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2017年6月

2017年6月30日 (金)

がん患者にもスクワット

先日の『すい臓がんカフェ』での講演でもお話しさせていただいたが、がん患者はうつ病になりやすい。うつになると、予後も悪くなるのです。これは、心のありようとがん治療とが密接につながっていることの証明でもあります。

心の平安を保ち、がん治療を効果的にするためにも「運動」は大切です。基本は歩くこと。スクワットも効果的です。黒柳徹子さんはスクワットは毎日欠かさないと言っています。

運動すると、気分を安定させる神経伝達物質のセロトニンの代謝がよくなり、これが非常に有効なのです。セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れやすく、それがうつ病発症の原因にもなるのです。

「運動療法」:運動と心との関係を研究する「スポーツ精神医学」という医療分野がありますが、そこでは、ある研究結果が報告されました。それは、うつ病の人を薬なしで運動だけするグループと、運動しないで薬を飲むグループに分け、四か月間経過を見るものでした。すると、なんと四か月後に両者はほぼ同じくらい改善していたそうです。しかも、別の研究で、スポーツの種類はなんでもいいこともわかっているので、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でも、筋トレなどの無酸素運動でも、好きなものを選べばいいわけです。  お気に入りのスポーツを週三回、継続してやるというのが、この「運動処方箋」なのですが、運動が苦手な人や外出ができない人もいるでしょう。こんな人には、自宅で簡単にでき、効果の高いスクワットをおすすめします。

筋肉量が増えると血糖値も安定します。ロコモ対策としても、下半身の大きな筋肉を一度に鍛えるにはスクワットが良い

慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センターの長野雅史先生は、「メタボの人は、筋トレで筋肉を収縮させると、有酸素運動と同じぐらい好ましい効果が得られる」と話します。筋トレは血糖値や血圧を下げる効果のほかに、基礎代謝量の増加、骨粗しょう症や変形性関節症の予防などにも貢献するといわれています。

長野先生がお薦めする筋トレは、手軽にできるスクワットです。特別な道具を使わなくても、正しいフォームを意識して継続すれば、十分な効果があるといいます。「少ない筋トレで多くの健康効果を得るには、できるだけ一度に大きな筋肉を動かすのがいい。スクワットは体の中で最も大きい下肢の筋群が鍛えられます」。

トレーニング方法(印刷用/PDF)ダウンロード

スクワットと片脚立ちを毎日続けることで、ロコモトレーニングになる。

Locotre

これから梅雨の季節、散歩に行かれないときにもスクワットなら室内でできる。

ただし、激しい運動はかえって免疫力を低下させてしまうので、やりすぎは禁物です。

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2017年6月27日 (火)

小林麻央さんの訃報に接して考える

小林麻央さんの訃報には、多くの方が感想を述べています。彼女のブログの内容には私も感動させられることが多々ありました。ご冥福をお祈りいたします。

しかし、ニュースに接していて少なからず違和感を感じたことも事実です。

『2016年に麻央さんを「世界に影響を与える『100人の女性』」の1人に選出していた英国公共放送のBBCは、闘病生活を発信し続けた麻央さんのブログを「草分け的な存在」と伝えた』と報じ、また『日本では、がんについて表立って話をするのは珍しいことだが、小林さんが既成概念を破って闘病中の経験や思いをブログでつづり始めた。小林さんのブログはがんと闘う人だけでなく多くの人を元気づけた』とも書いています。

これは日本のブログの現状に対して、あまりにも無知としかいいようがありません。乳がんに限らず、多くの患者がブログで発信しており、麻央さんのブログよりももっとすばらしいブログはたくさんあります。膵臓がんでも「既成概念を破って闘病中の経験や思いをブログでつづり始めた」患者はたくさんいます。

有名人だからと、特別扱いは止めてほしいものです。ま、視聴率が稼げるからとの判断なのでしょうが。

前川氏のインタビューが突然、小林麻央さんの訃報に切り替えられたこともおかしい判断ですね。どの放送局に回しても、みな同じ麻央さんの訃報ばかり。どちらが大事な問題なのかと、放送局の判断には首をかしげざるを得ません。

彼女の訃報に便乗して「だからがん検診を受けましょうね」との記事もあります。最初の健診でしこりと判断したのが、誤診ではないかと、担当医の名前まで公表しているTwitterもあります。

がん検診は擬陽性率や偽陰性率が高く、100%完全な健診などありません。がん検診に対して、日本で行われたランダム化比較試験は一つもないのです。つまり、科学的に実証されたエビデンスはありません。

2016年1月6日にBMJ(英国医師会誌)に発表された論文「なぜ、がん健診は『命を救う』ことを証明できなかったのかーそして我々は何をすべきか」では、がん検診が命を救うという確たる証拠はない、と述べています。

たとえば、最も効果が確実とされている大腸がん検診(便潜血検査)では、4つの臨床試験を統合した研究で、大腸がんの死亡率が16%低下することが示されている。その一方で、がんだけでなく、あらゆる要因による死亡を含めた「総死亡率」が低下することは証明できていない。

なぜ大腸がん死亡率が減っても、総死亡率は減らないのか。論文の著者らによると、過剰診断によって「ニセがん」(命を奪わない病変)が見つかり、無用な検査や治療を受け、命を縮めてしまう人がいるからだという。

放射線や抗がん剤による治療は強烈な副作用など、体への負担が大きい。つまり、がん検診のメリットを、過剰診断にともなうデメリット(害)が、打ち消してしまうのだ。

欧米では、死亡率低下効果が明らかと思われてきた乳がんのマンモグラフィー検診(乳房のX線検査)でさえ、近年、死亡率低下効果が見られないという報告が相次いでいる。

さらに2012年に米国オレゴン健康科学大学の研究者らが発表した論文では、過去30年のデータを検証した結果、検診で発見された乳がんの3分の1が過剰診断だったことが報告された。

驚くことにこの論文によると、米国ではこれまでに130万人が「無用な治療を受けた」と推計されているのだ。こうした結果を受けて、スイスでは医療委員会が乳がん検診の廃止を勧告している。

前立腺がん検診についても、死亡率低下効果よりも過剰診断によるデメリットが大きいことから、米国や英国など欧米各国は推奨していない。このように、いまや海外では、がん検診の有効性自体が疑問視され始めている。(週刊ポスト2017年3月17日号)

国立がん研究センターの「有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン 2013年度版」では40歳以上の女性にマンモグラフィーを勧めているが、根拠となった海外の臨床試験では、最近では40歳代の健診には疑問がつき始めています。

それに、健診の効果も芳しくない。50歳以上に限ってさえも、20170627001 乳がんによる死亡数を、5人から4人へと、1人減らすことができる(0.1%)が、全てのがんによる死亡数は同じである。つまり乳がん検診は総死亡率の減少にはつながらない。一方で乳がんではないのに乳がんと診断されて、部分切除や全摘をされる患者は100人(10%)いる。

これががん検診のランダム化比較試験による科学的な結論です。(日本では行われていない)

朝日新聞も「ピンクリボン運動」を持ち上げるのは止めにしたらどうか。

膵臓がんでも、”血液一滴で高い検出率”等とニュースで持ち上げているが、仮にその検査の感度を90%とし、ひいき目に見て偽陽性率が50%ほどとすると、膵臓がんの罹患率が約3.4%だから、1000人のうち膵臓がんが34人います。その90%=31人は膵臓がんが早期に見つかる(3人は見逃し)が、残り966人の50%=483人が膵臓がんではないのに膵臓がんの恐れと判定され、CT検査で余計な被ばくとお金がかかり、はっきりするまでは精神的な苦痛を受けることになります。

この”すばらしい”検査の結果で「膵臓がんの疑いあり」と判定されて、実際に膵臓がんである人の割合は、実に31÷500=6.2% 、16人に1人しかいないのです。16人に1人で助かればいいではないか、という意見もあるでしょうが、そう単純ではない。膵臓がんでは亡かった15人は、ムダな検査によって、細胞診やCT検査、あるいは手術までされて寿命を縮めることになる。総死亡率を減らせるかどうかで健診の効果は評価されるべきですが、それには何十年もの歳月と莫大なお金がかかるのです。

確かに膵臓がんの早期発見の技術は確立して欲しいし、研究者らの努力は尊敬しますが、マスコミは検出率だけでなく擬陽性率や実際の効果も、数字で説明してほしいものです。

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2017年6月25日 (日)

第6回『すい臓がんカフェ』講演のPDF

本日は、悪天候にもかかわらず、たくさんの方の参加で『すい臓がんカフェ』も無事に終わりました。

私の講演のスライドをオフィシャルサイトの「講演資料など」にアップしてあります。

http://oncle1316.wixsite.com/pan-cafe/document

がんと複雑系の話しは、なかなか他所では聞くことのない内容で、おおむね好評でした。

次回は8月13日(日)に開催予定です。夏期休暇で輸送期間も運賃が高い時期であり、遠方の方の参加は困難かもしれません。会場の抽選に外れてしまい、8月はこの日しか取れませんでした。

逆に、参加者の少ない分、申込みは比較的楽になるのではなかろうかと思います。

2017年6月20日 (火)

今日の一冊(74)『がんに効く最強の統合医療』

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がんに効く最強の統合医療』(日本統合医療学会 監修)

がん研有明病院漢方サポート科元部長の星野惠津夫先生の近著です。
がん研を退職されたのですね。空海記念統合医療クリニック院長の肩書きになっています。

日本統合医療学会は、ちょっと評価に迷う団体ですね。ホメオパシーの帯津良一氏やエネルギー療法の川嶋朗氏がいるかと思えば、『がんの補完代替医療ガイドブック』の大野智氏もいる。そこが力を入れている空海記念統合医療クリニックに院長として行かれたわけだ。

されはさておき、本書の内容を先入観なしに紹介してみます。

がんで闘病中の皆様に申し上げたいことは、主治医の提案する治療法以外にも、有用な治療法はいろいろあるということです。
しかし、「がんが消える」と自称する本や治療法には、効果に乏しいものや、詐欺まがいのものも多数含まれています。
ですから、情報をしっかりと集めたうえで、正しいものを見極めて、治療法を組み立てる必要があります。
(「はじめに」より)

と、カバー裏に書かれています。日本統合医療学会が「患者のための統合医療ガイドブック」という位置づけで出したということです。

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第6章はそれぞれの専門医が執筆していて、膵臓がん患者にも気になる、血管内治療・ラジオ波焼却療法・KM-CART・ガンマナイフ・サイバーナイフ・ハイパーサーミア・腹腔内投与療法などの治療法が丁寧に紹介されています。骨セメント注入療法は知らなかったですね。

星野氏が本書で訴えたいことを端的に言えば、次の図のように

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なろうか。

わが国のがん治療医のほとんどは、自分の知っている治療法しか示しません。実際には化学療法しか知らない「化学療法専門医」や、手術の片手間に化学療法を行う外科医が多いのです。

自分の知っている抗がん剤の中に有効なものがなければ、「医学の限界」として、「もはや治療法はない」といってさじを投げ、患者さんを緩和ケアにゆだねます。しかし、それは「医学の限界」ではなく、その医師の「知識・技術・治療ネットワークの限界」です。実際には他に治療法のある場合が多いのです。

実際、私ががん研有明病院で診療したがん患者さんのなかには、担当医から「余命数ヶ月」と宣告されたにもかかわらず、本書に書かれたような統合医療により、長期間元気に人生を楽しんでいる方が少なくありません。

こうした考え方は、以前に紹介した『このまま死んでる場合じゃない』の放医研の岡田直美医師にも通じるものです。

カイジ顆粒などは、もっとがん患者にしられてもよいものだと思うのですが。最後の瞑想療法は、私も勧めているのですが、本気で取り組む患者は稀ですね。効果があるのだけど。

膵臓がんに関してもいくつか触れられています。手元に置いておきたい推薦できる新刊です。

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2017年6月19日 (月)

父の日

昨日は父の日、がん10周年、69歳の誕生日と3つの祝を一度ですました。

娘からのお祝いは、一刻者の長期貯蔵・限定品。
これに「いきなりステーキ」でテイクアウトした4種類のステーキで夕食というか、料理が寂しいけど、家族の呑み会。

六代目百合と飲み比べたが、軽くて飲みやすい女性向けの酒かな。のど越しは良いし香りも良いが、私の好みはどちらかというと六代目百合だなぁ。

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何気ない平凡な時間の中に幸福があるのだろう。

後白河法皇が編纂させたといわれている『梁塵秘抄』に、

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん 
遊ぶ子供の聲きけば、我が身さへこそ動がるれ

の今様があります。人生の目的があるとすれば、それは金や地位や名誉ではなくて、「遊ぶ」こと。「遊ぶ」とは何か熱中できるもので、できれば他人の役にたつもの、役にたたなくてもいいけど。・・・じゃないかなぁ。

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2017年6月17日 (土)

今年のASCO

ASCOも終わって、国内でもぼちぼち関連報道が増えているが、免疫チェックポイント阻害剤も大騒ぎが終わり、後発の臨床試験が増えてきた様子。

極わずかな違い、1ヶ月延命できるかどうかを喧喧がくがくしているが、まぁ統計とはそんなもの。「極わずかの違いしかない時に、相手を説得する技法」なんだから。

製薬企業の販売促進には使えるだろうが、

で、がん患者はどうすれば死なないですむのか?には何も答えてくれない。

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2017年6月15日 (木)

10年目の検査結果

がん研での血液検査、造影CT検査の結果です。
結論は「異常なし」で、膵癌患者を「卒業」です。

先生 「もう卒業でいいでしょうが、どうしますか?」
私 「縁がなくなるのも寂しいし、年に1回血液検査をしていただき、生きていることを確認してください」
先生「分かりました。では来年の予約を入れておきましょう。気が変わったら来院しなくてもよいですよ」

先生「10年前の患者は10年生存は少なかったですが、今はどんどん生存率が伸びてきていますから、10年生存率も次第に高くなると思いますよ。あなたのころはGEMでしたが、TS-1に変わってから大きな変化が起きていますからね」
とのこと。

最近手術した患者は、さらに希望が持てると思いますよ。

血液検査結果です。

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基準値外がいくつかあるが、どれも極わずかに外れているだけです。HbA1cは、日本糖尿病学会と日本老年医学会が共同で発表した「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について」によれば、65歳以上の高齢者は、下限値6.5%を目標とすべしとなっています。がん研のシステムがこれに対応していないということでしょう。6.1%なら良すぎるくらいです。糖質制限食と運動、インスリンが効いているのでしょう。

GOTもわずかに高いが、これは毎晩焼酎を飲んでいるのだから致し方ない。止めるつもりもない。

血液検査からは、ほとんど健常者ですね。「あなたは膵臓がんをやったら健康体になったね」と地元の先生からは言われたことがあるが、この傾向を続けるよう努めましょう。

がん研も増築でタリーズのコーナーも移動して広くなっていました。

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CT検査のために朝食抜きだったので、サンドイッチと珈琲で遅い朝食。外のベンチは心地よい風が吹いていました。帰りには東京會舘の「會舘オムライス」を二つテイクアウトして、妻との昼食にしました。値上がりして1200円になっていた!

1984年 (まんがで読破 MD100) 来月は甲状腺がん経過観察の超音波検査があるが、これはまったく気にしていない。なにしろ、甲状腺がんで最も多い乳頭癌の場合なら10年生存率92%ですから、天寿の方が先にやって来る。

自公の共謀罪法案、強行採決は許せない。ジョージ・オーウェルの「1984年」が現実になるのではないか。この漫画、良くできていますよ。

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2017年6月12日 (月)

新しいサイトを構築してみたい

このブログも10年になる。そろそろ新しいサイトでも立ち上げてみようかなぁ。
頭がはっきりしていられるのは、せいぜいあと10年くらいだろうから、今のうちに新しいことにチャレンジしておきたい。

ということで、Wordpressを使って、ひな形をつくってみた。

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アメバやココログとちがって、一から自分の思いどおりになるのが気持ちいい。
タイトルもキャプションも思いつきで設定したものです。

で、何を書くか? いろいろとアイデアはあるが、じっくり取り組んでみる。

しかし、Wordpressはブログにも固定ページにも対応していて超使いやすいね。Dreamweaverやホームページビルダーなんか、取っつきが悪いし、融通がきかない。

このブログももちろん残して置くが、更新は少なくなりそう。

がん記念日

昨日は10回目の「がん記念日」
10年前のこの日に、超音波検査で膵臓がんの疑いを指摘されたのだった。

10年前のこの時期には既に紫陽花が満開だったのだが、今年はまだ多くは見かけない。

やはり地球温暖化の影響?

木曜にはがん研有明でCTと血液検査。ま、たぶん何もなくて「元患者」になるのか。自覚症状は何もないから大丈夫だとは思うが、いつまで経っても検査結果は気になる。

幸いがん研有明ではCTの結果は2時間後の分かるので、緊張するのも(ほとんど緊張しないが)短時間ですむ。

「元患者」でがん研と縁が切れるのも寂しいなぁ。年に1回の血液検査くらいは継続しようかと思っている。

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2017年6月11日 (日)

モーツァルトを聴きながら

長田弘の詩集にこんな詩があった。

モーツァルトを聴きながら

住むと習慣は、おなじ言葉をもっている。
住む(inhabit)とは、
日々を過ごすこと。日々を過ごすとは
習慣(habit)を生きること。
目ざめて、窓を開ける。南の空を眺める。
空の色に一日の天候のさきゆきを見る。
真新しい朝のインクの匂いがしなくなってから、
新聞に真実の匂いがなくなった。真実とは
世界のぬきさしならない切実さのことだ。
朝はクレイジー・サラダをじぶんでつくる。
ぱりっと音のする新鮮な野菜をちぎって、
オリーブ・オイルを振る。そして、
削りおろしたチーズを細かくふりかける。
時間にしばられることはのぞまないが、
オートマティックの腕時計が好きだ。
正直だからだ。身体を動かさなければ、
時は停まってしまう。ひとの一日を
たしかにするものは、ささやかなものだ。
それは、たとえば、晴れた日の
正午の光の、明るい澄んだ静けさであり、
こころ渇く午後の、一杯のおいしい水であり、
日暮れて、ゆっくりと濃くなってゆく闇である。
ゆたかさは、過剰とはちがう。パソコンを
インターネットに繋ぎ、モーツァルトを
二十四時間響かせているイタリアのラジオに繋ぐ。
「闘いながら拒絶すること、これが現代の
私たちが求めていることではなかったろうか?」
吉田秀和の、懐かしい言葉が胸に浮かぶ。
音楽は、無にはじまって、無に終わる。
いま、ここ、という時の充溢だけをのこして。

そう、朝はやっぱりモーツァルトだよね。バッハもいいが、ときにはうるさい。長田弘と同じように、私もインターネットラジオのRADIO CLASIC MORZARTやCALM RADIO MORZARTをよく流している。

”忖度”が誰でも読める漢字になってから、新聞に真実がなくなった、とは同じ思いだ。安倍や菅の国会を馬鹿にした答弁や、国民を無視した記者会見に悶々としていたら、先日の東京新聞の女性記者の追求に喝采を送りたくなった。

豊かさは過剰とはちがう。朝の清冽な光とモーツァルト、渇いたこころを潤す一杯の水があればいい。欲があれば万事休す。もっと欲しいの煩悩を捨てれば、心地よく生きられる。

「闘いながら、拒絶する」は政治や生活にも言えようが、がんとの闘いもそうである。がんとの戦いだというので、なんでもかんでも、医者のいいなりに受け入れてはいないか? 生きるために闘い、ときには生きるために拒絶することもなくてはならない。

生きるってなんだ? いま、ここ、この時間を、じぶんらしさで満たすことだ。

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2017年6月 8日 (木)

『がん患者のための・・・』第2版 更新できます。

『がん患者のためのインターネット活用術 第2版』が、購入者には無料でダウンロードできるようになりました。

amazon から連絡があり、

Kindle ダイレクト・パブリッシングをご利用いただきありがとうございます。
『がん患者のためのインターネット活用術 』(ASIN: B072C2HCLG ) の、

更新版配信についての審査が完了いたしましたのでご報告いたしま

す。

お客様の本の変更点を審査し、以下の対応を実施いたしました。

本の購入者は「コンテンツと端末の管理」ページ (www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/manage) で「アップデートがあります」をクリックすることで、

本のコンテンツを更新できます。(この改訂について Amazon から読者へのメールの通知を行いません。)

注: 「コンテンツと端末の管理」の「設定」タブで、「本の自動更新 (Whispersync for Books)」の設定が「オン」になっている購入者には、

新しいバージョンが自動で送信されます。

とのことです。
先日の記事での「メールでの更新依頼」は必要なくなりました。

今後ともよろしくお願いします。

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2017年6月 6日 (火)

ハイパーサーミアはダメ?

UMSオンコロジーの、だいぶ前の植松医師のブログです。ハイパーサーミア・ラジオ波焼却を行っている膵臓がん患者も多いので共有します。

しかし、私には正しいのかどうか分かりません。が、実際に多くの経験した患者を診た医者の意見として拝聴しておきます。

禁:ハイパーサーミア

基本的に哺乳類の体温は通常一定に保たれています。これは、豊富な血流によって維持されているのです。たとえ皮膚の表面をきっちり43度にしたところで、数ミリですぐに温度は下がります。1センチ下ならもう平熱です。もし皮膚から1センチ下を43度にしようとしたら、皮膚は火傷をしますが、皮膚から1.5センチ下は平熱です。要するに、人体と試験管は全く別物なのです。

(ラジオ波焼却は)ターゲットから少し離れた所にがん細胞が存在していると必ず再発します。ラジオ波焼灼術のあと再発した乳がんの患者さんを何人か放射線治療した経験がありますが、乳腺内の再発はなんとか押さえ込めても、その後、全員に臓器転移がでました。あまりに高率なので、ラジオ波焼灼では、がん細胞周囲の正常細胞がすべて破壊されてしまうため、血管やリンパ管が壊れ、転移しやすくなるのではないか、と推測しています。

人間は試験管やマウスとは違いますからね。しかし、ハイパーサーミアをやった後は気持ちが良いとの感想は多いですね。問題はがんに効果があるかどうかなんですが。

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川崎医科大 膵臓手術の新技法開発

難しい膵頭十二指腸切除術で、合併症を無くす画期的な手法を15年かけて考案。
山陽新聞 6月6日

川崎医科大の上野富雄教授(消化器外科学)が、難易度が高いとされる膵臓(すいぞう)の手術をより安全に行うための技法を開発し、同大付属病院(倉敷市松島)で取り組んでいる。自らが考案した補助器具を使って実現させた。他の臓器にも応用できる可能性があるという。

上野教授が考案した技法は、吻合の際、糸をつけた針が膵管の内外を繰り返し行き来する従来のやり方でなく、膵管を貫通することで内壁を傷付ける恐れをなくした。ピンセットの先端に樹脂を付けた補助器具を駆使して糸を操りながら、よりしっかりと小腸などに縫い合わせられ、膵液の漏れを防ぐことができる。

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こうした地道な努力と工夫が患者を救うのですね。

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膵癌診療ガイドラインがPDFで公開される

本日、日本膵臓学会のサイトに「膵がん診療ガイドライン 2016」が公開されています。日本膵臓学会の配慮に感謝します。もう少し早くして欲しいとは思うのですが。

金原出版から刊行されていますが、値が張るのでなかなか手が出せませんでした。こうした書籍はPDFなりKindleの無料配布でやってもらいたいですね。
こちらからダウンロードできます。

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ただ、「患者さん・ご家族・一般市民のための」と銘打っている「解説」の方はまだ古い版しか公開されていません。

日本膵臓学会に要望を出しておきました。

この「解説」には患者が疑問に思っていることに対する丁寧な解説が多く載っています。

例えば、

  • 手術例数の多い病院で治療を受ける利点とリスクについて
  • 膵がんに対する粒子線治療について
  • バイパス手術はどのようなときに行うのでしょうか
  • 化学療法はいつまで続けるのでしょうか
  • 骨転移に対する治療法について
  • 切除不能膵がんに対して免疫療法は推奨されるのでしょうか
  • 胃・十二指腸が閉塞したときの治療法について
  • 上部腹痛や背部痛が出てきたらどうすれば良いでしょうか

手元に置いて参考になる書籍です。

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Kindle本 第2版になりました。

『がん患者のためのインターネット活用術』が第2版になりました。

大きな変更はありませんが、金魚さんから指摘された目次の不具合を直したこと、その他小さな修正です。

購入した本の自動更新は、

  • Amazonにログインし、各ページ下段にある「コンテンツと端末の管理」で「設定」タブを選ぶ
  • 「本の自動更新」をオンにする(デフォルトではオフになっている)

で自動更新されるはずです。(更新は最大で48時間後になります

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端末側の設定は、Kindle for Windowsでは自動更新になっており、オフにはできません。

Kindle端末をお持ちの場合は、自動バックアップ機能を有効にします。

  • Kindle whitepaperなら「本のWhispersync」を有効にします(通常で有効になっている)
  • Kindle Fireなら
    端末の自動バックアップを有効にする方法:
         画面を最上部から下にスワイプし、設定をタップします。
        端末のオプション、バックアップと復元の順にタップします。
        端末のバックアップをオンに切り替えます。 1日1回、端末がスリープモードのときにWi-Fiに接続され、自動的にバックアップが実行されます。

稀には以上の方法で更新ができないことがあります。その場合は、次の方法を試してください。

  • Amazonのログインして、「カスタマーサービスに連絡」に行きます。
  • 「お問い合わせの種類」で「AmazonデバイスとKindle無料アプリ」を選択します

    20170606003

  • ①「どの端末についてお尋ねですか?」は何も選択せずに
  • ②「お問い合わせ内容を選択してください」で、「Kindle無料アプリ」を選択します。

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  • ③「お問い合わせ方法」では「Eメール」を選択します。
  • 「詳細を入力してください」に下記の通りに入力します。

更新版が出ているのでアップデートしてください。

本のタイトル:がん患者のためのインターネット活用術
ASIN: B072C2HCLG

以前このKindle本を購入しました。更新されているので最新版を再ダウンロードさせていただければと考えております。
新しいバージョンにアップデートすると、現在保存しているハイライト、ブックマーク、メモおよび読み終えた最後のページ番号が削除されることを、わたしは十分に理解しており、それらを了解したうえで最新版のダウンロードを申請します。

  • 「メール送信」ボタンをクリックします。

数時間後に返信メールがくれば、自動で最新版に更新されます。

 

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2017年6月 4日 (日)

第6回『すい臓がんカフェ』満席です。

第6回『すい臓がんカフェ』への申込み、ありがとうございました。

120名の枠があっという間に一杯になりました。多くのブログで「参加できた」「残念ながらできなかった。プラチナチケット並みか?」と書かれています。

もっとたくさんの患者さんに参加していただきたいのですが、会場の制約もあり、これが限界です。月に1回開催との声も承知していますが、会場の確保やマスターの仕事や治療上の制約もあり、なかなか難しいです。

地方でもこんなカフェがあればいいなと思います。どなたか音頭を取っていただけないでしょうかね。治療や膵癌特有の難しさもありますが。

次回のカフェでは私が講演をさせていただく予定です。ちょうど告知・手術後10年の節目になるので、これまでの闘病を振り返り、どのように考え、どのように治療や代替療法を取り入れてきたのか、治るために何をやってきたのかを語りたいと思います。

6月25日に大森でお会いしましょう。

2017年6月 2日 (金)

『すい臓がんカフェ』一次募集終わりました

本日の『すい臓がんカフェ』の一次募集は25分で満席になりました。

皆さんの熱い期待が伝わってまいります。

二次募集は6月4日(日) AM 8:00 から受けつけますが、入力の途中であっても、他の方によって定員に達した場合は受けつけずに終了となり、参加できません。

消防法で定められた定員一杯で募集しているためですので、ご了承ください。

入力項目も多いので、迅速に入力ができるように、下記の入力フォームを参考にして事前にご用意していただくようお願いいたします。

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2017年6月 1日 (木)

第6回『すい臓がんカフェ』を開店します。

満席となりました。お申し込みありがとうございました。

Kaiten

【日 時】2017年6月25日(日) 13:10~16:30 (開場12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分
       Luz大森 4階 入新井集会室
【参加費】300円
【定 員】120名
【講 演】木下義高『膵臓がんから10年、私はこう闘った
          ~治るための考え方とやったこと~』(仮題)

【交換会】患者さん同士の情報交換

※定員ぎりぎりで募集しますので、参加申込みのない方が当日直接来られても参加はお断りいたします。

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