« ネットワークのトラブル | トップページ | 明日から北海道 »

2015年10月13日 (火)

亡くなった患者のプライバシーは保護されないの?

仕事帰りに図書館に寄って、文藝春秋に掲載されている近藤誠氏の『川島なお美さんはもっと生きられた』を読んだ。

副題に「二年前、彼女は私のセカンドオピニオン外来を訪ねてきた」と書かれているとおり、川島なお美さんが近藤氏のセカンドオピニオンを受けた日付やそのときの服装まで書かれている。近藤氏との対話まで詳細に紹介されていることには驚いた。ここまで患者のプライバシーを公開して良いものだろうか?

手術をやったことで寿命を縮めた。腹腔鏡手術は無謀だった、などという、例によって彼の主張に都合良く解釈しているのだが、激やせしたのは手術のせいだと、まるで悪疫質ということばも知らないかのような独善的な解釈に終始している。

ま、それはいつもの彼一流のやりかただから措いておいて、患者のプライバシーはどう考えているのだろうか。記事の中では「個人情報保護法は亡くなった人には適用しなくてよい」との解釈である。

確かに個人情報保護法には、「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名等により特定の個人を識別することができるものをいいます(第2条第2項)、とある。死者には適用できない。

しかし、個人情報保護法が制定されるはるか以前から、医者は厳格な守秘義務を負っているとの姿勢で診療にあたってきたのであり、患者の情報をみだりにオープンにすることは、医の倫理に反するものとされてきた。そうした信頼関係がなければ、病気の経過や家庭の事情にまでわたって医師に相談することはできない。

世界医師会の「リスボン宣言」には次のように書かれている。

8.守秘義務に対する権利
a.    患者の健康状態、症状、診断、予後および治療について個人を特定しうるあらゆる情報、ならびにその他個人のすべての情報は、患者の死後も秘密が守られなければならない。ただし、患者の子孫には、自らの健康上のリスクに関わる情報を得る権利もありうる。
b.    秘密情報は、患者が明確な同意を与えるか、あるいは法律に明確に規定されている場合に限り開示することができる。情報は、患者が明らかに同意を与えていない場合は、厳密に「知る必要性」 に基づいてのみ、他の医療提供者に開示することができる。
c.    個人を特定しうるあらゆる患者のデータは保護されねばならない。データの保護のために、その保管形態は適切になされなければならない。個人を特定しうるデータが導き出せるようなその人の人体を形成する物質も同様に保護されねばならない。

近藤氏の考えは、法律上は問題ないとしても医の倫理上は許されないことは明かであろう。

近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来』のサイトには、個人情報に関しての説明がある。しかし、私はこの部分を次のように変更することを近藤氏に提案したい。(赤字部分を追加してはどうか)

Photo

商売に影響することもないし、ますます繁盛するに違いない。

有名人が亡くなったことをチャンスに、自説を流布する近藤氏の活躍は続く、どこまでも。


スポンサーリンク

« ネットワークのトラブル | トップページ | 明日から北海道 »

がん一般」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ネットワークのトラブル | トップページ | 明日から北海道 »

がんの本-リンク

  • がん患者が選んだがんの本

サイト内検索

膵臓がんブログ・ランキング

膵臓癌 お勧めサイト

アマゾン:商品検索

スポンサーリンク

がんの本「わたしの一押し」

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想