趣味

2016年1月 5日 (火)

有田焼の焼酎カップ

年末に有田焼の窯変金彩焼酎カップを購入しました。定価10800円のが3500円だというので、お買い得なのかな? 陶器は正直よくわかりません。しかし、手に取ってみると風合いも手触りも気に入りました。

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有田焼陶器・窯変金彩焼酎カップ■作者の藤井錦彩(ふじい きんさい)は1976年、日本磁器発祥の地、佐賀県有田町に生まれる。陶芸の道を志、有田焼の人間国宝・井上萬二氏や現代の名工・川原留雄氏・金武自然氏 など各界の第一人者に師事する。手造り・手描きの心を大切にし、有田焼の伝統に現代感覚を調和させた美意識と感性の世界を造り独自の作風を切り拓いています、各展覧会では栄えある賞を数多く受賞し、作品は著名美術館にも収蔵されています。また、全国各地の美術館や百貨店で個展が開催され美術愛好家がつめかけています。有田焼の長い歴史と伝統に裏打ちされた技術で手ロクロを回し、研ぎ澄まされた技でいっさいの妥協を排して製作された本作品は、日本の伝統工芸の素晴らしさを実感できる珠玉の逸品です。土の伸び味・口当たり・手触り・使いやすさにこだわり、使う人の身になった「用の美」をテーマに手造り、手描きの心を伝えたい・・・。こんな想いで陶器カップが誕生しました。実際に手にしてみると、手に しっくりと納まり実に使い心地の良いカップになっております。また、お祝いの品としても大変喜ばれ、贈る場面を選ばず、贈答品、法人 ギフト、などの記念品としても最適で、世界の各国主賓への贈呈品としても重宝されている逸品です。
焼成中に発色する窯変(ようへん)の色は、絵具とは違い重厚で深い味わいが特徴です。釉調(釉薬の流れ・変色)の変化がでていて「偶然の美」が楽しめる作品です。窯のごきげんで発色し、焼成温度や湿度など微妙な変化で発色が変わり同じ物は二度と出来ない一品物です。窯変の磁肌の上に独自の技法で艶消しの金を施しています。有田焼の伝統に現代感覚を融合させた贅沢な作品です。

同じものは二度とできない、ってのがいいですね。

このカップで飲むのは「六代目百合」の25度。

ラベルには李白の漢詩「将進酒」の一部がデザインされている。

人生得意須尽歡  人生意を得れば すべからく歓を尽くすべし

古來聖賢皆寂寞 古来 聖賢は皆寂寞(せきばく)

惟有飮者留其名  惟(た)だ飮者のみ 其の名を留むる有り

呼兒將出換美酒  児を呼び将き出だして美酒に換えしめ

與爾同銷萬古愁  なんじとともに銷(け)さん 万古の愁いを

塩田酒造六代目百合25度 1.8L

塩田酒造六代目百合25度 1.8L
価格:2,354円(税込、送料別)

 

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2014年2月12日 (水)

半額でタイヤ交換できた!

昨年の愛車の車検のとき、「タイヤがひび割れしてますよ」と言われた。なるほど4本のタイヤともに全周にひび割れが生じていた。気にはなっていたが町中を走る分にはまだ大丈夫だろうと、高を括ってそのままにしておいた。先日ガソリンスタンドで同じことを言われたので、さすがにこれはやばいという気になった。

高速道路での私の巡航速度は120km/hだから、バーストしたら命はない。がんで死なずにタイヤのバーストで成仏では諦めがつかない。6年目に入っているのでこれはタイヤの寿命だろう。ということで、タイヤの方に成仏して貰うことにした。タイヤは生ものだ。

エネオスで見積もりを取ったら、工賃込みで136,000円だという。17インチならそんなものか。ブリジストンのタイヤ館では、新商品が今なら値引きで124,000円。高いなぁ。

ネットオークションでインチアップした車からの”新車外しタイヤ”が46,000円で出ていた。送料は4,000円。先ずは町のパンク修理専門のタイヤ屋に行って、持ち込みで交換してくれるか尋ねてみたら、大歓迎だという。早速ネットで落札した商品は今朝届いた。

ミシュランのLATITUDE TOUR HP 225/65R17 102H 2013年製。ほとんど新品。ディーラーから納車までの距離しか走っていない感じです。1本の小売価格:27,340円の商品です。
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○○タイヤ商会さんで2時間で交換終了。ご覧の通り、店先の道路が作業場という小さな店ですが、この道一筋に40年だそうです。仕事は非常に丁寧でした。気に入らないからと、1本のタイヤバランスもやり直してくれました。ガススタではバランサーの交換などしないことが多いです。チューブレスタイヤではホイールに装着しているバルブも劣化していることが多いのですが、これもガススタでは交換しないことがあります。チェックもしないかも。

○○タイヤ商会さんは、バランスも念入りにチェック、バルブも全て新品と交換してくれました。プロの仕事は見ていても気持ちがいいです。
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「このタイヤは、少しの雪なら走行できますよ。先日の大雪は無理だけど」とのこと。工賃と古タイヤの廃棄料で14,000円也。費用は合計で64,000円、半額で新品タイヤに交換できました。ヨーロッパのタイヤは初めてだ。

ガススタは高い上に、作業はシロートに毛が生えたようなアルバイト。こっちは40年のベテランで仕事は丁寧で確実、これで安心して高速道路をすっ飛ばせます。(もう老人で反射神経も鈍っているんだから、いつまでも若いつもりで飛ばさないで! という妻の苦言をいつも貰っています。m(_ _)m   )

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2011年1月12日 (水)

ウルフキラーを付けてみた

私のチェロ、ゴフリラーも購入して1年になるので、ずいぶんと音がこなれてきた感じがする。響きが良くなり鳴るようになった。そのためなのか、ウルフトーンが以前にも増して出るようになった。G線のE、F、F#で唸るような、まさにオオカミの遠吠えのような振動が出る。D線のF付近でも出るが、こちらはそれほど気にならない。やはりウルフキラーが必要かなとネットで検索したら、これは良いかもというものに出会った。

P1010483 長谷川陽子さんが、ご自身で使ってみてお勧めだとブログで紹介している。一般に出回っているウルフキラーはゴムを使ってあるため、ウルフトーンは抑えられても音が変わってしまうので、長谷川さんは使わないできたが、このウルフキラーは音の変化が少ないのだという。彼女のチェロもゴフリラーであるので、これはいいかもしれない。品物は大阪にある見附精機工業(株)が作っている金属削り出しの手作り品、ピュア・ブリランテ。3000円とまあまあの値段か。早速注文したら丁寧にも速達便で送っていただいた。

溝がS字状に掘ってあり、構造はシンプルで他のウルフキラーのようにねじもなければゴムも使っていないで、溝に弦をねじ込んで取り付けるようになっている。早速G線に取り付けて最適な位置を探してみる。私のチェロでは駒に近い位置でもっとも効果があることが分かった。チェロによって最適な位置は違うらしい。
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効果のほどは、完全に消えるというわけではないが、弓の当て方を加減すれば気にならない程度にはなるようだ。

チェロのウルフトーンを物理学的に解析している「チェロの力学」という面白いサイトを見つけた。手作り楽器工房ミネハラが開いているサイトで、ウルフキラーを振動解析して原理的に説明している。機械工学で、振動が起きては困る場合に、ダイナミックダンパーという減衰装置を使う。この原理を簡単に言うと、振動を止めたい周波数に共振する振動系(振動しやすい部分)を敢えて付けると、その振動が止まってくれるというものである。この原理(仮説)からウルフトーンの発生メカニズムを推定すれば、次のようになる。

チェロを弾く時の振動数(演奏している音程)が、チェロの裏板の特に振動し易い部分の固有振動数に合ってしまう場合(Eの165Hz~F#184Hz)には、裏板の振動による反力が表板の振動を打ち消すように作用してしまう。これはつまりダイナミックダンパーが架かってしまうということであり、その結果かすれた音になってしまう。これがウルフトーンである。

ウルフトーンを消すためには、駒とテールペース、その間の弦、弦に取り付けたウルフキラーをひとつの振動系と考えて、この振動系の固有振動数がウルフトーンの振動数になっていればよい。

ウルフキラーはウルフの出ている音が駒の振動を殺してしまうことに対して、駒の振動にウルフキラーの振動を加算して、駒の振動を助けてやるもの。したがって、ウルフキラー としては、できる限り軽くて短いものがよい。

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0180000000052 ということは、ピュア・ブリランテは15gと結構な重さがあるが、上の仮説が妥当だとすると重すぎるのではないかとの疑問が生じる。それでもうひとつのウルフキラー(ウルフ・エルミネーター)を試してみることにしたが、こちらはまだ到着していない。4g程度の軽さなので期待できるかもしれない。

とまあ、このように物理学を使って原理的に説明してくれますが、どの位置に取り付けるのがよいのかは、実際に試行錯誤しながら、ウルフトーンのもっとも小さくなる位置を探す方が合理的です。ウルフトーンが出るチェロは良く鳴るチェロであり、良い楽器である、ある程度はしようがないということらしいです。

あれこれと考えていると”ウルフ・シンドローム”になりそうな気もする。

 

2010年8月 9日 (月)

35年目の別れ

35年間つきあった相手と別れました。妻と同じくらい長い付き合いでした。と、脅かすような書き出しですが、タンノイのスピーカを処分したのです。

タンノイのスピーカー Berkeley。買った当時は私もまだ20代の青年でした。私のクラシック音楽生活を、いつもどっしりと支えてくれた存在でした。当時、これもクラシック好きの同級生にピアノ協奏曲を聴かせたら、「こんな生のピアノらしい音のするステレオは聴いたことがない」と呆れていたものです。

買った当時は、昭和46年のスミソニアン協定で一ドル308円に切り下げられてあと、昭和53年の1ドル200円を切るまでの間ですから、250円くらいの相場だったのでしょう。なにしろ2台のスピーカーで50万円という価格でした。当時私のような青二才の月給は10万円に満たなかったはずです。もちろん私なんぞに買える金額ではない。事情があって弟が所有していたものを譲ってもらったという次第でした。

P1010161 良くも悪くも人生を共に歩んできたスピーカーです。愛着があります。さすがにエッジが破れて低音がぼこぼこと言い出し、ここ10年くらいは音出しをしたことがありませんでした。それでも捨てるに忍びなくいつかは修理をして、と考えていました。さすがは大英帝国。日本製とは違います。今でも修理ができるのです。2台のエッジ交換費用は4~5万円くらいだと電話で確認しました。しかし部屋も狭いし、このスピーカーの性能を十分に出し切ろうとしたら300ワットのアンプが必要です。(アンプはまだ現役で動作しているが)それと、処分しないとこれ以上本を購入しても置くスペースがないというジレンマに陥ったことです。

Yahooのオークションにジャンク品扱いで出品したら、40人くらいの方が入札に参加してくれました。おかげで結構な価格で落札されました。まだまだこのスピーカーの人気は衰えていないのですね。びっくりしました。

日本とヨーロッパの文化の違いを考えさせられます。中野孝次が「古都再訪」というエッセイで書いていることですが、第二次大戦の空襲で街全体が大きな被害を受けたドイツの都市、ニュルンベルクやドレスデン、中世の面影を残した田舎町のローテンブルクでさえも、古都保存条例にしたがって破壊される"前と同じ町並み"を再現させたのです。その再現方法は徹底していて、焼け残った建物と新しく再現した建物の区別がつかないほどであったと書いています。日本人なら新しい都市計画を作り、広い道路を通して全部四角いビルに建て替えてしまうところでしょう。実際に京都の町の破壊されようをみると、唖然とします。歴史のある京都の町だからということでアメリカ軍でさえ空襲の対象から外したにもかかわらず、戦後になって日本人自らの手で破壊しているのを見ることになろうとは。あの京都駅の街にそぐわない異様も不気味です。

古くても良いものはよい。長く使って壊れたら修理して孫子の代まで使う。スピーカーだけではなく、人生とは、生活するとはどういうことなのかという根本的な問題ですよね。大量生産・大量消費が日本の高度経済成長を支えたのでしょうが、その結果がこんな日本にしてしまった。100円ショップの品物で部屋をいっぱいにして満足している日本人。いや、労働者でさえ使い捨ての派遣労働。本当に、何が大事で、何が大事でないのか。「ブレニンは、人生でもっとも重要なものは、計算ずくでできるものではないことを。真に価値のあるものは、量で測ったり、取引できないことを教えてくれる。」根底から考え方を転換しないかぎり、日本の再生は有り得ません。坂本竜馬が見たら「こんな国にするつもりじゃ、なかったがやきに」と言うんだろうね。きっと。

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2010年4月20日 (火)

三春滝桜とカタクリの花

三春に行ってきた。城下町三春は、梅・桃・桜が同時に咲くことから名付けられたという。その名を裏切らず、町内では三つの春が同居していた。桜だけでも1万本以上あるらしい。至る所でピンクと白の花の競演に迎えられた。あいにくと土曜日の季節はずれの雪で、滝桜は2分咲きといわれていた。それも心配だし、日曜は大混雑だろうと予想して、鶴ヶ城見物だけして磐梯熱海温泉で一泊。30以上もの趣向の違った湯がある「華の湯」で温泉三昧。

翌月曜に滝桜へ向かった。携帯電話からスマートループデータを受信したカーナビに従って車を進めたが、「滝桜」の看板とは違う道を指示する。いわれるままに進むと、驚いたことに滝桜の駐車場への大渋滞を避けて、別のルートを指示していたらしく、他の車が並んで渋滞した反対方向から駐車場入口に到着した。おかげで並ばずに簡単に駐車できてしまい、申し訳ないやらありがたいやら。二分咲きといわれていたが、暖かい天気のせいだろう、みるみるうちに開花している様子で、5分咲きくらいになってきた。

「カタクリの里」ではちょうどカタクリの花が見頃だった。可憐な花で、先日の雪にも負けずに、堂々と咲いていた。

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滝桜が満開でないのが残念で、 紅枝垂地蔵桜・五斗蒔田桜・不動桜・伊勢桜・忠七桜などの名の知られた桜もまだ蕾だった。往復700キロ走ったが、疲れたというよりも心地よい疲労感が残った。まだまだ元気ながん患者だ。

こうして好きな写真を撮って温泉三昧をしていられるのだから、これ以上の幸せはあるまい。再発や転移を心配したって始まるまい。がんであろうがなかろうが、今ここにある時間を楽しむこと。こんな生活が「がんに効く生活」なんだよとはっきり言える。来週もう一度行こうかなぁ。

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2009年8月 1日 (土)

どろ亀さん

樹海―夢、森に降りつむ

まさか自分が膵臓がんになろうとは思いもしなかった4年前の夏、夫婦で北海道をドライブした。「北の国 此処に始る 倉本聡」と記念碑がある布部駅から、布部川沿いにドラマの主な舞台である富良野市麓郷地区に向かってレンタカーを走らせると、カーナビに「東京大学北海道演習林」と表示が見えてくる。

『へぇ、こんな所にも東大の土地があるんだ』と思いつつ、そういえば6年前に京都・美山町の「かやぶきの里」に行ったときにも「京都大学演習林」があり、ブナ林が見えたことを思い出した。旧帝大はいろんな所に土地を持っているんだなぁ、とその程度の認識しかそのときは想い浮かばなかった。_mg_5444_thumb

最も古いロケ地である「麓郷の森」からほんの少し行くと、ここにも「東京大学演習林」の看板が掛かっていた。

その後に調べて分かったのだが、麓郷展望台から撮影したこの写真にも広大な森が見えるが、実は麓郷地区というよりは、富良野市が三方を「東京大学北海道演習林」に囲まれているのだ。

その演習林の林長を長らく務めた「どろ亀さん」の話

高橋延清さんは自分のことを「どろ亀さん」と呼ぶ。赤い登山帽が似合う東京大学名誉教授であった。ところがこのどろ亀さん、ドクター論文も書いたこ とはないし、そもそも論文なんて大嫌い。教授会にも一度も出席せず、「生きた教材がないキャンパスなんて意味がない」と、本郷の教壇に立ったこともないと いう、なんとも不思議な東大名誉教授である。

どろ亀さんが生涯をそこで過ごした樹海(東京大学北海道演習林)は、2万3千ヘクタール、東京山手線区域内の3.5倍の広さを持つ広大な演習林だ。どろ亀さんは1938年に着任して、退官後も死ぬまでそこで過ごした。

  どろ亀さん
  どろ亀さん
  どこへ行く
  クマザサこいで
  峰こえて
  還暦すぎて
  どこへ行く
  トドマツさんが呼んでいる
  キネズミ君が待っている
  樹海の中に生きていく
  樹海の中で生きていく

戦後日本の林業は皆伐林業だった。林野庁と営林署は、山の木を根こそぎ切り倒し丸裸にしたあとに、金になる杉や檜だけを植林し、国有林の大伐採と自 然破壊の元凶となった。手入れを怠った針葉樹林は材木としての値打ちもなく、各地で水害やスギ花粉症の原因となっただけであり、今日では林野庁の誤りは明 らかなんだが、その当時どろ亀さんは、この林野庁の方針に真っ向から反対し、あらゆる樹木を混成させてバランスをとる『林分施業法』に基づいて演習林を育 てる実験に取り掛かったのである。

林分施業法は、森林生態系の法則に従い、環境保全機能と木材生産機能との両立を持続させることを目的としている。専門外の私には難しすぎるが、「百 年単位で、森の生態系と最小単位である林分の行く末を見極めつつ、森の中の伐るべき木を選定する」ことだろう。それぞれの林分が極相林に早く達するのを手 助けするのである。極相林とは、森の中で枯れていく木と成長していく木の比重が同じ状態をいい、その直前が木材の生産量も多く、活力のある状態だという。

こうして林分施業法の6原則によって、極相林一歩手前の状態の森林がもっとも木材の生産性の高い森林であり、森にすむ生物も一番豊富なんだと証明したんだ。

そうして、木との対話、森のいのちとの対話がどろ亀さんの生き方となった。

どろ亀さんはこの「林分施業法」によって「学士院エジンバラ公賞」を受けるんだが、「百年たてば必ず分かってもらえる。ただ、生きてるうちは無理だから、森の根っこになって朽ちようと思っていたのに・・・」と新聞社へのインタビューで述べている。

  老いて
  二度童子(わらし)になった
  どろ亀さん
  科学者の目を落として
  森の中へ
  見える 見える
  よく見えてくる
  今まで気がつかなかった
  森の中の小さな
  美しいデザインも・・・・・・

  動かずに
  黙って座っている、と
  生きものたちが
  心を開けてやってくる
  ともだちにならんか、と。


老子が言うように、人間はとかく爪先立って背伸びをしたり、先を急いで大股で歩こうとしたりするが、どろ亀さんの心はそんな生き方とは正反対の命のありようだ。

どろ亀さんの育てた演習林は樹木の種類も豊富で、しかも木材生産性も日本一という、自然保護と材の生産性を両立させた森になっており、世界中から林業の研究者たちが見学にやってくる。

金を儲けようとか、有名になろうとか、新説をたてて学会をあっといわせようとか、そんな欲望をすっぱりと捨てて、意識も分別もなくして己を無にして 空っぽになったとき、向こうから自然がやってきて己と一体になる。こうして人間は命の根底に至るのである。どろ亀さんはこうして生きた人だった。

Inoti_2_thumb どろ亀さんの詩文集『樹海 -夢、森に降りつむ』には、すばらしい富良野の森の写真が添えられている。水越武さんの写真もまた「森を知り、森のいのちを知り尽くした」写真家の、命の根底にいたった作品である。

本当の人生の幸せは、どろ亀さんのような生き方にあるのだと、癌をもったいまでは痛切に感じます。

【参考文献】

樹海 -夢、森に降りつむ-  世界文化社
森に遊ぶ  -どろ亀さんの世界-  朝日文庫
樹海に生きて  -どろ亀さんと森の仲間たち- 朝日新聞社

樹海―夢、森に降りつむ森に遊ぶ―どろ亀さんの世界 (朝日文庫)

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2008年9月11日 (木)

藤原郷の紅葉

朝晩がめっきりと涼しくなりました。今日も5時から散歩(ウォーキング)で近所を歩いたのですが、秋の虫が元気なく鳴いていたり、しまい忘れた風鈴が寂しげに旋律を奏でています。老夫婦だけの家からは、ラジオの音が漏れてきます。公園のホームレスも寒そうにベンチに座っていて、足下には、天寿を全うした蝉が仰向けに転がっています。

「抗がん剤よりきれいな風景を見ていた方がガンに効く」と休眠療法の先生からはいわれたのですが、写真撮影に出かけることもままなりません。チェロの演奏は気持ちよく続けています。左の二の腕が痛くて、四番線(C線)を押さえるときに腕が十分に上がらないので、音程が不安定になります。六〇肩(という言葉があるのか知らないが)なのか、少々レッスンのやり過ぎかもしれません。

続けている「代替医療はニセ科学か」ですが、さまざまな書籍や情報を学ぶにつけ、私がこれまで考えてきたこと、やってきたことは基本的に間違っていなかったという確信がわいてきます。ただ、このところハイスピードで書籍を読み続けているので、いささかストレス気味です。これではガンには逆効果です。まぁ、のんびりと続けるつもりです。
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2003年に群馬県の藤原郷で撮った紅葉です。空間全体が黄金色の光りに包まれた雰囲気で、これまでに見た紅葉の中では最高でした。ただ、写真にするとどこまでその雰囲気が表現できているか、写真はほんとうに難しいです。

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2008年5月18日 (日)

タイムドメイン(続き)

駅ビルで北海道物産展をやっていました。釜めしが美味しそうだったので買って帰って電子レンジで温めました。物産展のおじさんから「蓋を少しずらして3分間チンしてください」と言われてその通りにしました。

ウズラの卵が入っていたので、最初に箸を付けて口に入れ、噛んだとたんにドンという音とともに口の中で爆発。本当に爆発のようでした。黄身が全て口から飛び出して食卓の上に飛び散りました。家族はみんな大笑いしていますが、口の中はひりひりして鏡で見ると口内炎のように赤く、一部は白く爛れています。口を閉じていたら鼓膜が破れたかも知れません。

卵はチンしちゃいけないと知っていましたが、殻がなければ大丈夫かと思っていました。「3分間チンする」と言われたのですが、我が家の電子レンジは800W、通常は500Wが多いのでしょうから「500Wで3分間」という意味だったのかもしれませんね。


タイムドメインスピーカーの続きです。

CDの音がこんなに良かったのかと驚きの連続です。わずか5W+5Wのスピーカーから豊かな高低音が出てきますが、けっしてドンシャリの、無理に高低音を強調したような音ではありません。タイムドメイン理論そのものが、音をアンプの電気回路でどうにかするという理論ではなくて、スピーカーの構造で物理的に必要な音を発生するようになっているからです。

Tds_fig2 タイムドメイン理論を簡単に説明すると次のようになります。あらゆる音は全て単純な正弦波のの重ね合わせで表現することができます(正弦波に分解できるということ)。これはフーリエ変換といって高等学校の物理や数学で学ぶ内容ですね。高速フーリエ変換(FFT)によってリアルタイムの音の波形を正弦波で表わすことができます。

図のように左半分が「無音部」、右半分が正弦波の音の場合も、中段部の多くの音を合成することで作り出すことができます。従来のスピーカーはこの「周波数領域」理論に基づいてウーハーで低音部を、ツィータで高音部を出すようになっています。

タイムドメイン(時間領域)理論では、左の無音部では音は出さない、右の正弦波ではそのまま正弦波を出せばよい、という考えです。ごく単純に表現しましたが、由井氏の説明だとこのようになっています。

そのためにいろいろと工夫を重ねていますが、タイムドメイン理論の正しさは、音を聞いてみれば一目瞭然(一聴?)です。とにかく聴いていて疲れないスピーカーですね。気分が良いのですぐに眠くなります。ドンシャリのスピーカーではこうはなりません。マイクロソフトのビル・ゲイツをして「わが家の7000万円のオーディオより良い音がする」と驚嘆せしめたというエピソードがあるそうです。(ただしビル・ゲイツが試聴したのは、タイムドメインスピーカーの試作品だったという説)

従来のスピーカーでは女性のボーカルや英語のCDではさ行の音が強調されて破裂音のように聞こえますが、このスピーカーでは素直な発音に聞こえてきます。由井氏が挙げた特徴があります。

  • 自然な音。 いくら聴いても疲れない。
  • 音像がリアル。 実在している様に聞こえる。 遠近、広がり、上下まで。
  • 音場感が豊か。 雰囲気まで伝わる。
  • 音離れが良い。 スピーカーが鳴っているように思えない。 空間から音が出る。
  • 距離が離れても音は崩れない。 離れても音量は余り変わらず遠くまで届く。
  • 音量を下げても音は崩れずはっきり聞こえる。 騒音の中でも聞き取れる。
  • 音の分離が良い。 オーケストラのいろいろな楽器が聞き取れる。
  • 物音や環境音がはっとするほどリアル。 自然楽器の音がリアルで表情豊か。
  • 会話がはっきり聞き取れる。 英語の発音がはっきり聞き取れる。
  • 口の形や開き方、舌や歯の動きや位置が分かる。
  • 女性ボーカルのサ行強調が無く、胴間声にならない。
  • 低音楽器の半音の動きが聞き取れる。 低音楽器の奏法、音色の変化が良く分かる。
  • 演奏会場の物音、観客の話声、微少な音が聞える。
  • 古い録音や、LP、コンパクトカセット、TVの音もリアルに忠実度高く驚く。
  • 声や楽音の頭に低音がしっかり付いて上質の音が自然に響く。

小音量でもはっきりと聞こえるので結果的にダイナミックレンジが広い音空間になります。

iTunesにAACフォーマットで記録した音を、BOSEとJupity301で聴き比べてみましたが、Jupity301では高音部・低音部が大きく損なわれていることがはっきりと分かります。BOSEではそこそこ良い音に聞こえるのですが、タイムドメインスピーカーでは明らかに音が劣化しているのが分かります。

そこでCDからiTunesに記録するフォーマットをAACから「Appleロスレス」に変えて記録のやり直しました。本当なら無圧縮のAIFFフォーマットが良いのですが、4GのiPodに6枚のCDアルバムしか入りません。Appleロスレスは可逆圧縮フォーマットで完全に無圧縮のデータに変換出来てしかも60%にデータ量を圧縮できます。BOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンQuietComfort 3で聴くと、Jupity301と同じように豊かな音を楽しむことができました。

「されば人、死を憎まず生を愛すべし。存命の喜び日々にこれ楽しまざらんや」(徒然草93段)

こうして、徒然草の気持で存分に命を楽しんでいます。

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2008年5月17日 (土)

タイムドメインスピーカー Jupity301

BauXar ボザール Jupity301

由井啓之氏の提唱する「タイムドメイン理論」に基づいて設計された「BauXar ボザール Jupity301 」を入手。
タイムドメインスピーカーは、前々からその評判は聞いていたが、先日ヨドバシで視聴して、すっかりその音の虜になってしまった。富士通テン ECLIPSE TDシリーズや最近ではiPod用として発売された日立マクセル製のMXSP-4000.TDがあるが、タイムドメイン社の製品で最高峰と言われているのがYoshii9、しかしこれは30万円と高価で手が出ない。Jupity301はライセンス品だがタイムドメイン社でもその性能を保証しているようだったのでこれにした。

デスクの両端にディスプレイをはさむように設置して、ケーブルの接続も簡単だ。CDプレーヤーも由井氏の推奨するのは「複雑な回路で音を補正したような製品ではなく、単純なポータブルCDプレーヤーが良い」との説明を頼りに、7200円のSONYのD-NE730にした。こんなに安いCDでよいのかなと半信半疑。

6センチほどのフルレンジスピーカーだけのユニットから豊かな音が出てくる。スピーカーから音が出てくるのではなく、顔の前の空間から音が出てくるという感じなのだ。モーツアルトをかけてみた。部屋全体がコンサートホールになったような気がする。弦楽器の音の立ち上がりが良い。弓が弦を噛みこんでから立ち上がるときの高音成分が明瞭に再現されてくる。

デュオ・ディ・バッソ

ロッシーニのチェロとコントラバスのための二重奏曲には驚いた。コントラバスのダッ・ダッ・ダッというテンポの速いスピッカートが明確に区切られて聞こえる(通常のスピーカーではくぐもって連続的に聞こえる)。低音に含まれている倍音成分がより正確に出てくるタイムドメイン理論の結果であるが、それが音にはっきりと現れている。もちろん高音部も良い。シンバルや鈴の、これまでは聴こえなかった音が聴こえてくる。

輪廻(りんね)交響楽

芸能山城組の「輪廻交響楽」では、最初の爆発的に轟く巨大な太鼓の音がこれまでのスピーカでは太いばちでたたいているように聞こえるのたが、このスピーカーでは細身の硬いバチで叩いているように聞こえる(実際にCDの解説書によれば平太鼓をチベット密教のバチで叩いていると書かれて いる)。BOSEのスピーカでも確かに巨大な太鼓の音として再現されるのだが、Jupity301で聴くと声明(しょうみょう)のようなコーラスともあいまって、般若心経の陀羅尼(だらに:秘蔵真言)、東洋思想の生命観・宇宙観である輪廻転生が見事に再現される。これまでのスピーカーの音空間とは違う、自分の体が輪廻転生の真っ只中の宇宙空間に漂っているような、そんな錯覚すら覚えてくる。

音像の定位感も良いから楽器の配置の奥行きまで分かるし、ヨー・ヨー・マのチェロでは左手が移動するときの弦をこする音や奏者の息遣いまではっきりと聴こえる。

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2008年3月30日 (日)

桜見物 千鳥ケ淵

しばらくブログの更新をサボりました。サボったわけではないですが、少し考えるところがあって、それをどのように書こうかと迷っています。それはまたいずれ。

_mg_0257edit_2 今日は朝の6時から千鳥ケ淵の桜を見に行きました。靖国神社に着いたのが7時少し前で、まだ駐車場が開いていなくてウロウロしました。近くの二松学舎大学裏のコイン駐車場がちょうど空いていたので、そこに入れてまずは靖国神社へ。

ひろ さちやに言わせれば「明治維新のあと、大日本帝国が作った国家神道は、あれはニセモノ宗教です。あんなニセモノ宗教を押し付けられたので、日本人は宗教嫌いになってしまったのです」(『世逃げ』のすすめ 集英社新書)となるようです。私もそう思います。遊就館(宝物遺品館)などはまさ_mg_0273editに「戦争博物館」です。侵略戦争を美化するばかりです。

千鳥ケ淵の桜はまさに満開でした。昨日なら天気も良くてもっときれいだっただろうと想像 するのですが、今日は曇り空。冬が戻ったような肌寒い朝でした。

『古今集』の紀友則の歌に、《桜の花の下にて、年の老いぬることをなげきて詠める》として

色も香も おなじ昔に 咲くらめど 年ふる人ぞ あらたまりける

との一首があります。

_mg_0294edit 桜は昔と色も香も変わらず咲いていますが、それを見ている私も妻もすっかり歳をとってしまいました。桜をバックにした妻の顔をファインダ越しに見ては、お互いに老けたなぁと感じます。今年は夫婦そろって60歳になります。

ひろ さちやはまた、別の本で、『癌は自分の体の中から生まれたものです。だから自分自身なのだから、癌と戦うのは、自分自身と戦うことです。右手が左手とけんかをしたって自分の体が傷つくだけです。』といっています。『人間が老・病・死と戦っても勝てるわけがない。負けるに決まっている。それが仏教の教えだ』とも。(日本人の良識 アスキー新書)

_mg_0321edit これって、老子の思想と同じですね。

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