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2017年8月 9日 (水)

がん免疫療法、週刊現代の記事について

週刊現代が、がん免疫療法の批判記事を第1弾、第2弾と出して話題になっていますね。

第1弾では、免疫細胞療法の最大手、瀬田クリニックグループがやり玉に挙がっています。しかし、週刊現代の2016年2/6号では、免疫チェックポイント阻害剤に関する特集記事の中で、滉志会瀬田クリニックグループ統括院長 後藤重則氏のコメントが掲載されています。

まぁ、売れればなんでもありの週刊誌(読賣にも登場しているが)ですから、深追いすることは止めておきます。

経済的に許されて、本人が効果を実感しているのなら続ければ良いでしょう。私はやらないけど、というのが私の考えです。命には替えられないと、家や財産を売り払ってでもやるべきだどうかは、本人の価値観で決めること。その際には実績やエビデンスをしっかりと見極めるように勧めます。

免疫細胞療法は高額ですが、抗がん剤のような重篤な副作用がないだけまだましです。標準治療と併用している方が多いのでしょうから、何が効いたのかは「分からない」ということになります。

第2弾では高濃度ビタミンC点滴療法も取りあげています。2度のノーベル賞を受賞したポーリング博士が提唱した治療法との触れ込みです。ライナス・ポーリング博士は量子陸学を化学に応用した功績でノーベル化学賞を、地上核実験に対する反対運動の業績で平和賞を受賞しています。1950年代に電気自動車の開発を手がけたという先駆性もある尊敬すべき方ですが、だからといってがん治療に業績があったわけではないのです。ポーリング博士は前立腺癌で亡くなっています。

カナダの研究グループによって、高用量ビタミンCを点滴投与した3人のがん患者が予想よりも長く生存していたことを確認し、第I相臨床試験を予定していると報道され、可能性は示している。これからの研究課題だろう。一方で高用量ビタミンCの点滴投与は腎不全や下痢などの副作用が確認されている。

巷のクリニックでは、高濃度ビタミンC点滴療法を、30gで1万円から3万円の範囲で治療している。ところでビタミンC(アスコルビン酸)注射液の薬価は86円程度ですから、ぼろ儲けですね。

こちらの日経バイオテクの記事「高額薬剤は単価の議論だけでよいのか?」で、1つの新薬が研究開発から臨床試験を経て承認されるまでに、

開発効率のよいスイスNovartis社でも1つの新薬の承認を得るのに50億ドル、米AbbVie社では310億ドル掛かっていた計算になるそうです。

と書かれています。

ざっと5500億円から3兆4000億円ですよ! オリンピックが開催できる金額です。

結局弱小製薬企業では新薬の開発・承認は望めないし、巷のクリニックではぜんぜん手に負えません。ビッグファーマーでも、患者の少ない希少がんの薬は開発したがらないのも当然です。

代替医療には「エビデンスがない」は一件まともな批判ですが、仮に効果がありそうな薬剤でも、二重盲検法による臨床試験なんてできるはずがないのです。

本当にエビデンス史上主義者の「エビデンスがない治療は人体実験だ」は、「どうせ臨床試験などできっこないだろう」との思いで言っているんでしょうな。

今回の週刊現代の記事はまともだし評価できますよ。じゃあ、標準治療で効果がない患者、効く抗がん剤が尽きたがん患者はどうすれば良い? 「緩和も治療です」と腫瘍内科医は言うが、それで納得できる患者はどれだけいる?

がんセンターで「あとは緩和です」と言われて、諦めきれずに〇〇クリニックに行ったら、がんセンターの偉い先生方がたくさん顧問などになっているなんて、喜劇ですか、怪談ですか?


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コメント

やすさん。
・高濃度ビタミンC
・丸山ワクチン
ご自身が信じることをやるしかないですよね。命で責任を取るのは医者ではなく患者ですから。

標準治療が先月終わりました
治療中は副作用にめげずに頑張るんだ!!と踏ん張ってきましたが、終わりですよの一言で今までの緊張感がどっかに行ってしまった
多いときには毎週通院で忙しかったんですが、今は行かなくていいので楽は楽ですが

癌難民になってしまったら何をやろうかと考えていたことを実践するしかないですね

・高濃度ビタミンC
・丸山ワクチン

この二つを考えていました
高濃度ビタミンCの点滴治療だと結構な金額します
それでもいいと思っていたのですが、リポソーム加工されたビタミンCもかなりいいらしいので今は、それを試しています 
通常は一日一包のところを6倍にして6包で挑戦中です

お盆あけたら丸山ワクチンに関しても行動開始する考えです
注射打ってくれる病院探しとか、、、、etc

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