が細胞内に入り込むのと同じ経路を通っていく。がん細胞は、急速に増殖するので大量のエネルギーを必要とし、ゆえに、正常細胞より多くのブドウ糖とビタミンCを取り込む。

よく知られるように、がん細胞の周囲の組織は炎症を起こしている。がんの増殖スピードが速く、血液と酸素がそちらに奪われるため、周囲の細胞が死んでいくのだ。この死んだ細胞が炎症を引き起こす。がん細胞の周辺では、この炎症のせいで、血液中のビタミンC (アスコルビン酸)は酸化し、デヒドロアスコルビン酸になり、がん細胞の内部に入り込む。その後、アスコルビン酸に戻って、がん細胞が増殖するために使われる。また、がん治療(放射線治療と化学療法)では一般に、酸化を促進してがん細胞を殺そうとするが、ビタミンCは「抗酸化物質」なので、それを妨害する。

済陽高穂の『今あるがんに勝つジュース』などは、がんを育てる方法を教えているのかもしれない。治ることを期待して飲んでいるのに、がんを育てているとなると、悔やんでも悔やみきれないだろう。

「健康になるのに、正しい答えはない。むしろ正しい答えはいくつもある」という著者は、自分自身のメトリクス(測定基準)に従って、自分の健康と対処法を決定するべきだと強調している。それに従って、私もビタミンD、マルチビタミンを摂っているが、すぐに止めるつもりはない。それは、彼の根拠とする統計データは、あくまでも「平均値」であり、私にとってあてはまるかどうかはまた別だからである。そのあたりの考えは「米国対がん協会『がんになってからの食事と運動』(3)」に書いた通りだ。

続きを読む "『ジエンド・オブ・イルネス』過剰なビタミンCはがんを育てる" »

2013年9月28日 (土)

千葉、茨城の子どもの尿からセシウム検出

週刊朝日10月4日号が『セシウム検査で判明 子どもの体内被曝』との記事を掲載しています。

  • 常総生活協同組合(茨城県守谷市)が、茨城の15市町に住む0歳から18歳までの子どもを対象に実施した尿検査の結果
  • 予備検査を含めた最高値は1リットル当たり1.683ベクレル
  • 参考までに調べた大人は2.5ベクレルという高い数値
  • 測定を終えた85人中、約7割に相当する58人の尿から1ベクレル以下のセシウムを検出

この記事を読んで感じたことは、常総生協の放射能への取り組みもあって、十分に注意した食べ物を子どもに摂らしているんだなぁ。それでもやはり関東一円が汚染されていて、どんなに注意をしても、この程度の内部被曝からは逃れられないだろうということです。東京も同じ、測定していないだけです。

1リットルの尿に1ベクレルのセシウムが含まれていたとき、大まかにですが、体内には150倍のセシウムがあると、バンダジェフスキー氏は言っています。最高値の1.683Bq/Lなら、250Bq/全身 のセシウムが体内にあるのです。仮にこの子どもの体重を25kgとすれば、10Bq/kgの体内汚染となります。チェルノブイリ原発事故で汚染されたゴメリ州の子どもたちを調査したデータによれば、心電図異常、心室内伝導障害が発生する条件に近いことになります(下図)

Banda11_2 福島県の内部被曝調査で早野龍五氏らが行っている、測定時間2分の場合のホールボディーカウンターの検出限界が、300Bq/全身とされており、ほとんどの子どもが「検出限界以下」として「汚染はない」とされています。この子どもたちもホールボディカウンターでの測定を受けても「検出限界以下」となるでしょう。しかも福島県は頑として尿検査をやろうとしません。尿検査を行えばおそらく数ベクレル/Lの測定結果が出るに違いありません。

では、最高値であった子どもは、食べ物から1日平均でどの程度のセシウムを摂取していたのでしょうか。子どもの実効半減期を40日として、250Bq/全身 の体内汚染量になるには、4.3Bq/日のセシウムを毎日平均して摂取している計算になります。(下図の赤いグラフ)考え方と計算方法は下の【参考記事】に書いてあります。

Imageyositakapc9

(10Bq/日の摂取量で成人と小児の場合も図示しました)

子どもが1日に食べる量を1.6kgとしたとき、4.3BqはどのようなGe半導体検出器でも「検出限界以下」です。

ドイツ放射線防護協会が出した「日本のおける放射線リスク最小化のための提言」において、

評価の根拠に不確実性があるため、乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり 4 ベクレル以上のセシウム 137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kg あたり 8ベクレル以上のセシウム 137 を含む飲食物を摂取しないことが推奨される。

と述べています。これに鑑みれば、常総生協の組合員の方は相当努力しています。しかし3.11以降は、「検出限界以下」の食べ物だけを摂っていても心不全のリスクが高くなるような食べ物しかないのです。まして「食べて応援」と称して福島産の野菜や果物を積極的に摂るのは、少なくとも子どもには「自殺行為」だと言えます。

下の写真で「新たな基準値を下回っている」とは、少なくとも検出限界である10Bq/kg以上に汚染されている、ということなんです。大人はどんどん食べて応援してください。原発を容認して恩恵を受けてきたのですから。食べて応援するのは、東電が補償すべき金額が少なくなるんだというのも理解してくださいね? しかし、子どもに食べさせてはいけない。

Dp2m1000890

先週高知に帰ったら、福島産のお米が「3割安」で並んでいると聞きました。安く買いたたいて関西や地方に回しているようですね。ファミレスなどにも流れているのかもしれません。

日本全体が多かれ少なかれ汚染されているのです。逃れるすべはありません。こうした状況が300年は続きます。さまざまな病気が今後顕著になってくるでしょう。

では、私たちはどう対応すべきか。ひと言で言えば「がん患者が目標としているように、自己免疫力を高める生活をする」ということにつきます。体内に放射能があっても、それに対処できるだけの自己免疫力を付けること。ストレスを溜めず、美味しいものバランス良く食べ、睡眠は充分取り、適切な運動を欠かさない。そうです、このブログでずっと書いてきたことを実行すれば良いのです。

【参考記事】

  1. セシウム137の体内放射能(4)
    の病理解剖で示されている慢性心疾患患者の体内放射能値 138Bq/kgの2倍もの値となる。内部被曝をシーベルトで表して「100Bq/kg以下だから安心です」との...
  2. セシウム137の体内放射能(3)
    37を飽和値まで摂取しない、つまり徐々に体内放射能を減らすためには、この提言を守ることが必要です。その根拠は「実効半減期」という、低線量被曝や内部被曝の評価に対...
  3. セシウム137の体内放射能(2)
    定)の食品をとり続ければ、500日後には体内放射能は12,000Bqにもなってしまう! 13~18歳の体重を45kgとすれば、270Bq/kgとなり、バンダジェ...
  4. セシウム137の体内放射能(1)
    毎日10Bqを1000日間続けた場合の、体内放射能の推移をグラフ化している。本文にはセシウム-137の生物学的半減期としてどんな値を採用したかなどの詳しい説明は...

続きを読む "千葉、茨城の子どもの尿からセシウム検出" »

四万十に行ってきた(2)

DSC06915

トンボ自然公園」には23日に行ったのだが、前日が休館日のところ、祭日だったためこの日が休館日で、「トンボ館」「サカナ館」には入れず。ただ、園内は自由に散策できた。たくさんのトンボが飛んでいたが、近寄ると飛び立つのでなかなかファインダーに収まらない。ギンヤンマなどは”高速飛行”で止まることがないからなおさら。

DP1M1559

Image-YOSITAKA-PC-7

Image-YOSITAKA-PC-5

Image-YOSITAKA-PC-2

イナゴが昼寝中?

DP1M1544

安並水車の里:野中兼山が、四万十川の支流、後川に灌漑用として作った井堰にかかっている水車群。現在は主に観光目的で残されて回っている。

DP1M1564

DP3M0946

DP2M2728

DP1M1560

最期は日本の橋100選にも選ばれている四万十川にかかる「赤鉄橋」昭和21年の南海大地震で崩落したが、復旧された。

DP3M0917

続きを読む "四万十に行ってきた(2)" »

2013年9月27日 (金)

東京新聞社説「出発点が間違っている」

9/21の「おかしなことばかり」に消費税のことを書いたのだが、東京新聞の9/26付社説「復興法人税問題 出発点が間違っている」が、私の言いたかったことを、より的確に指摘している。保存版としてアップします。

復興法人税問題 出発点が間違っている

 安倍晋三首相が復興法人税を一年前倒しで廃止する検討を指示した。消費増税した場合に景気腰折れを防ぐ経済対策の一つという。弥縫(びほう)策を重ねるよりも消費増税を先送りすれば済む話ではないか。

 法人税に上乗せした復興特別税は昨年度から三年間の時限措置だが、首相は本年度末で廃止する意向を示し「(法人税減税で)企業収益拡大を図り、賃金増や雇用増につながる景気の好循環を生み出す」と説明した。廃止による減税規模は九千億円程度。公共事業の積み増しや企業向けの投資減税と合わせ、総額五兆円に上る経済対策の柱という位置付けだそうだ。

 おかしな話である。消費税を3%引き上げると国民負担は八兆円も増える。国内総生産(GDP)の六割を占める個人消費が大きく落ち込む見通しなのだから、法人税を数%引き下げたところで企業は雇用を増やしたり賃金を上げるだろうか。積極的に設備投資をするだろうか。

 そもそも五兆円もの経済対策が必要になるなら、それは消費増税法の景気条項で定めた、引き上げの条件である「経済の好転」とまではいえないはずだ。腰折れの懸念がある状況では増税をすべきではないのである。安倍首相はデフレ脱却を最優先に掲げるならば、消費増税を先送りすべきだろう。

 この「出発点」で誤った方向に向かっているから、泥縄式に数字合わせのような対策づくりに追われている。3%の引き上げは経済へのショックが大きすぎて一九九七年の消費増税ショックの再現になりかねない。ならば2%に相当する五兆円規模の対策が必要だろうと、数字が先にありきなのだ。

 中身も、右手で消費増税しながら、左手では公共事業でバラまくといった最悪の財政政策である。増税の趣旨と異なり、財政再建にも逆行する。増税が自己目的化した財務省にとっては、権力の源泉となる「配分の原資」が増えれば万々歳なのだろう。

 仮に消費増税が避けられないというならば、真っ先に行うべきは消費の落ち込みを抑える所得税減税のはずだ。復興法人税の前倒し廃止は、国民の連帯よりも企業収益の方が大事という発想である。

 たとえ代替財源があっても国民の理解は到底得られまい。経団連会長は「非常に喜ばしい」と歓迎の意を示したが、志の低さを恥ずべきである。こんな経済対策をしてまで消費増税はすべきなのか。

付け加えるとしたら、大企業の貯め込んだ内部留保を賃上げに回せ。各種の優遇税制でほとんど法人税を納めていないところから、適切に取れ。ということでしょうか。

続きを読む "東京新聞社説「出発点が間違っている」" »

2013年9月26日 (木)

四万十に行ってきた

DSC06885

四万十市「とんぼ自然公園」の睡蓮


連休を利用して里帰りしました。高校時代の吹奏楽部の同窓会に参加して、翌日からは四万十方面にドライブ。同窓会は盛況でしたね。皆元気で(元気でない者は参加していないのだから当たり前か)それなりの歳の取り方をしています。

高知自動車道を四万十中央インターで降りると窪川である。そこからは四万十川に沿って下るように国道381号線が通っている。田圃は稲穂が黄金色に輝いていて、畦には曼珠沙華が黄金の稲を縁取る赤い絨毯のように咲いている。小さなコンバインで稲を刈り取っている田圃もある。いくつもある沈下橋にも立ち寄りながら、この夏に日本最高気温を記録した江川崎を目指す。

DP1M1471

DP3M0905

DP1M1429

珍しいアーチ型の沈下橋

DP1M1437

足の悪い老人が独り、ゆっくりと沈下橋を渡っていた。

やってきました。2013年8月12日13時42分、日本最高気温41℃を記録した四万十市西土佐江川崎。ちなみにこのツアーの予約をしたのが8月4日なので、最高気温を記録したから、江川崎に行ったわけではありません。江川崎では天然の鰻丼を食った。子どものころ、ウナギといえばもちろん天然物しなかくて、近頃の養殖ウナギのように口の中でとろけるようなことはなかった記憶がある。しこしこと堅くて私はあまり好きではなかった。この日のウナギもなんだか生臭くてしこしこして油も少ない気がした。

DP1M1451

今日はここまでにして、続きは次回に。

続きを読む "四万十に行ってきた" »

2013年9月21日 (土)

おかしなことばかり

理解できないことばかりで、頭が混乱しそうだ。ひとつには消費税。社会保障費が自然増だから消費税を増税するという。しかし、消費税を導入するときにも同じような言い訳だった。結果は消費税の税収分とほぼ同じ額の法人税減税に回ったのだ。こんどは消費税を上げたら景気が悪くなるから、法人税を下げるという。これが分からない。結局は広く浅く消費税を取って、内部留保も一杯あるところに減税をしようというわけだが、これってまともな思考の持ち主が考えることか。

消費税を上げるために景気をした支えしなければならない。そのために公共事業を増やす。国の借金が増えるから、財政再建は遠のく。だから消費税を上げなくて離らない。消費税を上げたら景気が減速するから、法人税減税だ。おいおい、これって消費税を上げなければ皆すっきりと解決するのじゃないか。そして、身の丈に合った生活をするように、不急不要なところの予算は削る。何年も税金を納めてこなかった銀行や大企業に応分の負担をさせる。あるとところから取ってくれば良いだけの話だ。

大阪府教育長が、式典に置いて君が代を斉唱しているかどうか「口パク」のチョックをするようにと通達を出した。「公務に対する府民の信頼を維持する」という理由だそうだが、君が代の斉唱と「「公務に対する府民の信頼」がどのようにリンクするのか。大阪府民は教育の内容ではなく、上からの命令に唯唯諾諾と従う自主性のない教師に信頼を寄せるというのだろうか。そういう教師を見ている生徒は、やはり長い物には巻かれろというような人物に育つのではなかろうか。教師への信頼は一人一人の生徒の個性を尊重して伸ばしてくれる、必要な基礎学力を粘り強く教えてくれるような先生にたいしてわき起こってくるのではないだろうか。

静岡では学力テストの生成期悪い学校の校長名を公表するのだという。こういう懲罰的な対応で、生徒の学力が伸びると考えているとしたら、教育の本質をまったく理解できない人物が教育委員なり教育長になっているということだろう。だいたいが、校長の尻を叩いたからといって生徒の学力がどうして上がるんだ。校長なんて朝礼や卒業式の時にしか顔を見ないし、授業をするわけでもない。教育長の命令一下、校長、教師や生徒も意識を入れ替えて熱心に勉学に励むはずだと考えているとしたら、こんな教育長となる人物を育てた教育はどういう内容だったのかと無性に知りたくなる。前回の記事に書いたように、彼らの中には「計算高いサル」がいるのだろう。

こんな世の中で、正気を保って生きることは、はなはだ困難だ。

2013年9月17日 (火)

がんになったらこれまでの生活を変えなければならない

DP3M0888

台風一過。昨日きれいな夕焼けでした。Merrillは赤が苦手なのですが、今日の一枚はまぁまぁです。


がんになったら、これまでの生き方と考え方を変えなければいけないと言う。私たちの身体では、毎日5000個ものがん細胞ができているのだが、免疫システムがこれらのがん細胞を破壊してくれている。免疫システムをかいくぐったがん細胞が無制限に分裂して、ある大きさの腫瘍として見つかったときに「がんになった」と言われるのです。だから、がんは「結果」であり、原因は私たちの身体のシステムが正常に働かないような生活をしてきたからなのです。

病院で、がんを切ったり焼いたり、毒を盛ったりするのは、結果に対する「対症療法」でしかないのです。病院はがんを治すところではないのです。運良く切り取ることができたならば、生き方と考え方を変えて、再発・転移をしないようにすべきなのです。手術ができてもできなくても、幾らかのがん細胞は残っているのですから、仮に発見が遅れて手術ができない場合でも、生活の全般において考え方と生き方を変えることが、がんと巧く共存するための身体の免疫システムを作ることになります。

がんになったことが悪かったのではなく、がんになる要因を持っていたことが悪かったのです。がんになって「死」が手に届く範囲にあると分かったとき、もっと人生をすばらしいものに変えるチャンスを手に入れるのです。生き方そのものを変えることができた人(全員ではないが)だけが本当の意味で治癒するのです。

今でこそ、このようなことを言えるのですが、2000年に直腸癌の手術をしたときは、比較的早期だったこともあり、人工肛門でつらい思いをしたことなどすっかり忘れて、以前と同じ生活に戻ってしまいました。運動もせず、野菜もあまり摂らずに肉食ばかりで、ビールをたらふく飲んでは二次会に行き、さらにラーメンで仕上げという食生活です。おかげで体重は80キロを越えてしまいました。がんのことなど、すっかり忘れてしまったのです。5年後に生命保険の加入ができると知り、アフラックと契約したのですから、まったく頭になかったわけではないのでしょうが、生活と考え方はまったく変えることができませんでした。

そして、7年後に「がんの王様:膵臓がん」の告知を受けたのです。がんになる要因をなにも変えなかったのですから、なるべくしてなった膵臓がんでした。

原発も同じ構図です。福島第一原発は、今では日本の、いや世界の「癌」です。今でも細胞分裂をしているかのように、汚染水を垂れ流しています。4号機の使用済み核燃料1544本は、いつ倒壊してもおかしくないようなプールに残っています。これの取り出しに失敗すれば東日本には人間は住めなくなります。いわば、いつ「転移」してもおかしくない状態です。

この「癌」を何とかしようと多くの作業員の方が被ばくをしながら作業に当たっています。安倍総理は「コントロールできている」と言いましたが、本当にそうであって欲しいと思います。しかし、「今も、これからも、将来も安全だ」と言うのは、代替医療家が「大丈夫、治りますよ」と言うような、根拠のない妄言でしょう。

福島原発の事故は、津波が原因だ、いや地震ですでに配管が壊れていたのだと、違う見解がありますが、そんなことは問題ではないのです。自然がいったん牙をむけば、取り返しのつかないことになる物を持っていたことが問題なのです。「癌」が根治しないというのに、外国へ原発を売ろうとか、「安全が証明された原発」を再稼働させようとしていますが、これは、がんになった元の生活に戻ろうということです。元の生活に戻れば、いずれまた「癌」になるでしょう。

「旨い物を食って、快適な生活をするためなら命も要らない」という、困ったがん患者と同じです。3.11後は、考え方を変え、生き方を変えなければ、いずれ近い将来に「king of cancer」のような事態が待ち受けているのです。

ローランズは『哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン』でこのように言っています。

私たちの中には「サル」がいる。「サル」とは、世界は自分に役立つかどうかの尺度で測る傾向の具現化である。「サル」にとって生きるとは、世界をコスト・ 利益分析によって評価し、自分の生活、愛、そして死までも定量化し、計算できると見なす傾向である。「サル」にとって他者との関係はただひとつの原則に則って計算される。つまり、「おまえは私のために何ができるのか、それをしてもらうにはいくら払えばよいのか」という原則である。

(一方で、オオカミの)ブレニンは、人生でもっとも重要なものは、計算ずくでできるものではないことを。真に価値のあるものは、量で測ったり、取引できないことを教えてくれる。

加島祥造さんは『タオ―老子』で、老子第四四章を次のような自由訳にしている。3冊目の新訳『「老子」新訳―名のない領域からの声』も出版されているが、第四四章は、断然こちらの自由訳の方が気に入っている。

君はどっちが大切かね?ー
地位や評判かね、
それとも自分の身体(からだ)かね?
収入や財産を守るためには
自分の身体をこわしてもかまわないかね?

何を取るのが得で
何を失うのが損か、本当に
よく考えたことがあるかね?

名声やお金にこだわりすぎたら
もっとずっと大切なものを失う。
物を無理して蓄めこんだりしたら、
とても大きなものを亡くすんだよ。

なにを失い、なにを亡くすかだって?
静けさと平和さ。

このふたつを得るには、
いま自分の持つものに満足することさ。
人になにかを求めないで、これで
まあ充分だと思う人は
ゆったり世の中を眺めて、
自分の人生を
長く保ってゆけるのさ。
    (老子道徳経 第四四章)

原文
名與身孰親。身與貨孰多。得與亡孰病。是故甚愛必大費。多藏必厚亡。知足不辱、知止不殆、可以長久。

書き下し文
名と身と孰(いず)れか親しき、身と貨と孰れか多(まさ)れる。得ると亡(うしな)うと孰れか病(うれい)ある。この故(ゆえ)に甚(はなは)だ愛(おし)めば必ず大いに費(つい)え、多く蔵(ぞう)すれば必ず厚く亡う。足るを知れば辱(はずか)しめられず、止(とど)まるを知れば殆(あや)うからず。以(も)って長久なるべし。

続きを読む "がんになったらこれまでの生活を変えなければならない" »

2013年9月16日 (月)

膵臓がんペプチドワクチン臨床研究の参加受付を開始!

「市民のためのがんペプチドワクチンの会」公式ブログによれば、9月17日より、膵臓がん・食道がんのがんペプチドワクチン臨床試験への受付を始めるそうです。市民の寄付による臨床研究がいよいよ始まります。期待して待っていた患者も多いのではないでしょうか。

市民のためのがんペプチドワクチンの会は、8月末、和歌山県立医科大学への寄付講座開設の寄付金第1期分500万円(1年間1,000万円、3年間3,000万円)を寄付したことを受けて、2013年9月13日(金)に日本記者クラブ(東京・日比谷)において同大との共同記者会見を行い、日本初の市民支援型がんペプチトワクチン臨床研究が9月1日から3年間の予定でスタートし、臨床研究に参加を希望される患者様の受付が始まることを発表しました。

●がんペプチドワクチン臨床研究の参加方法

9月17日(火)より、和歌山医科大学第二外科教室において、臨床研究参加の受け付けを開始します。膵臓がんおよび食道がんの患者様で、臨床研究への参加をご希望する方は直接和歌山県立医科大学第二外科教室宛にお申し込みください。先着順で申し込みをお受けし、定員に達し次第締め切らせていただきます。その様子はメルマガと本ホームページ上でご報告させていただきます。

    受付電話:073-441-0613
    受付時間:月曜~金曜の11時~12時、13時~15時
    膵臓がん担当医:宮澤基樹
    食道がん担当医:勝田将裕

続きを読む "膵臓がんペプチドワクチン臨床研究の参加受付を開始!" »

2013年9月12日 (木)

マインドフルネス瞑想ガイド

八百屋が「おめでとう 東京」と張り紙をして「西瓜 五個で2020円」等とセールをすると、JOCから警告が来てアウトだそうです。場合によっては告訴されます。オリンピックを連想させる言葉の商業利用はIOC、JOCが知的財産権を所有しているので、公的スポンサー以外は使用できません。要するに金を出した企業だけがオリンピックのロゴや言葉を使用できる。「オールジャパン」の虚構の影で、電通が儲けて、ゼネコンがが儲け、その一部が政治家に献金としてまわり、セコムが儲けて、証券会社がぼろ儲けする。安倍晋三がいみじくも漏らしたように、本音は「四本目の矢」であり、皮算用で3兆円の経済効果がいちばんの関心事なのだ。「福島を応援」というのなら、すぐに解体する豪華な選手村に使う金を、粗末なプレハブに仮設住宅に仮住まいしている避難者のために使うべきだろう。人も物も金も東京に集中し、福島の復興は遅れるだろう。既に作業員の確保が難しくなってきたとの情報もある。優先順位が狂っている。「国土強靱化」ならぬ「日本凶人化」だ。


4枚組のCDで実践する マインドフルネス瞑想ガイド カバットジンの『マインドフルネスストレス低減法』を自宅で実践するためのCD付きガイド『4枚組のCDで実践する マインドフルネス瞑想ガイド』が発売されている。4枚のCDが収録されていて3990円と高価だが、購入して携帯プレーヤーにコピーをした。

  1. ボディ・スキャン瞑想
  2. マインドフル・ヨーガ①
  3. 静座瞑想
  4. マインドフル・ヨーガ②

のそれぞれが50分ほどのガイドになっている。カバットジン博士のストレス低減クリニックで20年以上にわたって使われてきた内容がそのまま日本語のCDとなっている。

サイモントン療法のCDをずっと聴いてきたが、少しマンネリ気味。気分を変えてこちらで瞑想をやってみた。50分は長いが、「ずっと眼を覚ましているように」と最初に釘を刺される。

マインドフルネスは「気づきの瞑想」と言われるが、ボディ・スキャンはまさに自分の気づきです。カバットジンは次のように述べている。

癒やしというものは
一つにありようとして実践しているとき
その実践そのものから生じます。
マインドフルネスの見方からすれば、
あなたはすでに一つの全体です。
すでに一つの全体なのに
そうなろうとする意味などあるでしょうか?
何はさておき求められるのは
”ありよう”という領域に身を投じることです。
これこそ根本的に癒してくれるものなのです。

「評価も判断もしない」「がんばらない」「受け入れる」「手放す」など、老子の思想や禅に通じている。内容は座禅(ヴィパサナー瞑想)であり、道元の影響も多く受けているとカバットジン博士自身が述べている。良寛も「今ここに」ある瞬間を誠実に生きよという。マインドフルネスも「今、ここ」の「一瞬、一瞬」を強調する。それは仏教思想の「諸行無常」、万物は流転し、変化しないものはない、が根本となっている。

明日のことは分からない。再発するか転移するか、そんなことは人智の及ぶところではないのだから、確実なのは「今、ここに」ある一瞬の時間であり、命とはこの「一瞬」の連続である。「今」を充分に生きずして人生を生きたと言えるのだろうか。同じことをキケロも言っている。

このような生き様こそが、いちばん自己免疫力を上げるはずだ。

続きを読む "マインドフルネス瞑想ガイド" »

2013年9月 8日 (日)

血糖値はコントロールできている

先日の糖尿病管理をお願いしている先生の診察日、HbA1cは6.1%(NGSP)でした。

9.2→6.8→6.4→6.1と回を追うごとに改善しています。6.3以上が「糖尿病の疑い」ですから、立派な結果でしょう。糖質制限食と運動(ウォーキング)が効いているのだと思います。ローソンのブランパン(実りベーカリーシリーズ)も新しい美味しそうな商品がいくつも出てきました。楽しみながら糖質制限ができます。

Imageyositakapc003_3
空腹時血糖値も120mg/dL前後で安定してきたのですが、一度低血糖になっています。しかも308という食後高血糖の5時間後に75という低血糖です。変動が激しすぎます。

Ketou_2
先生も首をかしげていました。「膵臓がほとんどない。しかもアマリールは0.5mgを1日1回だけなのにどうして低血糖になるほどインスリンが出ているのか?不思議だ。食後のインスリンが相当遅れて分泌されているのかもしれないね。低血糖が続くようならアマリールを止めるしかないが、もう少し様子を見ましょうか」ということになりました。
食後の値は、ご飯・麺類を食べて血糖値が高くなりそうなときを狙って測定しているので、たまに220以上の値が出ることがあります。

食事と運動でコントロールできて、アマリールの服用も中止できるのなら理想的です。

続きを読む "血糖値はコントロールできている" »

2013年9月 7日 (土)

東京でのオリンピックは無謀だ

オリンピックにはまったく興味がない。私の周囲でオリンピックが話題になっている様子もない。騒いでいるのは政府とマスコミだけではなかろうか。NHKの朝のニュースでは鈴木女性アナが浮かれて騒いでいたが、しらけてしまう。

「平和の祭典」とは名ばかりで、IOCの戦略でもある営利目的(なんぼ儲かるか)が最大の関心事になってしまったオリンピックに時間をつぶすことがばかばかしい。東京に招致すれば経済波及効果がどうとか、トヨタが全面的に資金援助するとからしいが、外国の方を招待して民族の相互理解を進めるとか、平和について語ろうとかの話にならない。

「東京は福島から250キロ離れているから安全です」には唖然とした。「福島は危険だ」という本音が思わず漏れたのだろう。福島は対岸の火事程度にしか思われていない。チェルノブイリを経験したヨーロッパの人にとっては250キロは目と鼻の先だ。まして東京の一部も放射線管理区域に相当する放射能が降下して貯まっている。猪瀬直樹都知事は30日、都庁で記者会見し「東京の放射線量はニューヨーク、ロンドン、パリと全く変わらない」と述べた。季節によって違うが、2012年8月の東京のセシウム降下量は10.5MBq/km2もある。表面汚染が4万Bq/m2以上の区域を「放射線管理区域」とすることが、文部科学省の「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」で決められている。東京の一部はこれを超えているのです。

南海トラフ地震と首都直下型地震が迫っているとして、政府も都も対策を考えているのです。房総半島の東に大きな歪みが貯まっているという地震学者もいる。いつ起きてもおかしくない状態で、東京開催となれば、オリンピックの選手と観衆に対しても避難計画が必要ではないのか。競技場の多くは沿岸部に位置しているが、津波対策は可能なのか? 過去には六義園付近にまで津波が来たという記録もある。

「オリンピックを招致して福島に元気を」という前に、汚染水の対策、15万人の避難者への援助と生活保障、漁業者への納得のいく説明など、やるべきことはたくさんあるはずだろう。

「安全よりも金」「平和よりも金」「命よりも金」という日本政府、オバマのシリア攻撃に真っ先に賛同を示す安倍政権に、「平和の祭典」オリンピックを招致する資格があるのかどうか、考えてみた方が良かろう。

オリンピックを招致して、お祭り騒ぎの影になり、汚染水問題も来年からの消費税増税も国民が忘れてくれると期待しているのかもしれないが、そうは問屋が卸さないだろう。

続きを読む "東京でのオリンピックは無謀だ" »

2013年9月 5日 (木)

DPP-4阻害薬:プラセボ対照RCT試験で効果を示せず

欧州心臓病学会(ESC)の学術大会が、8/30~9/3までバルセロナで開催されました。DPP-4阻害薬に関する2件の大規模臨床試験の結果がNEJMに発表されています。

結論から言えば、私が担当医からDPP-4阻害薬を薦められても拒否している方針を変える必要はない。むしろ正しい選択をしているという確信が増してきました。

2つともプラセボ対象ランダム化比較試験(RCT)であり、

  • saxagliptin(オングリザ錠:協和発酵キリン)
    「2.1年の追跡で心血管イベントに増減なく、心不全による入院は1.27倍に増やした」

    心血管イベント高リスク群の2型糖尿病患者16,492人を対象として、saxagliptinまたはプラセボのいずれかを無作為割り付けして比較。
    主要評価項目の心血管死、心筋梗塞、虚血性発作の発現率は、saxagliptin群7.3%、プラセボ群7.2%(HR 1.0, CI 0.89-1.12, p=0.99(有意性), p<0.001(非劣性) )。
    副次的評価項目として、不安定狭心症、冠血流再建、心不全を加えた発現率を比較した結果では、saxagliptin群12.8%、プラセボ群12.4%でした(HR 1.02, CI 0.94-1.11, p=0.66)。
    心不全による入院は、saxagliptin群3.5%、プラセボ群2.8%であり、saxagliptin群に多く生じています(HR1.27, CI 1.07-1.51, p=0.007)
  • alogliprin(ネシーナ錠」武田薬品)
    「中央値18ケ月の非劣性RCTで、心血管イベントを増やさなかった」

    15-90日以内に急性冠症候群を起こした5,380名の2型糖尿病患者を対象として、alogliprinまたはプラセボのいずれかを無作為割り付けして効果を比較。
    主要評価項目の心血管死、心筋梗塞、脳卒中の発現率は、alogliprin群11.3%、プラセボ群11.8%(HR 0.96, p<0.001(非劣性) )。

追跡期間は短かったとは言え、DPP-4阻害薬は、プラセボと比較して心血管イベントを増やさなかった、ということは逆に言えば、糖尿病の大血管合併症の抑制効果が証明されなかったということでしょう。さらにオングリザ錠では心不全による入院が約1.3倍になっています。「入院」は医師の裁量でどうにでもなるのですから、バイアスがかかっている可能性はあるとはいえ、増加したのですから信頼して良いだろうと思います。

Images

どちらもHbA1cは0.3程度下がっていますが、エンドポイントではプラセボと同程度の効果しかないこれらの薬価は、オングリザ錠2.5mg 1錠 110.2円、オングリザ錠 5mg 1錠 166.0円です。一方でアマリールは、1mgで1錠 19.2円、3mgで44.8円であり、ジェネリックならさらに安くなります。一桁違うのです。私の場合はアマリール0.5mg(薬価11.3円)を1日1錠で30日分で、自己負担金が680円ですから、DPP-4に変えたら7,000円程になるかもしれません。

糖尿病治療薬で患者の5~6割に処方されており、第一選択肢といわれる薬がこの程度の効果しか期待できないのです。それは上の画像に見られるように、製薬企業の大々的な宣伝・営業活動の結果でしょう。ノバルティス社のバルサルタン問題と同じような構図だとしたら、専門医には製薬企業のパンフレットではなく、今回のRCTの結果をもっと参考にして欲しいものです。

血糖値管理においてHbA1cは一つの管理基準値であり、これ自体が目的ではありません。薬に過度に頼ることなく、運動と食事療法(糖質を制限する)でコントロールすることが大切だと思っています。当面はアマリール0.5mgで、可能な限りこれも止める方向を目指しています。

続きを読む "DPP-4阻害薬:プラセボ対照RCT試験で効果を示せず" »

2013年9月 3日 (火)

がんサバイバーの時代:ハートネットTV

昨夜のハートネットTV「がんサバイバーの時代」を観ました。ゲストは岸本葉子さん。彼女のブログにも収録の様子が紹介されていますが、話す内容と時間を1秒も越えないようにリハーサルをするのですね。テレビに出演するのはたいへんだ。

番組は9月2,3,4日と23、24日の5回、翌週10日からは再放送もあります。
Imageyositakapc003
1回目の昨夜は「自分らしく今を生きる」のタイトルで「がんサバイバー」の意味を紹介していました。「サバイバー」は普通には「生還者」という意味ですが、「がんサバイバー」は、がんが治癒した人だけを意味するのではなく、がんと診断されてから命が尽きるまでの間、つまり生きているがん患者はすべて「がんサバイバー」であり、さらにその家族、介護者も含めて定義されています(全米がんサバイバーシップ連合)。完治した人であれ末期の人であれ、がんと正面から向き合い、自らの意志でがんと共に生きていこうとしている人を指しているのです。

アメリカでは「私はがん患者です」と言うと、ハグされて「congratulation !」と言われるそうです。「congratulation=おめでとう」とは、がんになって何がおめでたいのか、と受け取られそうですが、これは「がんになったけど、今の今、素敵に生きているではないですか! おめでとう」との深い意味があるのですね。この話、パンキャンの眞島さんからよく聞かされました。

二人に一人はがんになる時代ですから、もはやがんは特別な病気ではありません。「私は癌です」と言っても、近頃はあまり同情もされません。ありふれた病気です。余命がいつまであるのだろうか、再発・転移はしないだろうかと不安になるのは、がん患者なら当然ですが、それにばかり目が向いていては、せっかくの命が勿体ない。明日のことは誰にも分からないし、人はいずれ100%死ぬことを運命付けられているのですから、「今ここに」ある命を充分に生きることを考えた方が良い。楽しいことややりたいことをやれば良いのです。逆に、そういう生き方をしている人の方が長生きをする。

Imageyositakapc016

急性期、延長期、長期生存期、終末期のそれぞれにサバイバーとしての対処法は違ってくるのでしょうが、60兆個もの細胞に毎日5000個ものがん細胞ができてきたにもかかわらず、今日生きている。それが”奇跡的なこと”だと思えば、悩んだりおろおろと無駄に過ごすだけでは本当に勿体ない。

死があるからこそ、今日を充実して生きられる。永遠の命が与えられたら、多くのことを先延ばしにすることになるでしょう。自分の「死」まで多少の時間が与えられているがんサバイバーは、今日を充実して自分らしく生きることが、他の人より可能だという特権を持っているのです。そのように生きることが「がんサバイバー」だと思います。

平岩正樹先生、53歳になってから東京大学の文科に入学したはずですが、診察に復帰されていたのですね。

Imageyositakapc015

続きを読む "がんサバイバーの時代:ハートネットTV" »

2013年9月 2日 (月)

『がんの花道』

がんの花道: 患者の「平穏生」を支える家族の力 がんの告知から最期まで、がん患者が「平穏死」を全うするためには家族の力が大切だ、との主旨で書かれた本です。長尾和宏氏と藤野邦夫氏の対談です。「家族の力」こそが今後のがん治療のキーワードですとの主張は納得できます。

藤野邦夫氏は『がんに打ち勝つ患者学』の翻訳者であり、帯津良一氏が監修していました。以前のブログ「がん難民コーディネーターとホメオパシー:似非治療に騙されない」ではホメオパシーを肯定しているようなところを批判的に書きました。

ところが今回の対談では、まったくそのような似非療法の話は出てきません。考えを変えたのでしょうか。ともあれ、本の内容は、がん患者にとって、告知から終末期の対応についてまで多くの有意義な、実際に役立つ情報が話されています。末期であっても「治るがん」があるので、早期発見、早期治療は重要だと、近藤誠氏の主張に「正解も大間違いも混在している」と批判しています。この部分についてはNewSポストセブンの記事『近藤誠氏がん放置療法に医師反論「医療否定本に惑わされるな」』に詳しく書かれています。

がんの告知でパニックになる「3大困った患者さん」は、医者・学校の先生・お寺のお坊さん、とのこと。大慌てして説明されたことを何も覚えていないし、実は死ぬときもいちばん往生際が悪いそうです。そういえば、何かの本で読んだのですが、まだがん告知が一般的でなかったころ、相当位の高いお坊さんだから大丈夫だろうと告知をしたら、取り乱してしまってどうしようもなかったとの話を読んだ記憶があります。そんなものでしょう。職業や外見とは関係ありません。

がん拠点病院の「相談支援センター」の活用法、がんになったら「情報戦」を覚悟せよ、先進医療を受けたがる患者さんが多いが、先進医療は万能ではなく、実験という側面もある、等実際の役にたつ話ばかりでした。

また、「がんが治る食事」をする人は、急速に痩せて体力を失っていく。アルブミンというタンパク質が低下している患者が多いとの指摘はガッテンですね。がんと闘うには「体力」と「免疫力」です。赤みの肉をたくさん食べることは良いとは思いませんが、野菜とジュースだけでは死期を早めるだけでしょう。

とにかく歩きなさい、ぬるめのお風呂で身体を温めなさいなども同感です。再発転移したって、すぐには死なないのだから慌てるな、まったくその通りです。

終末期に水分を無理に摂らなければ、腹水は自然に減っていくなども覚えておいた方が良い知識でしょう。

続きを読む "『がんの花道』" »

2013年9月 1日 (日)

13/8月 ツイートのまとめ

キノシタ @Oncle1316 
これはすばらしいニュースだ!膵臓がん早期発見の血液検査開発:早期の膵臓がんでも92%の精度で発見できた。腫瘍マーカー2種類を併せて実施すると、精度は99%以上に。検査試薬は今年度中に完成予定。 http://digital.asahi.com/login/loginselect.html?jumpUrl=http%3A%2F%2Fdigital.asahi.com%2Farticles%2FTKY201308260011.html%3Fref%3Dcomkiji_txt_end_kjid_TKY201308260011 

がん患者のあきらめない診察室 @gan_akiramenai  
<膵臓がん・胆管がんの患者さんへ ジェムザールの副作用はどうするべきか? 標準療法か少量休眠療法か?>がん患者のあきらめない診察室 http://2nd-opinion.jp がんの治療情報→臓器別治療法→肝、胆、膵臓がん 

キノシタ @Oncle1316 
ノバルティスかぁ。データは信用できるのか? RT @DatamonitorJP Incyte/ノバルティスの薬剤Jakafi (ruxolitinib)が膵臓癌で可能性を示す http://www.scripintelligence.jp/archives/7037

キノシタ @Oncle1316 
膵臓がんに新薬Ruxolitinib登場:日本でもruxolitinib単独あるいはゼローダとの併用を行う臨床試験を開始します。ご希望の方は当サイトよりお申し込みください。 ←千葉ポートメディカルクリニック http://2nd-opinion.jp/kusuri/kusuri_ruxolitinib130827.htm 

キノシタ @Oncle1316 
健康診断を七月に受けましたところ、膵臓に腫瘍が見つかりました。早期発見出来たことは膵臓の病気としては大変幸運なことだそうです。 RT @chihiro_san 膵臓ガン…。  坂東三津五郎公式ホームページ http://www.kabuki.ne.jp/mitsugoro/ 

キノシタ @Oncle1316 
考えさせられる RT @KamiMasahiro 今週の「フライデー」が加藤茂明・元東大教授を取り上げています。 「論文ねつ造で辞めた東大教授「福島でボランティアの日々」」 論文捏造問題の解決を考える上で、参考になる記事です。 

キノシタ @Oncle1316 
はだしのゲン:鳥取市立中央図書館が閲覧制限を撤回:「市民の自由な論議の基になる材料を提供するのが図書館の役目」。←当然の措置。Amazonでもコミック人気順位が上がっています。圧力を掛けたが、反って逆効果だったというお粗末。 http://mainichi.jp/select/news/20130823k0000e040188000c.html 

キノシタ @Oncle1316 
統計学が分からずノ社の社員に丸投げした京都府立医大。福島県立医大は足し算もできないようで。 RT @makomelo 甲状腺検査の結果についての大幅な訂正。県立医大のカウントエラー!?(おしどりマコ) | DAILY NOBORDER http://no-border.asia/archives/13697

祭谷一斗 @maturiya_itto  
済陽高穂が近藤誠を批判してて大爆笑。あそこはガチの過剰診断ビジネスやってるから、縄張りに真っ向からぶつかるのね。ぜひそのまま対消滅して頂きたく。

キノシタ @Oncle1316 
「医療否定本」に殺されないための48の真実:近藤誠の『医者に殺されないための47の心得』に対抗か? 「がんもどき理論は後出しじゃんけん」は私の主張と同じ。「がんは治療をしてもしなくても、痛むときは痛む」など。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4594068685/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4594068685&linkCode=as2&tag=kinosita1316-22 

続きを読む "13/8月 ツイートのまとめ" »

« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

膵臓がんランキング

  • あなたは独りではない。闘っているたくさんの仲間がいます。

膵臓がん お勧めサイト

アマゾン:商品検索

がんの本「わたしの一押し」

スポンサーリンク

がんの本-リンク

  • がん患者が選んだがんの本

サイト内検索

ブログ村・ランキング