がん一般

2017年11月12日 (日)

日本でも「光免疫療法」の治験が始まる-がん撲滅サミットに参加して

昨日の朝日新聞に、

がん治療の光免疫療法、国内でも治験へ 米で実績』の記事では

光を当ててがん細胞を壊す新たながん免疫療法の安全性を患者で確かめる臨床試験(治験)が、国内でも年内開始を目指して準備されていることがわかった。開発した米国立保健研究所(NIH)の小林久隆主任研究員が11日、朝日新聞の取材に答えた。

日本では、米国で治験を実施する企業の日本法人が頭頸部がんの患者を対象に、年内の治験開始を目指している。
小林さんは取材に、「光免疫療法はがんが再発した人も希望が持てる方法。がんに打ちかつ治療として普及させたい」と話した。

と書かれていました。

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本日の『第3回がん撲滅サミット』には小林久隆氏も出席され、参加者から質問攻めに遭っていましたが、国立がん研究センター中東病院 院長の大津敦医師が「光免疫療法の治験を来春3月頃に始めます」と断言していました。

朝日新聞の「年内に」とは少しズレていますが、一日も早い開始を望みたいものです。

小林氏の講演内容は良かったですね。ただ、このブログの過去の記事や『がん光免疫療法の登場』を読んでいる方にとっては、新しい内容はなかった気がします。

今日のがん撲滅サミットについては、いろいろと書きたいこともありますが、いずれということで。

  1. 今日の一冊(79)『がん光免疫療法の登場』
    光免疫療法は、以前のブログ「光免疫療法(近赤外線免疫療法)の動画」でも触れていまが、今後のがん治療に大きな期待の持てる技術です。毎日新聞社の医療記事に多く関わってきた...
  2. 光免疫療法(近赤外線免疫療法)の動画
    光免疫療法について。米国国立がん研究所(NCI)が制作した動画に、JAMT(一般社団法人 日
  3. 近赤外線免疫療法
    ネットで近赤外線を用いてがん細胞を特異的に攻撃する新しい研究の話題が話題です。アメリカ国立が

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2017年11月10日 (金)

抗がん剤による「心毒性」

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抗がん剤による心毒性

日経メディカルのこの記事、ちょっと気になりますね。

癌患者・サバイバーを抗癌剤の心毒性から守れ

癌患者の延命率を飛躍的に向上させた分子標的薬だが、心不全や高血圧、血栓症といった多様な心血管毒性が指摘されている。また、抗癌剤治療を受けた患者の心血管リスクは、治療後20~30年たっても残存するという。

分子標的薬などの最近の抗がん剤によって、5年生存率も良くなり、サバイバーが増えてきたのですが、生涯にわたって心血管リスクが残るというのは、心配です。

とくに膵臓がん患者の場合は、血糖値の変動も大きくなりがちなので、心血管イベントが生じやすいからなおさらです。でも、20年後の心筋梗塞や脳卒中を心配するよりは、5年後に生存しているかどうかが喫緊の問題ですね。

20~30年後の心配などしている余裕はない。何を贅沢なという声が聞こえてきそうです。

この記事にも書かれていますが、がん研有明病院では以前から、循環器内科で心電図や心エコー図検査を含めた循環器系の精査を行っています。

10年前の手術でも、循環器内科の受診を求められたのですが、私の場合、当時不整脈があったので、内科医の先生が2度も検査を行いました。

「もしかしたら手術ができない」と言われはしないかとひやひやしたものでした。

不整脈は心室性期外収縮というタイプで、外科の先生が「手術可能」と仰ってくれたので助かりました。

後日談です。主治医の齋浦先生から「あなたの不整脈は心因性かも。お腹にメスを当てると不整脈がピタッと止まったよ」と笑いながら仰いました。全身麻酔の状態でも皮膚感覚や聴覚は残っているのでしょうか。

同時は繊細な神経の持ち主だったのですよ。膵臓がんをやったら図太くなりましたね。「生きているだけで丸儲け。いやな奴に何か言われたって、100年後にはあいつも生きていないのだから。年収何億円、資産が何兆円と言われたって、あの世にまで持って行けやしないのに、かわいそうな奴だ」と思っていれば良いのです。

彼らには『老子道徳教』を加島祥造が意訳した現代詩を贈ろう。

    君はとっちが大切かね?-
    地位や評判かね
    それとも自分の身体かね?
    収入や財産を守るためには
    自分の身体をこわしてもかまわないかね?
    何をとるのが得で
    何を失うのが損か、本当に
    よく考えたことがあるかね。
    名声やお金にこだわりすぎたら
    もっとずっと大切なものを失う。
    物を無理して蓄めこんだりしたら、
    とても大きなものを亡くすんだよ。
    なにを失い、なにを亡くすかだって?
    静けさと平和さ。
    このふたつを得るには、
    いま自分の持つものに満足することさ。
    人になにかを求めないで、これで
    まあ充分だと思う人は
    ゆったり世の中を眺めて、
    自分の人生を
    長く保ってゆけるのさ。
   (老子道徳経第四四章 足るを知れば辱しめられず、
      止まるを知れば殆うからず)

患者としたらどうすれば良いか。

がんを育てない、再発させない生活、バランスの良い食事と適度な運動、ストレスを溜めないなどの「がんに効く生活」は、心血管リスクを予防することにもなります。

定期的に検査を受けて、がんにも心血管イベントにも対抗できる体を作りましょう。

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2017年11月 6日 (月)

今日の一冊(85)『日米がん格差』

しばらく「積ん読」だったものをやっと読了することができました。

本書は米スタンフォード大学で医療政策部を設立し、医療ベンチマーク分析の第一人者として知られる医療経済学者・アキよしかわ氏が、医療ビッグデータに基づいて日米の医療を比較し、日米の「がん治療」を巡るさまざまな問題を考察している。また、日本の多くの病院の経営改善を指導して実績を上げている著者でもある。

「医療ベンチマーク」とは聞き慣れない言葉だが、「入院患者の平均在院日数」や「術後感染症の発症割合」「再入院・再手術の有無」などをアウトカムとして、他病院と比較してその病院の現状を分析する手法だと言えます。

この手法を使って日米の病院の「質のばらつき」を調査した結果、日本の病院は「ばらつき」が大きいことが分かったのです。

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「変動係数」とは

変動係数(Coefficient of Variation)は、標準偏差を平均値で割った値のことで、単位の異なるデータのばらつきや、平均値に対するデータとばらつきの関係を相対的に評価する際に用いる単位を持たない(=無次元の)数値です。「相対標準偏差」とも呼ばれます。

ざっくり言えば、ばらつきの程度を表した指標です。ですから、左に位置していることが「医療の質が悪い」ことにはなりません。あくまでもばらつきの大小です。

これをみると、医療費は日本がばらつきが小さい。国民皆保険制度があるのだから当然ですね。アメリカは同じ医療でも高額な病院があればそうでない病院もある。

それ以外のは指標は、例えば膵臓切除(Panc)をみても、術後の死亡率、合併症、救命の失敗、どれも日本の病院はばらつくが大きい。

われわれの実感としてもそうですね。膵臓がんの手術をどこでするかも「当たり外れが多い」というのが実感です。

アキ氏によると、アメリカの病院は、

(アメリカの)多くの学会では病院のガイドライン遵守率を調査し、公表しています。その結果、アメリカの患者は等しく最新の標準治療を受けることができるようになっているのです。一方で、日本にも専門分野ごとの学会があり、それぞれの学会で診療ガイドラインを出しています。しかし、それが遵守されているかといえば、遵守率の調査は行われておらず、結果も公表されていないためわかりません。日本では、病院のやり方、医師個人の判断や経験に左右され、ガイドラインが遵守徹底されているとはいいがたい現実があるのです。

キャンサーナビゲーション

アキ氏は、日本にも「キャンサーナビゲーション」制度が必要であると説きます。

これは現在、アメリカの医療現場で注目されているがん患者支援サービスのひとつです。ひと言でいうと、がんの闘病生活に必要な知識を有する専門家が、がん患者一人ひとりを個別にサポートする仕組みです。たとえば、低所得者層のがん患者が金銭的な問題から治療の継続を断念していた場合、キャンサーナビゲーションの担い手である「キャンサーナビゲーター(Cancer Navigator)」は患者の自宅を訪れてヒアリングし、本当に治療が困難か検討します。そのうえで、必要であれば医療の専門家、財務アドバイザー、地域の支援団体への橋渡しを行う――というようなサポートを行います。

ピア・サポーターや、実質的に機能しているとは言いがたい「がん相談支援センター」とは考え方そのものが異なっています。「がん相談支援センター」は患者が足を運ばなければ相談に応じてくれませんが、キャンサーナビゲーターは、患者一人ひとりに必ず付けることが義務づけられているのです。

日本では日本癌治療学会が行っている「認定がんナビゲーター制度」がキャンサーナビゲーターに近いもので、一般人でも参加することができるようです。

アキ氏は、大腸に腫瘍か見つかり(ステージ3b)、がん研有明病院で手術をするのですが、その入院中も「医療経済学者」の目でチェックをしています。そして、変動係数だけではない日本の病院の質の良さ、特に看護師の働きぶりと気遣いに対して、「外から見ていたときと患者になってからの視線からの違い」に気づくのでした。

病院スコープβ版

アキ氏らが運営する、患者が病院の「医療ベンチマーク」をチェックできるサイトを紹介されています。「病院スコープ β版」です。

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手術をするなら「症例数」の多い病院を選ぶことが鉄則ですね。「地域を見る」で東京都を例にすると、「がん研有明病院」が抜きんでています。その他の指標も参考になります。

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キャンサーナビゲーターは、がん拠点病院で研修を受けるが、治療法を提案したりすることはなく、あくまで患者自身を支えることに徹する。
だから、身につける知識は、患者やその家族を「誘導」しないという、支援者ならではの「話法」や「表現」から、心の悩みに対する向き合い方、さらには怪しい治療法などの情報が溢れかえるネット上での「信頼できるサイト」の見極め方など多岐にわたる。

「キャンサーナビゲーター」、日本でも欲しいですね。

病院間のばらつきは分かっても、病院内での「医師のばらつき」もありますね。こちらは「運次第」とも言えるし、患者同志の情報網を頼るか、これしかないですかね。

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2017年11月 4日 (土)

「がんを生きよう」を再開-久留米大学がんワクチンセンター

休止していた、久留米大学がんワクチンセンターの「がんを生きよう」が再開されます。

今回は、再発予防もしくは再増大防止のために個別化ペプチドワクチンを受けられた方々を取り挙げます。 身体の中にがん細胞が少なければ少ないほど、がんワクチン療法の効果は期待できます。逆に、がん細胞が多ければ多いほど効果は限定的と判断されます。更に重要なことは身体の中にがん細胞が少ない状態であれば多くの方々では抗がん剤併用を必要としません。

抗がん剤を併用しない場合には副作用としての免疫抑制がないために、ワクチン効果がより速く、より強く出現し、そしてより長く持続することが期待できます。

身体の中にがん細胞が少ない病態としては、まず①手術や抗がん治療(標準治療)をうけてレントゲン診断やPET診断などで「がん」として認められない時期があげられます。その様な方ががんワクチンセンターを再発予防のために受診される事は稀です。次に身体の中にがん細胞が少ない病態としては②標準治療をうけた後レントゲン診断やPET診断などで「がん」としては認められる病変部位が残っているものの増大傾向がストップした時期があげられます。

期待しています。また、

◆ 標準治療中もしくは標準治療抵抗性悪性腫瘍患者さん(前立腺がん、尿路上皮がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんの9種)を対象とした新しい臨床試験を開始しました。

これら9種のがんは今までに多くの方に投与させていただいたがん種です。少しでも皆様のお役に立てるよう、今までのデータを元にワクチンの選び方に工夫をしました。そこで、本試験でのワクチンの選び方が今までの試験と比べ本当に効果が出るかを検証させていただきます。

とのことです。

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2017年10月31日 (火)

百万回の永訣 再放送

いまNHK-BSで、『ハイビジョン特集 百万回の永訣 柳原和子 がんを生き抜く(初回放送:2006年)』を放映しています。

ガン宣告から奇跡的な回復を果たしたものの、その後再発、2008年死去したノンフィクション作家の問いかけとは…。

再放送が、11月1日(水)0:30~ ですね。

柳原和子さんを知らない方も多いかもしれませんね。番組も11年前のものです。

このブログでは、

  1. 治らなくても「敗北」ではない
    ことだけに費やしてしまわないでしょうか。柳原和子さんも、治らなければ「敗北」という風潮があるのはおかしい、と言っていました。柳原和子さんは、腫瘍が奇跡的に消失...
  2. 「低用量化学療法」は『偽善の医療』か?
    が多いというのは分かる。『がん患者学』の柳原和子も「いい加減にドクターショッピングは止めておけ!」と言われたと書いているが、自己決定のための積極的な情報収集と...
  3. 「百万回の永訣」を見て
    れによると、2008年3月2日に永眠した柳原和子さんの最後は、「あぁ。木に出会いたい。海に出会いたい。光を浴びたい。自然を取り戻したい。贅沢な希望」  2月初...
  4. 『あなたの癌は、がんもどき』近藤誠
    う主張には、納得しがたいものがあります。柳原和子さんも『がん患者学』で、近藤氏と親密に付き合いながらも彼の理論に納得したり反発したりと揺れ動いている心情を正直...

等で紹介しています。

彼女の著書は、

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2017年10月22日 (日)

今日の一冊(83)『がん治療革命の衝撃』

昨年11月の放送されて大きな反響をよんだNHKスペシャル「“がん治療革命”が始まった ~プレシジョン・メディシンの衝撃~」の内容に、2017年7月現在での最新情報を付け加えて出版されたものです。

がん治療は、これまでの臓器ごとに抗がん剤を開発し、臨床試験をしてエビデンスを確立して治療する、そうした流れが大きく変わろうとしています。

遺伝子の変異箇所を見つけて、それに効果がある分子標的薬を投与することによって劇的に腫瘍が縮小して、延命効果を得ることができる時代が到来しようとしています。

分子標的薬は、従来の抗がん剤に比べて副作用が少ないという利点があり、さらに、遺伝子変異のタイプが分かっているので、使う前に効果があるかどうかがある程度分かるのです。患者にとっては大きなメリットです。

遺伝子検査の結果、遺伝子の変異が見つかっても、それに効果が証明された分子標的薬がなければ治療ができません。あっても日本で承認されていなければだめだし、特定の臓器ごとの承認制度ですから、別の臓器への適用はできず、全額自費になります。

確かにすばらしい治療法ですが、恩恵を受けることのできる患者は少ないでしょう。

また、分子標的薬もいずれ耐性ができて効かなくなります。耐性ができるとは、腫瘍に別の遺伝子変異が現れてくるということです。それじゃあと、別の薬を使うためには、また遺伝子変異を調べなければならない。臓器を採取することは患者の負担になるから、血液から簡便に遺伝子変異を調べる「リキッドバイオプシー」が必要になり、開発されています。

やはり抗がん剤は延命効果と症状の緩和をめざす治療には変わりがないのです。

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2017年10月19日 (木)

がんサバイバーが本の出版でクラウドファンディング募集

若年性がんのサバイバーである、かえるさんが、クラウドファンディングで本の出版を計画しています。

そもそも何で本にしたいか??って!!
それはこんな希少癌で日本で今まで12人の人しか発症した人がいないと言われてるので、もし自分が死ぬ時が来たら過去にこんな闘病して生きてる人居ましたよ!!って残したい。

かえるさんのブログ「がんサバイバー! ステージⅣ 若年性癌のブログ

かえるさんの闘病経験を絵本として出版されるようです。目標は65万円。

私は金もないし、クラウドファンディングも面倒だからとKindleで自主出版したのですが、これなら費用はゼロ。しかし、絵本ではKindleは向かないかもしれないですね。

がん患者のためのインターネット活用術 2017年 第2版: 私はこれで膵臓がんを克服した あっ、そうだ、ついでの私の本も宣伝しておきます。最近はほとんど売れていませんが・・・。

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2017年10月14日 (土)

プラセボのない臨床試験 来年から

がん患者が臨床試験に参加する際に、一番気になるのが新薬の投与群に割り振られるのか、それとも偽薬群になるのかです。

第三相試験に多いランダム化比較試験の場合、患者も医師もどちらに振り分けられたのか分かりません。

せっかく新薬に最後の望みを託したとしても、プラセボ(偽薬)に当たるとめげてしまします(といっても最後まで分からないのですが)

ヨミドクターの記事によると、既存の患者のデータをプラセボ群に置き換えて、臨床試験に参加する患者には全て新薬を投与する仕組みを、厚生労働省が2018年度から始めることを検討しているようです。

これなら患者は新薬の恩恵を受けることができ、臨床試験に参加するがん患者も増えることでしょう。

製薬会社にとっても集める患者が半分ですみ、開発機関の費用も抑えることができます。臨床試験実施への敷居が低くなります。

希少がんも対象になるとのことですが、膵臓がんもその中に入ることを期待します。

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2017年10月12日 (木)

がんで死ぬのも悪くはない

この記事、すい臓がんが見つかって手術を待っている時期のものです。ずっと考えは変わりませんでした。悟りとまではいかなくても、自分なりの死生観を持っていることが、がんとの戦いにも有利な気がします。


いまや日本人の男性なら2人に一人、女性は3人に一人はがんで死ぬといいます。 がん治療が進歩しているにもかかわらず、がんで死ぬ割合が増えているのは、他の病気で死ぬことが減少して結果的に寿命が延びていることが主な原因でしょう。

私のように、同じ人間が二度もがんになる例は、昔なら医学誌に症例として紹介されるほど希なことだったのですが、最近では珍しくありません。つまりがんは治る病気になってきたので、最初のがんが治った人が何年後かに別のがんになるということになるのです。

人の寿命はせいぜい百年です。いずれは死ぬーー人生において唯一これだけは確かなことですが、さて、私ならどんな方法で死ぬことを選ぶだろうかと考えてみたこともあります。

交通事故は嫌ですね。二十歳のころに交通事故で九死に一生を得た経験がありますし、弟もバイク事故で亡くしていますが、突然死ぬんですから、これは嫌です。

自殺-中高年の自殺は経済的理由、リストラなどが主な原因でしょう。これは社会的な殺人と言ってもよいものです。儲けと効率一辺倒のこの日本がどうして「美しい国」なんかであるものでしょうか。自殺という名の”殺人”で死ぬこともお断りです。

長生きして老衰で眠るように死ぬのが一番だという考えも多いようです。ぽっくりと死ぬことを望む心境はよくわかります。苦しまないし、家族に介護の 負担をかけずにすみます。義父が93歳で他界しましたが、在宅介護をしていた期間は本当に大変で、ついつい心の隅では早く死んでくれることを望んでいる自分 を見つけて嫌な気持ちになりました。しかしぽっくりと死ぬ幸運はめったにあるものではありません。がんになった家族に対して「早く死んでほしい」という気持ちになることも少ないはずです。

と考えてみると、人は何かで死ぬことが避けられないのなら、がんで死ぬことはそんなに悪い「何か」ではないような気がします。

何よりも余命がわかっていればある程度の準備をすることができます。悪質な介護業者に当たる不安など考えずに病院で最後まで面倒を見てもらえます。 がんは伝染病ではないですから、周囲や家族に伝染するのではないかと心配する必要もありません。最近は緩和治療も進んでいますから、昔のように末期がんでひどい痛みに苦しむということもなくなってきたようです。

所詮は「自殺」以外は、何で死ぬかを選択することはできないのですが、少なくともがんを何か特別なことのように考えないで、人の死因のひとつに過ぎないと考えて、がんだとわかったら最善を尽くすこと、これもひとつの生き方でしょう。

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2017年10月 5日 (木)

がん研有明のプレシジョン医療がすごい!

Scrum-Japanなどのプレシジョン検査が話題ですが、検査の結果対象となる患者は10%程度にとどまるようです。

オンコロにプレシジョン医療の集中連載が乗っていますが、最新記事で紹介されている、がん研有明のプレシジョン検査がすごいですね。

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次世代シーケンスによるエクソーム解析とリキッドバイオプシーの併用、将来的にはAI(人工知能)によるビッグデータを参照しての情報提供などなど、顧問の中村佑介教授の音頭なのでしょう。

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費用は研究費でまかなうので患者の負担は数万円になりそうです。こちらに北海道がんセンターのがん遺伝子パネル検査の費用が載っていますが、65万円です。

野田先生 がん研有明病院も、SCRUM-Japanの参加施設であり、SCRUM-Japanの対象になるものは、そちらで実施します。ただ、SCRUM-Japanやいくつかの大学病院などで、現在、実施されているプレシジョン診断は、主にドライバー遺伝子をターゲットにした分子標的薬治療を想定しており、実際に新規の治療や治験の対象になる患者さんは、がん患者全体の10%程度に過ぎません。われわれの研究は、もっとプレシジョン医療の対象になる患者さんの割合を増やせる方向で進めたいと考えていますし、前向きに治療の選択肢を増やして、プレシジョン医療の活用によって、生存期間が延びたりがんと共存できたりする患者さんを、もっともっと増やせればと考えています。

SCRUM-Japanはがんのドライバー遺伝子を対象としているから、遺伝子異常の見つかる確率が低いのかもしれません。(※ドライバー遺伝子:細胞のがん化に直接の関わりを持つ遺伝子、がん細胞の生存に欠かせない遺伝子である)

2018年中には指導するそうですから楽しみです。そういえば、昨年あたりからがん研は新しい病棟を建てていましたね。こうした事情もあるのでしょう。

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