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2016年12月10日 (土)

なんで今さら樹状細胞免疫療法なの?

代々木公園

昨日は、会議で「オリンピック記念斉唱戦争号センター」へ。原宿で電車を降りて代々木公園を突っ切って行きました。公園内の銀杏はほとんど落葉してしまっていましたが、きれいに紅葉したカエデが一本だけ残っていました。今年の紅葉も見納めです。


和歌山県立医大がテラと協力して樹状細胞免疫療法の医師主導治験を開始すると報道されています。

和歌山県立医科大学と、日本初の膵臓がん再生医療等製品の承認を目指すテラは7日、同社子会社であるテラファーマが、和歌山県立医科大学と医師主導治験の実施に係る契約を締結したと発表。

県立和歌山医大のスライド日本初、膵臓癌に対する細胞療法の治験

しかし、なんで今さら「樹状細胞免疫療法」なんだろう? がんペプチドワクチン療法で躓いたからなのか。

がん患者団体:寄付講座を休止 県立医大で運営 /和歌山

毎日新聞 2015年08月05日 地方版

 がん患者団体「市民のためのがんペプチドワクチンの会」(東京都国立市)は7月31日、和歌山県立医大(和歌山市)で運営している「がんペプチドワクチン」の臨床試験を行う寄付講座を休止したとホームページで明らかにした。

 2013年9月に開設。がん患者が主体となる全国初の寄付講座として注目されたが、臨床試験に充てる寄付金を集められず、4月に運営を断念していた。臨床試験は同医大が一時的に費用を負担し、継続している。

 団体の会田昭一郎代表は「このワクチンは未承認で、周知がままならなかった」とした。ペプチドワクチンは、がんを攻撃する細胞を増やし治療するもの。

 同医大の勝田将裕助教は「講座は臨床試験の推進力で、早い再開に期待したい」と話した。

リンパ球バンクは次のように反論しています。

樹状細胞療法は、体内のキラーT細胞に、がんの情報を与えて、特定のがん細胞を攻撃するCTLにする、としています。
樹状細胞は、がん細胞を攻撃しません。
バクテリアやウイルスを認識する優れたセンサーTLR群を備えますが、がん細胞を認識するシステムは持っていません。
樹状細胞を用いて、実際に、がん細胞を破壊する「本物」のCTLを誘導できたケースは、非常に特殊な場合を除いて、ほとんどありません。
強い免疫抑制下にある、がん患者体内において、樹状細胞が、がん細胞の情報を提供できたとしても、元々、生きたがん細胞を目の前にして、攻撃できない抑制された免疫系が反応するとは、考えにくいものがあります。

ま、競争相手だから幾分はさっ引いて考えるとしても、どれほどの治療実績があるのでしょうか。

確かに治療実績では膵臓がんが群を抜いています。

20161210_15_06_43

しかし、これだけでは治った患者がどれほどいるのか、さっぱり分かりません。
これまでの研究実績も、ほとんどが膵臓がんを対象としたものですが、安全性を確認する第一相試験が主です。

20161210_15_10_01

がんを狙い撃つ「樹状細胞療法」 (講談社+α新書) 10年以上も前から自由診療として提供されているわけで、その実績がこの程度ですから、何をもたもたしているんだろう、としか感じませんね。休眠療法(低用量抗がん剤治療)の高橋豊医師も2007年に『がんを狙い撃つ「樹状細胞療法」』を出しており、休眠療法と樹状細胞免疫療法を併用する「アイマックスがん治療」を研究していましたね。最近ではアイマックスがん治療の話題はほとんど聞きません。

信州大学東京女子医科大学九州大学などでは先進医療として提供されているわけで、そこからは驚くような結果が出たとは聞いていないので、今回和歌山医大が臨床試験を始めたとしても、とりたてて騒ぐほどのニュースではないのですが。

2022年の承認申請をめざすということは、第二相試験を開始するということなのでしょうか。

ま、それならそれで歓迎はしますが、患者は冷静に受け止めることが肝要かと。

 

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