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2014年9月

2014年9月30日 (火)

HDR写真の作り方

このところ、HDR写真(High Dynamic Range Image)にはまっています。
ブログに何枚かアップしたのですが、flickrの閲覧履歴を見ると、けっこう評判が良いようですので、作り方を公開(というほどでもないか)。

  1. カメラは「絞り優先モード」にする。絞りが変わると画角が違ってくるためです。
  2. 「ブラケット撮影(3枚)」に設定して、露出を+2.0、0、-2.0にする。
  3. 可能なら三脚を使用する。昼間の明るいときなら手持ちでも大丈夫。少しのブレならHDRソフトが自動で3枚の写真を位置合わせをしてくれる。
  4. HDRソフトは、私はPhtomatix Pro 5.0を使っている。3枚の写真を読み込んで好みのプリセットを選び、微調整をする。

ま、こんな手順です。下のようなカットを

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3枚を合成して、Photomatixに読み込んで、

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少し微調整をした最終の結果がこちら。

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建物の白は残したい。でも空のトーンは飛ばしたくないということでHDRにしました。明暗差の大きい被写体には有効だと思います。

処理方法に「トーンマッピング」と「露出合成」があり、上の写真はトーンマッピングで処理しています。比較的派手派手な作品に仕上がるので、「やり過ぎ」に注意。

「露出合成」は、こちらが本来のHDRなのですが、明暗差を補正して(いいとこ取り)素直な作品に仕上げてくれます。金剛力士像がその例です。

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2014年9月28日 (日)

膵臓がん 再発でも再手術で長期生存

昨夜の「鳥越俊太郎 医療の現場」は「すい臓がん~再発してもあきらめない~」

千葉大学病院の宮崎勝教授が出演していました。この方、確か3度目の出演。

膵臓がんが再発しても、局所再発であれば最初の手術で残った膵臓を全摘することでQOLを維持した普通の生活を送ることができる。
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  • 膵癌術後の再発率は80%~90%。
  • 抗がん剤・放射線・ワクチンでは再発後に長期生存を得られるというデータはまったく出ていない。
  • 局所再発だけをした患者に再切除を行えば長期生存しうることは誰も分かっていなかったので、そもそも(治療として再切除が)思いつかなかった。

この再切除の症例は、世界でも50数例、日本では11例があるだけだそうです。遠隔転移している場合は適用になりません。

治療成績の比較  一目瞭然ですね。

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坂東三津五郎さんも再発なのかな。気になりますね。がんばって欲しい。

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御嶽山噴火

御嶽山が噴火した。

実は今年の紅葉撮影の候補地として、御嶽山とその近くの開田高原を考えていた。開田高原にある「ロッジ上天気」に宿泊して、御嶽山の紅葉を撮りに行くはずだった。家族の都合で、結局いつもの安曇野に行って上條の蕎麦を食いたいということになり、予定も10月末に変更した次第だが。

噴火前日26日の御嶽山紅葉<山小屋 女人堂の木曽御嶽山 紅葉情報より>

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『神様のカルテ』の主人公、一止と榛名の住んでいるぼろアパートの名前が「御嶽荘」だった。冬の美ヶ原高原から遠くにそびえ立つ御嶽山、この山に来年は登ろうと約束する二人。随所に御嶽山が登場していました。(映画は観ていないが美しい映像だったのだろうなぁ)

予定通りだったら噴火に遭遇しただろうか? それは分からない。明日のことは誰にも分からない。たくさんの犠牲者が出ると思う。冥福をお祈りします。合掌

今年になって火山噴火警報は、今回の御嶽山の他、8/7 口永良部島、6/11 西之島、8/30 阿蘇山、6/3 草津白根山と続いている。桜島も噴煙を上げている。 日本は地震と噴火の活動期に入ったと言われている。

川内原発の再稼働に関して、九電は大規模噴火を事前に予知できると言い、原子力規制委員会はそれを妥当だと了承した。火山学者が「予知はできない」と言っているにもかかわらずである。

田中委員長は「今後の運転期間はせいぜい30年間、その間の噴火はないだろう」と”推測”したと言う。田中委員長には予知能力がありそうだから、今回の御嶽山の噴火も予知できたのかもしれない。今後30年間でどの火山が噴火するのか、是非とも予知して教えて欲しいものだ。富士山の噴火を3年前に予知して、浜岡原発の核燃料を冷却させ、外に搬出しなければならない。運び出すことができるようになるには3年必要なのだから。もちろん、川内原発の再稼働など論外だろう。それとも「命より金」か。

川内原発を火砕流が襲うかどうかというのは、九州の人たちの問題ではない。なぜなら大規模噴火で火砕流が発生したら、南九州のほとんどは全滅するからだ。この地の縄文人がほぼ全滅したように。したがって放射能がどうのこうのは問題になり得ない。そのとき原発からの放射能が四国をはじめ日本全土を襲うことになる。川内原発の再稼働は、関西・関東に住んでいる人にとっての問題なんですよ。

起きる可能性のある事象は、必ず起きる。1000年後かもしれないし、明日かもしれない。3.11の東日本大震災と津波を誰が予知できたのか?

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2014年9月27日 (土)

コントロールできないことは悩まない

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彼岸花もそろそろ終わりかな。また来年出会えるといいね。


超音波検査で膵管の拡張が見つかってから手術日を決めるまでが48時間だったことは以前に書いた。

私は選択肢のない問題には、あれこれと悩んだりはしない。この時点ではまさに「手術ができなければ、確実に死ぬ」ことが分かっており、がん研の先生が「なんとか手術できそう」と言うのだから「お願いします」と即座に返答した。

がんが治るか治らないかなんてことにも、人間の力の及ばない領域がある。及ばない領域のことを考えて、堂堂巡りしているのが多くの迷えるがん患者だろう。

自分に今できることを、継続して実行する。歩くこと、瞑想など、こんなことをやっていてがんが治るのかと焦る気持ちを押させて、たゆまずに実行する。運が良ければ良い結果がついてくる。必ず効果があるとは言えないよ。

必ず効果のある方法を探していると、結局効果の不明なことばかりをやっているとなりかねない。

まったく逆のことが起きているのが政治の分野だ。「どうせ、私なんかが意見を言ったって、今の政治は変わりはしないよ」なんて、したり顔で仰るが、政治は市民が「コントロール」できる範囲でしょ。「どうせ・・・」なんていう市民が多いから無能な政治家に「コントロールされている」わけだ。

すぐに目に見えるものにしか関心がないというのは、これまでの教育の悪しき結果なんだろうな。いや、教育そのものが、大学への合格率だの就職率だのという「目に見える」結果を重視して、「社会を構成する市民の役割は」とは「共同体の一構成員としてあなたは何を担うのか」等という命題は「ダサイ」と切り捨ててきたのだから、当然の結果ですな。

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2014年9月26日 (金)

第31番札所 竹林寺

高知市の五台山には牧野植物園と第31番札所 竹林寺が並んでいます。

開創の縁起には、時の帝・聖武天皇が文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の霊場として名高い大唐の五台山に登り、かの地で親しく文殊菩薩から教えを授かるという夢をご覧になりました。そこで帝は、行基に日本国中よりかの大唐五台山に似た霊地を探し、伽藍(がらん)を建立するように命ぜられたのでした。

かくして、土佐のこの地が選ばれ、行基自ら謹刻した文殊菩薩像を本尊とし当山は開創されたと伝えられています。

という由緒ある寺院です。

山門の金剛力士像。阿像と吽像。

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五重塔。木々の先端は紅葉が始まっているようです。

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これらの写真、HDR写真(High Dynamic Range Image)です。絞りは一定にしてシャッタースピードで露出を+2、0,-2と変えた3枚の写真を合成しています。金剛力士像は下半身に陽があたっているために露出オーバーとなり、1枚ではこのような写真にはなりません。五重塔は少しやりすぎかな?絵画調に仕上げてみました。

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2014年9月25日 (木)

がんと微小環境

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牧野植物園(高知市)できれいに咲いていたニンファエア「紫式部」(スイレン科)。
横から鑑賞するのが一番お勧めらしいので、横からのショットも。
なるほど、優雅にすらっと立っている紫式部のような麗人という感じでしょうか。

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昨夜のEテレ スーパープレゼンテーションはミナ・ビッセルの「がんの新しい理解につながる実験」でした。

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放送が始まってすぐに「あれっ、このプレゼンは見たことがある」と思いました。昨年2013年2月2日のこのブログの記事『がんとエピジェネティクス(5)微小環境と自然寛解』で紹介した動画でした。

細胞はその周辺の組織と相互に信号のやりとりをしている。遺伝子の発現は、この微小環境、細胞外マトリックス(ECM)と通じて、周辺の細胞あるいは身体の他の部分の要求、さらには脳(心)のコントロールを受けるのである。がん細胞は、表面のレセプターやシグナル伝達が異常なレベルになっており、細胞内の信号の伝達経路もめちゃくちゃになっている。

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そして、微小環境とがん細胞の構造を変えてやれば、悪性細胞が正常な細胞に戻ることが証明されたのです。

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私の昨年のブログはエピジェネティクスの観点から、がんと微小環境を考えたものでした。昨夜の番組ではエピジェネティクスにまで触れることはありませんでした。2013/2/2の記事から一部を抜粋します。

がん細胞と正常細胞の相互作用は、がんの進行に拍車をかけることもあれば、その進行を止めて自然寛解に導くこともある。がんの自然寛解は、体細胞突然変異説(SMT)では”奇跡”のように見えるが、組織由来説からみれば、がん細胞の正常なふるまいの範囲なのである。この自動修正は、幹細胞でも、完全に分化した細胞でも起きる。

がん細胞の周辺の微小環境に注目する組織由来説では、細胞間の相互作用が破綻すると、それによって細胞の内部環境が変化し、非メチル化などのエピジェネティックな変化が起きてがんが発生すると主張する。発がん物質は細胞の相互作用を破綻させ、その結果がんが引き起こされる。

がんの進行の第一段階はエピジェネティックな変化であり、それは逆行させることもできる。相当進んだがんでも、適切な条件を整えれば、エピジェネティックに逆行させることが可能である。微小環境論では、その適切な条件とは、免疫反応と、周囲の健康な細胞との相互作用であるとする。

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2014年9月24日 (水)

同窓会

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土佐の海と空は青い。ここ、お遍路さんの休憩所です。↑

↓ 「野良時計」絵画風にアレンジ。

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2年毎の同窓会に出席するために帰省していました。二クラス90名ほどの生徒数だったのですが、30名の参加ですから3分の1、まあまあ立派な割合です。すでに8人の方が他界されています。しかし、参加したみなさん元気そうでした(元気でない者は参加していないから当然か)。結構仲の良かったやつが膵臓がんで亡くなっていました。直腸がんで人工肛門になっているやつも。こうして徐々にみんな星に還るわけで、寂しいけれども自然の摂理だからいたしかたありません。全員で黙祷しました。

土佐は男も女も飲んべえなので、乾杯の後は献杯と喧噪の渦になるのです。で、そのまえに30分ほどで私の講演を聴いていただくことに。タイトルは『百歳まで生きてがんで死ぬ(・・・のが私の理想)』

講演の中心は、がんの治療ではこころの平安が一番大事だというようなこと。脳(こころ)が免疫系と更には遺伝子の発現までコントロールすることができる。ま、そんな内容で30分。みんな真剣に聞いてくれました。明日はわが身ですからね。

そして統合医療、代替療法の選び方、その基準をどう考えれば良いのか、という話まで。36枚のスライドを使ってきっかりと30分で終わった。

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来月にももう一つの講演がある。チェロの発表コンサートもある。紅葉の時期だ、写真も撮りに行かねばならない。何かと忙しい。

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2014年9月20日 (土)

死んだら心はどうなるのか?

予後の悪いがん、治らないがんを宿した患者は、死んだらどうなるのか? 自分がこの世にいなくなるとはどういうことか、死んだら心はどうなるのかに関心がある。

立花隆も7年前の膀胱がんが再発したようで、あらためて死後のことが気にかかるようになった。先日のNHKスペシャル『臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか』はそんな立花隆の死と心の問題を追及したドキュメントだった。

結論から書けば、目新しいことはなかった。死ねば心もなくなる、という私にとってはあたりまえのことを確認しただけだった。

脳には1千億個のニューロン(神経細胞)があり、それらがシナプス結合によってつながっている。(ニューラルネットワーク)

こられのニューロンのひとかたまり、ユニットが「うれしい」「熱い」「楽しい」などのさまざまな「知」「情」「意」「記憶と学習」をになっている。これらの全体、複雑系としての全体の働きの結果が「心(意識と無意識)」なのである。

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というようなことを、精神医学のジュリオ・トニーノ教授が説明していた。意識の量はニューロンの数とつながりの複雑さを使って、次のような数式で表すことができる。

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心(意識)はニューロン細胞の活動の総体的現象である。だから、脳が死ねば心もなくなる。霊や魂などと言うものは存在しない。あなたが死んだら、魂もなくなるが、あなたの生きた証しは別の人の記憶の中に残ることができる。その人もいずれは死ぬのだから、われわれ凡人の記憶はせいぜい100年の間だけこの世に残ることができるわけだ。

臨死体験や神秘体験はどうか。心臓が止まっても脳死状態では小さな電気を観察することができるそうだ。これまでは心臓が止まればすぐに脳死が始まると考えられていたが、実際には小さな脳電流が流れていることが発見された。

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その間に体験したことは、実体験と同じようにリアルな記憶として残っているらしい。現実の体験とまったく区別がつかない(区別できない)記憶としてである。

実は脳は騙されやすいのである。

脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)ペンローズの“量子脳”理論』やフリーマンの『脳はいかにして心を創るのか』、ダマシオの『感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ』等の良書があるが難しすぎる。

「受動意識仮説」を提唱し、私のような門外漢にも分かりやすく書かれた前野隆司氏の『脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫) 』と、さらに東洋思想との関係も述べた『脳の中の「私」はなぜ見つからないのか? ~ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史』は、人間とは何かーーということを真剣に考えている方には一読の価値がある、と思う。

死んだら心はどうなるのか。無くなる、ただそれだけのこと。

神や神秘体験や霊魂は、すべて脳が作り出したものとして説明できるのだ。これらが脳の外に存在しないと考えても、何ら矛盾しない。

ま、霊魂や魂の存在を信じることで心の平安が得られるのなら、無理に科学的に考えることもない。信じていれば良いと思う。

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2014年9月17日 (水)

小椋佳「生前葬コンサート」

敬老の日の15日、小椋佳の『生前葬コンサート』に行ってきました。4日連続100曲を歌うという企画の最終日。NHKホールは満席で、当然ですが、周囲はおじさん、おばさんばかり。演奏の人も全員が喪服姿。小椋さんは白い服でしたが、頭に白い紙(額紙)はありませんでした。もちろん、坊さんも棺桶もありません。

「生前」とは「生まれる前」と読めるのに、なぜこれが「生存中」の意味になるのでしょうか。一説では、生と死は隣り合わせであり、その前後だから「生前」、「死後」と言うのだそうです。別の解釈は、仏教では人は成仏して極楽往生するのが目的。浄土真宗では南無阿弥陀仏の念仏で「阿弥陀如来の浄土に往生する」という言い方をします。「浄土に生まれる前」すなわち人間として生きている間のことだから「生前」となると。なるほど、納得。これなら「しょうぜん」と読むのがふさわしいでしょうね。

3時の開演で、終わったのが7時、20分の休憩をはさんで4時間という長丁場でしたが、あっという間に終わった感じです。いや~、すばらしかったです。小椋さん、声も少し疲れて音程も怪しかったですが、胃がんで胃を4分の3も切除した方とは思えませんね。

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最後には小椋さんも琵琶を弾きながら「山河」を歌いました。坂田美子さんの琵琶は圧巻でした。すばらしかった。琵琶という楽器を見直しました。鴨長明は琵琶の名手だったのですが、あんな感じだったのだろうか。

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小椋佳の次男、神田宏司は日本に二人しかいない琵琶の制作者だそうです。この次男が中学2年生のとき若年性脳梗塞で倒れ、左脳がほとんどダメになり、記憶も言葉も失った状態になりました。もう回復しないだろうと思われていたが、あるとき小椋さんが病室のベッドの横で「あなたが美しいのは」を歌うと、合わせて歌い始めたというのです。これには医者も「何が起きているのか」と驚いたそうです。それからは徐々に回復し、10年という歳月が必要だったが、普通の生活ができるまでになった。

実際に奇跡はあるのですね。歌の力なのでしょうか。小椋さんの愛の力なのでしょうか。

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この日小椋さんが奏でていた琵琶は次男の神田宏司さんからプレゼントされたもの。

  あなたが美しいのは 愛されようとする時でなく
  あなたが美しいのは ただ愛そうとする時

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  あなたが素晴らしいのは 愛されようとする時でなく
  あなたが素晴らしいのは ただ生きようとする時

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2014年9月15日 (月)

福島で激増する心筋梗塞

3月ころからか、心筋梗塞で亡くなる方が多くなっていると、報じられていた。小野先生のサイトでも「急増し続ける健康な人たちの死亡」と取り上げられていた。

厚生労働省の「人口動態統計」データを受けて、ルポルタージュ研究所の明石昇二郎氏が、月刊『宝島 10月号』に連載を始めた。

福島県で急増する「死の病」の正体を追う!~セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係~【第1回】

これを読んで「やはり心臓への影響が出てきたか!」というのが、私の偽らざる感想である。

掲載された図を見ると、確かにセシウム137の汚染濃度と急性心筋梗塞による死亡率には相関関係がある。直ちに「因果関係がある」とは言えないかもしれないが、福島県のすべての地域で急性心筋梗塞による死亡率が増加しており、セシウム137の汚染度と正の相関がある。相関係数は0.38と決して高くはないが、急性心筋梗塞による死亡率と原発事故による放射線被ばくとは関係がない、という仮説が成り立たないことは立証される。

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今月発表される2013年の「人口動態統計」による分析が注目される(すでに発表されているが、私には分析する余裕がない)。ここでも増加しているようなら、より因果関係が明確になるだろう。この仮説が否定されて、避難生活の長期化など他の原因であるということになれば、それはまだしも好ましいことであり、そうであることを願うのだが。

放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ セシウム137による内部被ばくは、心臓の筋肉に蓄積するという研究があった。チェルノブイリ原発事故の被爆者を病理解剖したデータからの研究である。それによれば、セシウム137は腎臓、心筋、骨骨格、脾臓の順に多く蓄積されるとしている。そして、体重1kg当たり37Bqを越えて内部被ばくしていると、心電図に異常が生じ、心室内伝導障害が起きる。

チェルノブイリ事故の処理に動員された人たち(リクビダートル)には心臓と循環器の疾病が著しく増加し、心血管疾患のリスクが40%増加したと報告されている。

子供の甲状腺がんだけが注目されているが、放射能による内部被ばくはヨウ素131によるものだけではない。むしろ事故から3年経過したこれからは、心臓と循環器系への影響が増加してくる。今回の分析はその兆候をとらえたものだと言えよう。

連載の今後を注目したい。

  • 福島県産のものは買わない、食べない。「食べて応援」したい方は命がけでやっていただければ結構。私はごめん被る。
  • キノコ類は関東のものは買わない。いまでも市場での抜き打ち検査で時々100Bq/kg越のものが見つかっている。
  • セシウム137が検出限界以下のものだけを摂るようにする。測定されていない場合は、産地で選ぶしかない。産地偽装されたら対策はないが。

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2014年9月14日 (日)

『がんは自宅で治す』を読む

石原メソッドを勧めているムラキテルミ氏の『がんは自宅で治す』を読んでみた。

予想はしてたが、何とも現在医学の常識を無視した記述の満載。

万病の原因は「血液の汚れ」であり、これを「瘀血(おけつ)」と言うそうで、瘀血とは血液の滞り。たくさん食べて血液の栄養状態が良くなると、白血球も満腹になってがん細胞を十分に食べてくれない。
冷えて体温が下がると代謝が悪くなり、血中の糖や脂肪、後輩物などが燃焼されずに貯め込まれ、その結果血流が滞る。
そういえば、水や食物を冷蔵庫に入れるとカチンカチンに固くなります。ほとんどの物質が冷やすと堅くなることを考えると、がんなどの「固くなる」病気はまさに冷えから生じたものだと納得がいきます。

こんな珍論でがんの原因を”納得”してはいけませんね。

ニンジンには身体に必要なビタミン・ミネラルをすべて含んでいる。血液の汚れを解毒・排泄し、万病のもとと言われる活性酸素を除去するβカロチンもたっぷり含んでいる。

確かにニンジンにはビタミンAの前駆体となるプロビタミンAであるカロテン類が豊富で、緑黄色野菜に分類されるが、「βカロチンとビタミンEのサプリメントは、肺癌、胃癌、前立腺癌、大腸腺腫のリスクを増加させ、一般集団における全死亡率を増加させる。(※補足:βカロチンは肺癌・胃癌、ビタミンEは前立腺癌・大腸腺腫との関連が指摘されています)」という確立された臨床試験の結果があります。

摂りすぎは逆効果ではないだろうか。石原結實先生は、もしかすると八百屋で売られているニンジンと朝鮮人参を混同しているのかもしれない。薬草として用いられているオタネニンジン(朝鮮人参・高麗人参)はウコギ科の植物であり、植物分類学上ニンジンとは異なる植物である。(Wikipediaより)

次に生姜。確かに漢方薬として用いられているし、葛根湯は風邪をひくと処方される。しかし、「健康食品の安全性・有効性情報」を見ると、がんに関する臨床試験は一つもない。がんに効果があるのなら、誰か物好きが臨床試験の一つもやっていそうなものだが、まったくない。

「ルルドの水は名の九年の時を経た天然の石清水だそうです。私たちの身体の七割が水ですから、この体内野水にルルドの水の波動エネルギーが働きかけて、たくさんの奇跡を起こしています。

でました。「波動エネルギー」。これが出ればもうめでたく似非科学の資格十分です。奇跡としてルルドの医療局が認めたものは、この150年間で68例に過ぎない。ルルドに行かなくても、これより遙かに多くのがんの奇跡的治癒例は存在する。

マクロビオテックを学ぶためにアメリカに留学し、久志道夫氏から直接の指導も受けたようです。マクロビと久志道夫氏については先日も書いたのでスルー。

瞑想や断食、あらゆることをやっていますね。素人が自己流で断食をやるのは、命に関わる危険があるが、そんなことはこの本では一切触れられることはないようです。これではムラキシテルミ氏が治った原因が何なのか、分かりません。「血液の汚れは万病のもと」、そして「がんは血液の浄化装置」だから、がんは本質的に「よいもの」だとなります。これは千島学説の流れをくむ、森下敬一氏の影響ですね。千島学説は、赤血球が体細胞の母胎であるという、あほらしくて愉快な仮説ですが、まともな人間は誰も相手にしません。(細胞核を持たない赤血球がどうやって分裂するのか!)

石原メソッドというのが、トンデモ医学の寄せ集めだということだけは良く理解できました。

この本、あほらしくて私は最後まで読み通す気になりませんでした。次から次へと「トンデモさん」が現われてくれるので、がんとの闘いも退屈しません。

ま、石原結實らに絶対の信頼をおいているのなら、プラシーボ効果程度はあるでしょうから、止めておきなさいとは言えません。

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2014年9月12日 (金)

末期がんでも治るのか?

がん治療の現場で活躍している二人の医師の記事をもとに、「末期がん、転移したがんでも治るのか?」を考えてみた。

はじめに勝俣範之医師の日経メディカルに掲載された『「抗がん剤は効かない」の罪 腫瘍内科医の大切な役割とは?』である。近藤誠氏の「がんもどき理論」への反論として出版された著作に関連して、腫瘍内科医としての考え方を述べた内容である。その中で、今年7件の新しい抗がん剤が承認されたことに続けて、

大切なことは、これらの薬剤で患者さんに新たな選択肢が増えたことになり、延命も可能になってきたことは確かですが、決してがんが治るようになってきたわけではなく、新たな抗がん剤を投与することによる副作用が生じますし、またいずれの時期にがんは再び悪化することは確実であるということです。

われわれがん治療医は、単に「新しい薬剤が承認されたので、治療をしましょう」と言うだけでなく、積極的治療には限界があることも患者さんにお話ししなくてはなりません。

と述べています。国立がん研究センターが出している『がん診療レジデントマニュアル』は、研修医の虎の巻のようなものですが、抗がん剤の効果は、

  • 期待できる効果は、延命、がんの縮小、症状の緩和など
  • 治癒する場合があるのはごく一部

と書かれている。抗がん剤がよく効くのは白血病などの血液のがんだけであり、その他の固定がんは、良くても延命効果でしかない。

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がん情報サービスの医師向けページにある『精神腫瘍学の基本教育のための都道府県指導者研修会』テキストには、
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と、ファーストラインの治療では延命効果があるが、セカンドライン以後の治療には延命効果が証明されていないと書かれている。

もちろん例外がある。「いのちの落語家」樋口強さんもその一人だろう。抗がん剤を投与する際に、主治医からは「治ることはない。延命効果と腫瘍の縮小効果はある」と聞かされているはずだが、患者は「縮小効果=治るかも」と希望的に考えがちである。あるいは主治医の言ったことがほとんど記憶に残っていないこともあるだろう。「希ですが、治る患者もいる」と付け加えられて、あわよくば自分もその一人になりたい、なれるかもしれないと希望を抱く。結果、副作用に耐えて延々と抗がん剤を入れ続け、酷いときには亡くなったあとも、ぽたぽたと点滴で抗がん剤を入れ続けているなんて例もある。

一方で、UMSオンコロジークリニック(USAオンコロジーセンターから改名)の植松稔医師は、世界初の早期肺がんピンポイント照射をはじめて以来、20年間の経験から、

一つだけ確かなことがあります。それは、進行がんや転移がんを確実に治す方法などこの世のどこにもないのに、現実には治る人と治らない人にはっきりと分かれるということです。そして治った人、病気を克服した人は、ほほ全員が無理でない形で医療の力を利用しながらも、最終的には自分の力で病気を克服しているということです。

リンパ節転移が多発して3期と診断された人たちは、治療によって病気が完治する人と、同じ治療を受けても病気が進行してしまう人に完全に分かれます。さらに、4期になると3期より完治率はかなり低くはなりますが、それでも完治する人もいます。

と書いています。ムラキテルミ氏は石原メソッドで末期がんが治ったと本まで出版していますが、末期がんが治ることはめずらしくはないのです。

患者の免疫力がその本質でしょうが、手術や抗がん剤ではない、体に負担の少ない治療法であること、諦めないで希望を持ち続ける患者に治る例が多いと植村先生は言っています。諦めないから鹿児島まで行って治療をするのだろうし、経済的にも余裕のある患者が多く集まっている。ピンポイント治療の情報を集めるだけの情報収集力と、それを判断する知的スキルを持っている患者が多い、というバイアスはあるのかもしれませんが。

標準治療では治るはずのない(と考えられている)末期のがんでも、体への負担が少ない、副作用が容認できるレベルまで抗がん剤を減量して投与することで、”治ったもどき”で長期間がんと共存する例もあるのです。

再発転移した末期がんであっても、免疫系にスイッチが入れば、治るんです。ただ、どうすればスイッチが入るのか、確実な方法が見つかっていない。たぶん患者それぞれに違った色や形のスイッチがあるのでしょう。

  • 「私は治る」という希望を持つ
  • 一方で、治ることだけにこだわるのでなく、今日一日を精いっぱい生きる
  • 楽しいこと、やりたいことをたくさん持っている
  • 自分に酷いことをした人でさえも許している
  • 自分への愛、家族への愛、すべての人への愛を抱いている

こんな患者に、免疫系のスイッチが入りやすいのだと思います。

「愛が癒す」ことを心に刻んでいただきたい。どんなことでも愛が治すのではない。愛は癒すのであり、癒やしの過程で傷も治るのです。(バーニー・シーゲル)

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2014年9月 9日 (火)

罪作りな「安保免疫学」

首ひねる独自マッサージ後乳児死亡 NPO代表任意聴取
      朝日新聞デジタル 9月6日(土)13時14分配信

大阪市内で今年6月、乳幼児向けのマッサージを提唱しているNPO法人の代表から施術を受けた乳児が、施術中に意識不明になり、死亡していたことが捜査関係者への取材でわかった。大阪府警は遺体を司法解剖し、代表らから任意で事情を聴くなどして死亡の経緯を慎重に調べている。

捜査関係者によると、6月2日、生後4カ月の男児が大阪市淀川区の事務所内で代表の女性からマッサージを受けた。女性は男児を床にうつぶせに寝かせて首をひねったり、ひざの上に乗せて首をもんだりしていたが、施術中に男児の呼吸が止まり、スタッフが119番通報したという。病院に救急搬送されたが、6日後の同8日に死亡した。

府警は病院から連絡を受けて捜査を開始。遺体を司法解剖した結果、死因は脳に酸素が十分に行き渡らなくなる低酸素脳症による多臓器不全だったという。

NPO法人の理事の男性は取材に対し、昨年も代表の施術を受けた幼児が死亡したことを明らかにしたうえで、「亡くなったのは不幸なことだが、2件とも施術と死亡との因果関係はないと考えている。警察の捜査に協力したい」と話した。

子育ての免疫学 このNPO法人の代表者とは、子育て支援ひろば「キッズスタディオン」の姫川裕里氏ですね。

免疫学者の安保徹先生との出会いから、免疫力をつけることの裏付け情報を得て社会に情報発信しよう!と一念発起してNPO法人としての活動をはじめたことが、このようにたくさんの人の応援がいただけるようになり、感慨無量です。

と、ご自身のブログに書いています。(いちいち突っ込みどころ満載のブログです)また、安保徹氏とのコラボの講演会も何度か開催しています。安保氏の監修・編集で『子育ての免疫学』という本も出しているようです。NPO法人の設立も安保氏が後押ししたそうな。

その乳幼児向けのマッサージの様子ですが、施術を受けたママさんが写真付きで紹介しているブログがありました。

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この赤ちゃんは絶叫しているそうです。これはやり過ぎですね。生後4ヶ月のまだ首の据わらない乳児なら本当に危険です。

出産時に臍帯が腕に、どのように巻き付いてたのかが分かるのだそうです。
とにかく不思議です。
巻き付いてた通りに、
一旦腕の形を戻さないと、治らないそうです。。。
すごい形に曲がってた様です。
ぼく、言葉が喋れたらなんて言うかな
やめてーー
もぅ無理ーーー
かも。。。

子宮内での様子が赤ん坊の体に触れるだけで分かるという、何とも非科学的なことをのたまう先生ですね。それを信じるB層IQレベルの方が簡単に騙されるのです。しょうもないおばさんの戯言に、”安保免疫学”という権威付をすることで商売繁盛という、よくある詐欺商法です。

暖めるのも、対面だっこも悪くはないですよ。しかし、暖めれば免疫力がアップしてがんが治る、対面だっこで免疫力がアップしてアトピーになることがない、こうなるとエセ科学です。免疫力はまか不思議な力で、宇宙の神秘以上の神秘、人間の神秘の最たるものです。がん細胞はこの免疫力を味方に付けて増殖することもあるのです。暖めれば治るなどという単純なものではない。確かに人間には免疫力、自然治癒力が備わっていますが、こうすればああなる、という単純な因果関係ではありません。人間の精神と身体は「複雑系」ですから。

安保先生、最近はがんの分野でお見かけしないと思っていたら、こんな分野でご活躍だったんだ。

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2014年9月 8日 (月)

魚を食って運動すれば、再発率は下がる

魚を食べて運動をすれば、がんの予防や治療に効果があることは、すでにいくつかのエビデンスが存在しますが、このほどASCOの発表で大腸がんにも効果があることが実証されました。

運動と魚を多く含む食事が大腸癌の再発予防に有効な可能性
研究者らは、魚の摂取頻度が週2回未満あるいは運動時間が週1時間未満の患者では大腸癌再発のリスクが約2.5倍になることを明らかにした。赤身肉の摂取、アルコール摂取、喫煙など、大腸癌再発のリスクに影響を与える他の食事因子については特定できなかった。
研究者らは、魚に含まれるオメガ3脂肪酸が何らかの方法で大腸癌リスクを低減させるという仮説を立てた。魚および運動に関する今回の試験における知見は、初発大腸癌の罹患リスクを上昇させる要因について調査した先行研究結果と一致する。
運動の潜在的利益は、ますます評価されている。運動は体内の炎症を軽減し、肥満防止に有効である。なお、これら2つ(炎症と肥満)は大腸癌のリスク因子である。また、運動は血液中のインスリン濃度を低下させる。インスリンは、正常細胞および悪性細胞双方の増殖因子である。

EPA(オメガ3脂肪酸)については、このブログで何度も紹介しています。末期の患者さんからも「効果を実感している」とのコメントをいただいています。

今回のASCOの研究は大腸がんが対象でしたが、他のがんでも多くの研究で効果が示唆されています。消化器系のがん、膵臓がんにも効果があることが実証されています。

  1. がんと食事・栄養 アピタル夜間学校
    きたという。例えば青魚などに多く含まれるEPAと呼ばれる物質。膵臓(すいぞう)がん患者が食べると、筋肉量や体重の減少を抑制する効果がありそうだと、研究でわか...
  2. DHA&EPA、 ω3脂肪酸サプリメントはどれが良い
    見ていたら、サントリーのDHA&EPAのコマーシャルをやっていました。250粒-60日分で9,500円だとか。高~い。もっと安く購入できますよ、とい...
  3. サプリメントは本当に効果はないのか?
    マルチビタミン、それとは別にビタミンD、EPA+DHA、メラトニンです。重篤な副作用もなく、費用も一ヶ月あたりで締めて1400円です。以前は米国から個人輸入...
  4. トランス脂肪酸はがんの栄養
    スが重要であり、中でもオメガ3の脂肪酸(EPA、DHA)の重要性は良くいわれる通りである。なかでもトランス脂肪酸は「食べるプラスチック」と言われるほどで、栄...
  5. サプリメントの真実
    リメントが分かるでしょう。私が摂っているEPA、メラトニン、ビタミンDも含まれているが、ビタミンDについては非常に肯定的な評価を与えています。(ビタミンDが...
  6. 未来は予測できない
    ビタミンDをはじめとしたマルチビタミン・EPAサプリ・メラトニン・深蒸し茶・イメージ療法・ウォーキング運動・落語を聞いて笑うなど、実に多くのことをやってきま...
  7. 膵臓がん患者と糖質制限食
    は少量にとどめる。オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。お酒は蒸留酒(焼酎、...
  8. 食事と運動は、がんの治療にも効果がある
    い。膵臓がんでは、緑茶(カテキン)魚油(EPA、DHA)シイタケーアガリクスよりよほどましーメラトニンビタミンD:多くても少なすぎてもリスクが高くなる。これ...
  9. EPAの臨床試験、パンキャンで膵臓がんブックレット発刊
    日のブログ「がんと炎症の関係」で紹介したEPA補助栄養成分に関連する情報です。「がん患者のあきらめない診察室」でエパデールSという動脈硬化の薬を投与希望者を...
  10. がんと炎症の関係
    取ることによって、エイコサペンタエン酸(EPA)を2.2g摂取することができる(亜鉛やビタミンC・ビタミンEも入って1パック300kcal)。魚油に含まれる...

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2014年9月 7日 (日)

ビジネスクラス

中村祐輔先生の『シカゴ便り』がアメリカの医療事情を良く伝えている。「続々と開発されるがん新規治療薬」では、9月4日にFDAが承認した米製薬企業メルクの免疫チェックポイント阻害剤、抗PD-1抗体、Keytruda(キートルーダ)、(商品名ペンブロリズマブ)のことが書かれている。メラノーマの治療薬です。

がん細胞は非常に利口だから、免疫細胞にブレーキをかけて自分を守る仕組みを持っている。その分子がCTLA-4やPD-1で、がん細胞はT細胞上のこれらの分子のスイッチを入れることでブレーキをかけ、免疫細胞から自分自身を守ることができる。本当に利口なんです。がん細胞は。

で、新しい薬はこれら免疫を抑えるためのチェック機構(チェックポイント)を担う分子を標的にした薬剤なので「免疫チェックポイント阻害薬」と呼びます。がんペプチドワクチンなどの免疫系を賦活させるだけでは効果がないのはこうした仕組みのためのようです。

この薬の価格が驚くような高額です。キートルーダの患者1人当たりの薬剤費は、月12,500ドル(約125万円)、1年間続けると15万ドル(約1500万円)となるといいます。分子標的薬などの新薬がどんどん承認されてがん患者の命を救うようになって欲しいが、一方で高齢化社会に向けて医療費が膨れあがっていくことは必至でしょうね。膵臓がんのこのような新薬が登場して、余命半年と言われたとしたら、私など「こんな初老の男に1年で1500万円も使う価値があるのか」と考えてしまいそうです。(保険承認されなければ使いようもないけど)

財政破綻を避けようとすれば、「救える命を救う」=お金のある患者だけでも救うべきという考えで「混合診療」が肯定されるような気がします。病院の点滴用の椅子で、方や高額な新薬を自由診療で使っている患者、一方では承認された抗がん剤しか使えない患者が隣同士で、という図が見えてきそうです。ファーストクラスやビジネスクラスとエコノミークラスが同じ機内(病院)で、目的地は「延命、または完治」というツアーです。

上昌広氏は著書『医療詐欺』のなかで、『国や医師会が批判する「混合診療」を導入すれば安全性が上がる』と書き、航空会社がビジネスクラスを導入したおかげで競争原理から安全性が向上したと書いていますが、本当にそうでしょうか。

飛行機事故が起きたときにパイロットもファーストクラスの乗客もエコノミークラスの乗客も同じように死にます。パイロットだって死にたくはないでしょうから必至で墜落を避けようとするでしょう。しかし、病院は飛行機ではない。医者と患者は運命共同体ではないし、治療の甲斐無く死ぬのは患者であって医者ではないのです。一方でビジネスクラス、ファーストクラスの患者は治療の恩恵をより多く受けることができるでしょう。

日本医師会も「混合診療反対」の旗を降ろしたようなので、いずれ混合診療が普通の状態になるに違いありません。命の価値も金次第という時代です。これがグローバル化の行き着く結果です。医療は、たとえ大地震や津波が来ようが、戦争が起きようが、原発が爆発しようが、機能しなくてはならないものです。そこに「儲かるか儲からないか」という論理はありえない。

Gaza_war_2009_6 ガザ地区ではたくさんの民間人、子供が無残に死んでいます。それを思うと、がん患者の「治りたい」「もっと生きたい」という願いは当然なのですが、現在の日本の医療でも十分に天国のような気がしないでもない。平和があっての医療です。

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2014年9月 5日 (金)

肩腱板断裂

肩の痛みで夜中に目が覚めることが二度ほど続いたので、今日は近くの整形外科で診察を受けた。来々週には大学病院での診察予約もしてあるのだが、予備的な診察のつもり。

問診して肩の可動域をチェック。クキッ・クキッと音がする。水平以上に上げようとすると痛みが生じる。

若い医師で院内はリハビリの患者でいっぱいだった。レントゲンの指示をもらい、その間に「電気治療をして」と言うので、「診断が確定しないのに電気をかけるのですか?」と尋ねたら、「止めておきますか?」「はい」でおしまい。

レントゲンは2枚。以前五十肩でかかった整形外科では5~6枚撮られたから、
良心的なほうかもしれない。診断結果は、予想通りの「肩腱板断裂」。あまり大きな断裂ではなさそうだ。「治療法は?」の質問に、「痛みはひどくなさそうだから、保存療法は必要ない。やるとすれば手術かなぁ」。手術でも治らない確率が20%程度はあるとのこと。席を立ってから「シップや塗り薬は?」と念のためにきくと、「気休め程度ですが、どうしますか?」との返事だったので「じゃあ、止めておきます」

診断だけで治療も薬もなしで、病名の確定だけなので1810円也。

治療の最終決定をするのは患者自身である。もちろん結果に対する責任を取るのも患者だから、それがあたりまえだと思っている。医者にも自分の考えを遠慮なく伝えることが大事で、それで不機嫌になるようなら病院を代えれば良い。開業医は人気商売だから、それで患者が困ることはまずない(なかには尊大な医者もいるが)。医者のプロとしての知識は尊重しつつも「主治医は私自身」というスタンスは変えない。

新しい糖尿病治療薬SGLT2阻害薬に関して、予想以上に重篤な副作用が出たために日本糖尿病学会が8月29日に2回目の勧告を出した。6月13日に出した勧告の「改訂版」というお粗末。

勧告がでた直後の9月3日には、田辺三菱株式会社と第一三共株式会社が新たに参入して、国内で販売されるSGLT2阻害薬は5成分6製品となった。日本糖尿病学会も日経メディカルの特集記事などでかなりこの薬を持ち上げてきたし、あいかわらず大学病院の医師らが「夢の治療薬」という宣伝に躍起になっている。巨大な糖尿病マーケットに「夢の新薬」だから、そりゃ企業も躍起になるはずだ。スキャンダルが起きなければ良いのだが。

昨今の医学会と製薬企業との不祥事が連続すると、患者も自分の命は自分で守る、そのためには新薬や「夢の治療薬」には飛びつかない心構えが必要だと思う今日この頃です。

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2014年9月 2日 (火)

はなちゃんのみそ汁

24時間テレビ ドラマスペシャルで『はなちゃんのみそ汁』が放映された。だが私は見ていない。がん患者を主題にしたお涙頂戴のドラマや、闘病記は見たくも読みたくもないからだ。見ていないからドラマの内容についてあれこれと意見を言う立場にはない。

ただ、ネット上でブログやツイッターを閲覧していると、「感動した!」「食事は大切ですね」とかの意見と、玄米菜食でがんが治るかの幻想を与えかねない、乳がんが縮小したのが玄米のおかげだと断定している、だのとの批判的な意見もたくさんあった。私もどちらかというと後者に近い先入観を持っていた。

しかし、ご本人(亡くなったあとはご亭主)の書かれているブログ『早寝早起き玄米生活 ~がんとムスメと、時々、旦那~』の記事やコメント欄を読んでいたら、こんな記述にであった。

代替療法のことを書かないのには、理由があった。
まず、私は医者ではない。
がんの治療は、人間に一人として同じ顔がないように、人によって治療も全く異なってくる。100人癌の人がいたら、100人とも治療法は異なる。
ある療法が私に効いたからといって、他の人に同じ療法が効くとは絶対に言えない。

自分がやっていることを人には強制しないし、できない。
また、自分がやっている方法が良いとも言えない。
ただ、実感として、今やっている方法で全身に散らばっていたがんが縮小の方向を向き、体調が明らかに良くなっていることは確か。
でも、ただ、それだけのことだ。

病気になった人が、自分で探して一番合う方法が見つかった時、それがその人の代替療法になるのではないだろうか。
それは、人に聞いても見つけることはできないものだと感じている。
自分の足で探し、相性の合うところを見つけ、そして一番自分に合ったものをこつこつと続ける。
私のベースは、早寝早起き玄米生活。
まだ、第一歩を踏み出したばかりです。

いや~、これなら代替療法に関する私の考えとほとんど同じですね。旦那(安武信吾)さんからの、こんなコメントもあった。

食事療法は、がん患者それぞれにカスタマイズしなければ、快方に向かわないと思っています。
ももさんには、どんな食事療法が合うのか、ぼくには分かりませんが、どんながんにもマクロが合うかと言ったら、そうではないような気がします。
それで、誰もが良くなるのならば、もうとっくに、がんの治療については解決しているはずです。

また、マクロビでがんが絶対に治ると考えている方に対して、さくらさん(千恵さんのブログ名)は、

以下、さくら談
マクロビオティックの創始者、ジョージ大沢さんは、肉、魚など動物性たんぱくをとってはいけないと一言も言っていないはずです。
ももさんのコメントを読んで、非常に危機感を覚えています。
もし、そのような勘違いをする方がたくさん、いらっしゃるのならば、私はこのブログを閉鎖しなければならないと考えています。
がんの患者さんが10人いれば、10人とも、それぞれまったく違う治療方法になるはずです。
マクロビオティックで、すべてのがん患者が快方に向かうとは、私も思っていません。
かえって、それで悪くなる人もいます。
クシミチオさんも、ご自身の奥さんのがんをマクロビオティックで治すことはできませんでした。
食事療法は、自分に合った先生の助言を受けながら日々、慎重に進めていくべきでしょう。
私も我流ではなく、実績のある先生に食事療法を指導していただいています。肉や魚、乳製品をとることもあります。
私には私に合う方法、ももさんには、ももさんに合う方法があるはずです。私がやっていることが、がん患者全員に効果があるということは絶対にありません。
結局、いろんな情報を精査し、自分に合う治療方法を見つけ出し、自分が主体となって病気を治すしかないと思っています。

とコメントを返していた。しごく真っ当な考え方だと思う。久司道夫氏に関して言えば、彼の奥さんが子宮頚がんで亡くなったとき、彼女のマクロビが久司道夫の方法と異なるものだったから、癌が進行し夫人の命を奪ったのは医学的(反マクロビ的)な治療を「うかつにも」受けてしまったからだと述べている。(久司道夫『マクロビオティックをやさしくはじめる』P200~202)

「これをやればがんは治る」「治らないのはあなたのやり方が悪かったからだ」とは、多くの代替療法家が持ち出す言い逃れだ。肉や魚、乳製品を取ったから再発したんだと言いかねない。

さくらさんのほうが遙かに真っ当ですね。

私のブログでも安保徹や済陽高穂、石原結實らを批判しているが、それらの療法を取り入れている患者さんに対しては、反対する気も、批判するつもりもない。ご自身で判断されて、自己責任でやっている、本人が効果があると感じているのなら私があれこれいうことはないし、逆に無責任だからだ。少なくともプラシーボ効果くらいはあるかもしれないではないか。「あなたが批判していたので止めたら、亡くなったではないか」と言われても、因果関係を科学的に示しての反論などできやしないし、責任の取りようもないからだ。

24時間テレビドラマの最後には「このドラマは闘病記を元にしたフィクションです」というテロップが流れていたようで、だとすると、視聴率稼ぎのために都合良く作り上げたドラマだったのかという気がする。

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2014年9月 1日 (月)

14/8月ツイートのまとめ

工藤 愛美 @LadyMana_  
膵臓ってこんなにガッチリリンパ節に囲まれてるんだね。そりゃー膵臓癌の予後良くないのも頷けるわ(´・_・`) https://twitter.com/LadyMana_/status/494714544237727744/photo/1

Feel on @feel_on_  
エリテックがすい臓がんでERY-ASPを検討する第II相試験で最初の患者組み入れを発表 - 仏リヨン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 急性白血病および医療ニーズが満たされて... http://www.feel-on.jp/international-2/international-japanese/505025.html 

notearea @notearea  
テラ(2191) 樹状細胞ワクチン「バクセル」の臨床研究結果を米国がん学会の学会誌「Clinical Cancer Research」に掲載。抗がん剤を併用したWT1-Ⅰ/Ⅱを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」は、進行膵がんの患者の病勢制御に寄与する可能性があることを報告。

朝日新聞医療サイト「アピタル」 @asahi_apital  
アピタル夜間学校の動画をアップしました。放射線治療は今後、対象となる部位も人も増えそうです。基本から最新治療まで昭和大の加賀美 芳和さんによる講演です。RT @asahi_apital: もっと知ってほしい がんと放射線治療のこと http://apital.asahi.com/school/cancer/2014073000018.html?ref=rss&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter 

キノシタ @Oncle1316 
そうなのか、今日が命日。早いものだなぁ RT @meihuku 2011年にすい臓がんで逝去され、今日で4回目の命日を迎える歌手、日吉ミミさんのご冥福をお祈りします。 http://www.youtube.com/watch?v=u2yaDj6hlvI&feature=youtu.be 
12:27    

祭谷一斗 @maturiya_itto  
.@taiwata 大手クリニックの説明会にあらかた潜り込んでみましたが、あまりにもたくさん藁をもすがる状態の患者さんを見て以来「亡者の商売」との印象を抱いたままです。>リンパ球な免疫療法 説明も滅茶苦茶でした(体験談、試験管実験、短過ぎる追跡期間etc)。

祭谷一斗 @maturiya_itto  
.@taiwata ただ、クリニックはたいてい綺麗でカネがある分人員も豊富(コンシェルジュがいるクリニックなんかも)、必然的に対応は丁寧でして、事情を知らなければ騙されるだろうなとは思います。 

安西英雄 @deoanzai  
心臓以外の手術を受ける人で血中ビタミンD濃度が低いと、術後の深刻な合併症のリスクが高い。とくに13 ng/mL未満の人で。  http://journals.lww.com/anesthesia-analgesia/Abstract/publishahead/The_Association_of_Serum_Vitamin_D_Concentration.98423.aspx 

勝俣範之 @Katsumata_Nori  
「血液の闇」 という本が若干話題になっているようです。一部は良いことを言っているのですが、科学から、非科学へうまくすり替えられています。問題はこのような本をお医者さんが書いているということです。手法は近藤氏と似ているところがあります。http://www.amazon.co.jp/%E8%A1%80%E6%B6%B2%E3%81%AE%E9%97%87-%E8%88%B9%E7%80%AC-%E4%BF%8A%E4%BB%8B/dp/4883206165 

名郷直樹 @nnago  
原稿のネタに勉強中。有意差が出るように糖尿病の定義を変えるように圧力をかけたと記載されている / “20140620.pdf” http://www.takeda.co.jp/update/files/20140620.pdf

キノシタ @Oncle1316 
がん治っちゃったよ!全員集合! by 日本がん治っちゃったよ協会:「すい臓がん、余命3ヶ月」を克服した女性。 http://ameblo.jp/gannao8686/entry-11913905208.html 

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